浪人大学付属参考書博物館

roudai.exblog.jp
昔の大学受験参考書を展示する私設博物館です。

by roudai
更新履歴
2017/04/08
春のイベントのお知らせに通販状況を追加しました。

2017/04/01
春のイベントのお知らせに当日の注意事項を追加しました。

2017/1/29
収蔵品番号222
のレビューを追加しました。

2016/9/24
収蔵品番号420
のレビューを公開しました。

2016/8/13
収蔵品番号467
のレビューを公開しました。

2016/7/23
収蔵品番号200
の復刊情報とレビューを追記しました。

2016/06/12
発行書籍番号006
の紹介記事を追記しました。

2016/03/23
収蔵品番号353
の代替参考書を変更しました。

2016/03/20
収蔵品番号470
収蔵品番号463
収蔵品番号456
収蔵品番号449
収蔵品番号414
収蔵品番号407
のレビューを公開しました。

2016/02/29
収蔵品番号505
収蔵品番号502
収蔵品番号460
収蔵品番号454
収蔵品番号410
収蔵品番号409
収蔵品番号405
のレビューを公開しました。

2016/02/14
収蔵品番号477
のレビューを公開しました。

2015/09/07
夏コミ新刊の通販を開始しました。旧刊も在庫ありです。

2015/08/29
収蔵品番号392
の復刊情報を追加しました。

2015/08/10
収蔵品番号452
収蔵品番号451
収蔵品番号450
収蔵品番号448
収蔵品番号447
収蔵品番号446
収蔵品番号445
のレビューを公開しました。

2015/08/01
発行書籍番号010
発行書籍番号008
発行書籍番号007
の改訂版情報を追記しました。

2015/06/01
収蔵品番号486
収蔵品番号487
収蔵品番号488
収蔵品番号489
収蔵品番号490
収蔵品番号491
収蔵品番号492
のレビューを公開しました。

2015/05/10
収蔵品番号478
収蔵品番号484
のレビューを公開しました。

2015/05/05
収蔵品番号472
収蔵品番号474
収蔵品番号475
のレビューを公開しました。

2014/11/30
収蔵品番号394
収蔵品番号399
収蔵品番号400
収蔵品番号402
のレビューを公開しました。

2014/10/14
収蔵品番号398
収蔵品番号397
収蔵品番号396
のレビューを公開しました。

2014/8/26
発行書籍番号011
発行書籍番号012
の委託販売を開始しました。

2014/6/7
収蔵品番号376
収蔵品番号150
収蔵品番号103
の代替参考書を変更しました。

2014/4/29
収蔵品番号434
のレビューを公開しました。

2014/04/19
収蔵品番号430
の代替参考書を変更しレビューに情報を追記しました。

2014/03/30
収蔵品番号357
の電子版復刊情報を追加しました。

2014/3/25
収蔵品番号433
収蔵品番号432
収蔵品番号431
のレビューを公開しました。

2014/02/26
収蔵品番号086
収蔵品番号347
の復刊情報を追加しました。
収蔵品番号393
のレビューを公開しました。

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収蔵品番号376 野島のセンター攻略日本史B

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【タイトル】野島のセンター攻略日本史B
【著者】野島博之
【肩書】駿台予備学校日本史科講師
【出版社】東京書籍
【サイズ】A5
【ページ数】180頁
【目次】
第1章 原始・古代
1 国家の形成はどのように進んだか
2 律令国家はどのような展開をみせたか
3 貴族政治は社会をどのように変えたか
4 古代の文化にはどのような特徴があるか
第2章 中世
1 武士の社会はどのように成長していったか
2 武士の社会はどのように変化していったか
3 中世の文化にはどのような特徴があるか
第3章 近世
1 幕藩体制の確立はどのように進展したか
2 幕藩体制はどのような展開をみせたか
3 幕藩体制はとのように動揺・衰返していったか
4 近世の文化にはどのような特徴があるか
第4章 近代
1 日本は近代の圧力にどのように対応したか
2 近代国家日本はどのように行動したか
3 成長した日本はどのような問題に直面したか
4 近代日本の挫折はどのように進行したか
5 近代の文化にはどのような特徴があるか
第5章 現代
1 日本の占領はどのように進展したか
2 独立を回復した日本はどのような変化をみせたか
3 現代の世界と日本はどうなっているか
【初版発行年月日】2000年9月18日
【収蔵品発行年月日】2000年9月18日 初版発行
【収蔵品定価】本体1000円(税別)
【入手困難度】★★★★☆
【学力貢献度】★☆☆☆☆
【ヤフオク相場】2000円~
【鑑定額】200円
【代替参考書】野島博之「野島の日本史B最速要点チェック」(東進ブックス)
【コメント】
現・東進ハイスクール講師の野島師が駿台時代に出したセンター向け参考書だが、明らかにセンターを逸脱した記述が多く看板に偽りあり。センターに正誤問題が多いということで本文中唐突に「誤文」が出てくるが、長年入試問題を見てきた館長の眼から見て「そんな出題あり?」と思うような筋の悪い「誤文」が多い。
いくら山田師に「間違ったことをおぼえるのは何もおぼえないよりはマシ」と言われても、以下のような「センター試験に出そうもない誤文」を本文に混ぜるのはどうかと思う。
平城京は、中央につくられた朱雀大路によって、東の右京と西の左京に分けられていた。(23頁)
→右と左が逆だがこれって頻出問題?

