昔の大学受験参考書を展示する私設博物館です。
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収蔵品番号208 堀木の読めてくる現代文2 2010年 01月 02日
【著者】堀木博禮 【肩書】旺文社ラジオ講座講師・代々木ゼミナール講師 【出版社】旺文社 【サイズ】A5 【ページ数】223頁+別冊31頁 【目次】 ●受験生へのメッセージ 第1講 村上陽一郎「歴史としての科学」 第2講 沢木耕太郎「虚構の誘惑」 第3講 渡辺京二「蕩児の帰郷」 第4講 中村光夫「近代の文学と文学者」 第5講 粟津則雄「美の近代」 第6講 山折哲雄「日本人の心情」 第7講 黒井千次「昼の目と夜の耳」 第8講 大岡信「肉眼の思想」 第9講 中村光夫「近代の文学と文学者」 第10講 石川淳「文章の形式と内容」 補講 山本恪二「見ることと見えること」 【初版発行年月日】1992年9月1日 【収蔵品発行年月日】1993年 重版発行 【収蔵品定価】980円(本体951円) 【入手困難度】★★★★★ 【学力貢献度】★★★★☆ 【ヤフオク相場】5000円~ 【鑑定額】1000円 【代替参考書】 【コメント】 堀木師が「旺文社大学受験ラジオ講座」で語った内容をほぼそのまま活字化した第2弾。たまたま第8講にあたる放送を録音していたので本書と付き合わせたが、30分の放送内容ほぼそのままであった。 「読めてくる現代文1」に比べれば若干出題校のレベルは上がっているが、「受験生へのメッセージ」の中で書かれているように超難問というレベルは意図的に排除されている。 堀木師の授業の特徴の一つが「通読」をしないことで、これについて「1」では明確な言及がなかったが「2」の第1講の劈頭に講習やレギュラー授業の第1回で話される内容が活字化されている。 最初に、私がなぜ講義の時に通読をしないのか、その理由を説明しておこうと思います。結局、堀木師の読解法の根源はコレであり、アタリマエすぎて誰も参考書に書かないので多くの受験生の盲点になっているのではないだろうか。 Amazonの書評で東大(補講)と京大(第10講)の問題が載っていることを取り上げているが、とくに「東大だから」「京大だから」という書き方はされていない(明確な字数制限がないので、実際の解答欄の大きさを指定して丁寧に書かなければいけないという程度)。 「1」同様、受験生が無理して購入する内容ではないが、教える側の人間にとってどこまで詳しく語らなければならないかを教えてくれる良書である。
by roudai
| 2010-01-02 00:00
| 国語
|
Comments(2)
Commented
by
田中
at 2011-01-30 14:45
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いつも楽しく拝見しております
(私は自宅浪人だったため、参考書選びは死活問題でした)。 「『通読』をしない」というのは、田村先生の教えとは逆ですね。 「……傍線部や空欄の所で、どうしても答を出したくなってしまうであろうが、これがまずい。」(「[旧]田村の現代文講義1」11頁) 「読みながら……決して設問は解かず、文の流れを頭に刻み込むことに専念すること。」(同12頁) 「(初期は)設問を解くことよりも文章を把握することの方が重要な段階なので、読みながら設問を解いてはいけない。」(「新・田村の現代文講義1」28頁) 私は「田村派」だったもので、受験生時代(学習初期に限らず、試験本番でも)、この教えを忠実に守っておりました。
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Commented
by
roudai at 2011-01-30 15:25
>田中さん
はじめまして。 そういえば田村師は「講義1」でそう書かれていましたね。 私は実地に受けたのは堀木師と森師だけだったので、堀木師を受けてからはこのスタイルでした。 結局、慌てて何度も読むくらいならじっくり分かるまで1回読め、という点ではお二人とも同じ事を仰っているんですけどね。 |