嵯峨天皇は天皇の秘書官として令外官を新設し、その長官に藤原冬嗣らを任じた。(26頁)
→蔵人は令外官なのでセンター試験でこれを「誤文」と言いきれるか?

平清盛は、大和田泊を修築して新たに宋との貿易を開始した。(34頁)
→宋との交流は清盛以前からあった

文化面で国風化が進んだのは、遣唐使の廃止により、大陸との関係が閉ざされたからである。(38頁)
→対外交流は続いており閉ざされてはいない

足利義満は、京都に花の御所を構えたが、経済の中心地である京都の施政権を公家側から奪うことはできなかった。(52頁)
→義満は施政権・徴税権も幕府に一元化している

新政府による最初の会合で、徳川慶喜に改めて将軍職を辞退するよう命じる決定がなされた。(97頁)
→辞官納地の「官」とは内大臣のこと

最初の政党内閣に代わって内閣を組織した山縣有朋は、政党との協力を一切排除して地租増徴を実現した。(114頁)
→山縣は一時憲政党と提携している
確かに誤文は誤文なのだが「センターで出る」か?と聞かれればNoと答えざるを得ない。少なくとも満点狙いの生徒以外には必要ない。

また、毎度イラッとさせられるのが、高句麗・新羅・百済・任那と出てきたらコグリョ・シルラ・ペクチェ・イムナといちいち現地読みのルビを振らずにはいられない「近隣諸国条項」遵守っぷり。センターで読みを問われることなど100%無いのに高麗にコリョ、李舜臣にイスンシン、金玉均にキムオッキュン、安重根にアンジュングンと朝鮮絡みの用語はこれ見よがしに現地読み優先でルビが振られている。
支那人は孫文にスンウェン、袁世凱にユワンシーカイ、毛沢東にマオツォトン、蒋介石にチャンチェシーだが、溥儀はふぎ、段祺瑞はだんきずい、汪兆銘はおうちょうめいと日本寄りの人物には現地読みのルビを振らない偏りが見て取れる(他に裴世清・李鴻章も)。

他にも安藤師以来の駿台日本史の伝統なのか、
和同開珎…708(和銅元)年に鋳造。以後、律令国家のシンボルとして、958年の乾元大宝まで合計12種類の銭貨(皇朝十二銭)がつくられたが、その流通は限定的で本格化しなかった。(23頁・以下赤字原文ママ)
→皇朝十二銭が律令国家のシンボル?
この時代(延喜の治)には、最後の六国史(→『日本三代実録』)や最後の格式(→『延喜格式』)が編纂されるなど、律令体制の衰退を象徴する出来事が相次いだ。(28頁)
→最後の○○が衰退の象徴ならその先は何なのか?
この時代(北山文化)、武士は文化の担い手へと成長していきますが、まだ独自性を示すには至らなかったといえるでしょう。(62~3頁)
→鎌倉文化は武家独自の文化ではないのか?
慶安の触書(1649年【☞史】)…日々の消費生活に関わることまで細かく規制した農民心得書。「年貢さへすまし候得ば、百姓程心易きものはこれなく」の一節は有名。(72頁)
→有名か?
生類憐みの令の意図…生類すべてを幕府の管理下におこうとする政策の一環だったと考えられている(77頁)
→な、何だってぇ!
鳩山一郎内閣退陣後、岸信介は自由民主党の総裁選挙に勝利して首相になった。

上の文章は、「自由民主党の総裁選挙に勝利して」の部分が誤りです。ここで岸信介について、少し説明しておきましょう。岸は、戦前から経済官僚として満州国などで活躍し、東条英機内閣の閣僚もつとめました。戦後、A級戦犯容疑者として逮捕されて3年間の獄中生活を送っています。結局、不起訴・釈放となった岸は、政治活動を再開して衆議院議員に当選し、1956年には石橋湛山と自由民主党総裁の座を争います。総裁選挙に勝利したのは石橋湛山の方でした。しかし、この石橋内閣が首相の病気により短命に終わったため、1957年、岸は首相就任を果たすことになったのです。(167頁)
→誤文を正すのなら「岸信介→石橋湛山」ではないのか?
といったヘンな決めつけや思い込みも散見する(最近の教科書の記述自体がこうなっているのかもしれないが)。

最初から読んでいて上の慶安の御触書あたりでハタと気づいたが、本文の99%が活字で、図版と言えるのは備中鍬・千歯扱・唐箕・千石どおしのイラスト(と章ごとの下手くそな似顔絵)だけ。表紙に南蛮屏風や大仙陵古墳の写真が使われているが、本文中に一切写真はない。応仁の乱などの人間関係図もなく、暗記法も皆無。史料や系図は全て他を参照しろという徹底した他力本願ぶり。

只ひたすら「読めばわかる」とばかりに「まとめ→解説」の一本調子でたった180頁とはいえ読み切るには相当の根気が必要だ。冒頭の「スーパー受験生になる!」で「何でもいいから頭に突っ込めというタイプの、受験生を『バカ』にする教育が、いまだにはびこっています。」と嘆く野島師の対案がこれなの?という無手勝流ぶりには苦笑するしかない。

もしセンター向けではなく国公立の記述向けという名目なら多少評価も変わるが、センター向けという点に関しては利より害が勝る駄本と言える。

[追記]
野島師が東進ブックスから本書の後継と見られる内容の本を出したので代替参考書を変更した。フルカラーになり、写真・図版は充実したが訳の分からない正誤判定文は相変わらず。
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by roudai | 2013-01-21 00:00 | 社会 | Comments(0)