浪人大学付属参考書博物館

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昔の大学受験参考書を展示する私設博物館です。

by roudai
更新履歴
2017/08/22
収蔵品番号561
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2017/08/19
収蔵品番号416
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2017/05/03
春のイベントのお知らせに進捗状況を追加しました。

2017/04/08
春のイベントのお知らせに通販状況を追加しました。

2017/04/01
春のイベントのお知らせに当日の注意事項を追加しました。

2017/1/29
収蔵品番号222
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2016/9/24
収蔵品番号420
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2016/8/13
収蔵品番号467
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2016/7/23
収蔵品番号200
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2016/06/12
発行書籍番号006
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2016/03/23
収蔵品番号353
の代替参考書を変更しました。

2016/03/20
収蔵品番号470
収蔵品番号463
収蔵品番号456
収蔵品番号449
収蔵品番号414
収蔵品番号407
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2016/02/29
収蔵品番号505
収蔵品番号502
収蔵品番号460
収蔵品番号454
収蔵品番号410
収蔵品番号409
収蔵品番号405
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2016/02/14
収蔵品番号477
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2015/09/07
夏コミ新刊の通販を開始しました。旧刊も在庫ありです。

2015/08/29
収蔵品番号392
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2015/08/10
収蔵品番号452
収蔵品番号451
収蔵品番号450
収蔵品番号448
収蔵品番号447
収蔵品番号446
収蔵品番号445
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2015/08/01
発行書籍番号010
発行書籍番号008
発行書籍番号007
の改訂版情報を追記しました。

2015/06/01
収蔵品番号486
収蔵品番号487
収蔵品番号488
収蔵品番号489
収蔵品番号490
収蔵品番号491
収蔵品番号492
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2015/05/10
収蔵品番号478
収蔵品番号484
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2015/05/05
収蔵品番号472
収蔵品番号474
収蔵品番号475
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2014/11/30
収蔵品番号394
収蔵品番号399
収蔵品番号400
収蔵品番号402
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2014/10/14
収蔵品番号398
収蔵品番号397
収蔵品番号396
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2014/8/26
発行書籍番号011
発行書籍番号012
の委託販売を開始しました。

2014/6/7
収蔵品番号376
収蔵品番号150
収蔵品番号103
の代替参考書を変更しました。

2014/4/29
収蔵品番号434
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2014/04/19
収蔵品番号430
の代替参考書を変更しレビューに情報を追記しました。

2014/03/30
収蔵品番号357
の電子版復刊情報を追加しました。

2014/3/25
収蔵品番号433
収蔵品番号432
収蔵品番号431
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2014/02/26
収蔵品番号086
収蔵品番号347
の復刊情報を追加しました。
収蔵品番号393
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収蔵品番号257 7つのキーワードで現代文が解ける

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【タイトル】大学入試合格ナビゲーション 7つのキーワードで現代文が解ける
【著者】小鹿良太
【肩書】栄光ゼミナール講師
【出版社】文英堂
【サイズ】A5
【ページ数】157頁+別冊解答48頁
【目次】
●はじめに
1 抽象 がわからなければ現代文は読めない!
2 概念 「考え」という考え方
3 「客観」へのあくなきこだわり 主観と客観
4 いつも斬られ役の 合理性
5 現代文がひそかに敵にしている 近代
6 今一番問題になっている 自我(私)
7 入試現代文お得意の 逆接
●おわりに
【初版発行年月日】1997年10月10日
【収蔵品発行年月日】2000年 第3刷発行
【収蔵品定価】本体800円
【入手困難度】★★★☆☆
【学力貢献度】★★☆☆☆
【ヤフオク相場】1000円~
【鑑定額】800円
【代替参考書】森永茂「入試現代文読解と正解のルール」(学研)
【コメント】
栄光ゼミナール高等部(navio)ではなく、栄光ゼミナールの講師による大学受験参考書。大学受験参考書は本書のみで、現役なのは全て高校受験用参考書。
タイプとしては代替参考書と同様の「知識・教養」系の本であり、1冊でたった7つのキーワードしか言及していないので、いわゆる「現代文単語集」を読む前段階の内容。現実問題としてこの7つのキーワードを自分の言葉でキチンと説明できる受験生というのはあまり多くないはずで、ある程度現代文に自信がある生徒でも読んで得るところがあるだろう。収録されている例題はやや解説に都合の良い問題を選びすぎているきらいはあるが、1文につき1問という形式のためポイントが絞られて解きやすくなっている。
もっとも、私大型の選択肢問題の解説は理系出身らしく理屈っぽくクドいほどで良いのだが、記述式の解答で馬脚を現してしまったのはご愛敬。
[例題2](1994年同志社大学文学部①)
●次の文章を読んで、後の問いに答えよ。
 もっとも、平面上に三次元を表現するためには、奥行の描写は当然と考えられるかもしれない。しかし問題は、なぜこれが可能となったかにある。奥行を描くには、何よりもまず人間が空間に対して優位に立ち、それを克服すべく向かってゆくという態度が根底になければならない。それは、人間が、自然を客観的に、つまり自己から切り離してきびしく観察し、その構造の秘密をくまなく解明しようとする合理的な世界観を前提とするのである。そしてこのような世界観は、いうまでもなく、西欧近代を特徴づけるもっとも基本的なものにほかならない。自然に対する合理的な意識が希薄であった古代エジプト絵画や中世キリスト教絵画では、奥行の描写がほとんど無視されていたのに対して、近代絵画では「空間」が最大のテーマとなったという事実は、それを明瞭に証拠立てている。またこの近代の空間表現の基礎をなしたルネサンスの遠近法が、きわめて論理的、科学的な法則性にもとづく体系であったことも、自然に対するこのような人間のかかわり方から見て、必然的であったと言えるだろう。(乾由明『眼の論理』)
(七)傍線について、「近代絵画では『空間』が最大のテーマとなった」のはなぜか、説明せよ(句読点とも四十字以内)
途中の本文の用語の説明、要約まではよいのだが、最後の着地にケアレスミスがある。
 設問には「近代絵画では…」とあるので、なぜ「近代」ではそうなるのかを答えなければならない。そこで「近代」の「世界観」がいかに「空間」を対象として浮き彫りにするものであったのかを、その「世界観」の特徴から説明していく。すると、次のようになる。
 「近代絵画は、人間が自然を客観的に観察するような合理的な世界観に立っていたから。」(三十七字)
 「『空間』が最大のテーマ」となる理由は、「人間が自然を客観的に観察」しているからなのである。もしも、「自然」と「人間」を融合させるような「世界観」だと、「空間」が「空間」として対象化(=客観化)されることはない。(103頁6~13行目・赤字は原文ママ)
句読点を数え忘れている(本当は三十九字・笑)のを取り上げているのではなく、答えの形が微妙にまずいのである。
筆者の解答を問題に戻してみると、
「近代絵画は、人間が自然を客観的に観察するような合理的な世界観に立っていたから」近代絵画では『空間』が最大のテーマとなった。
となる。
絵画自体がそのような世界観だから「空間」がテーマになる、というのは同じことの繰り返しで因果関係ではない。筆者の解答は、既に「合理的な世界観」が存在していて、それに基づいて「空間」をテーマにしていることになるが、むしろ逆に、そういった「合理的な世界観」を構築するために「空間」をテーマとして観察して描き出そうとしている(そういう意識がないから古代や中世の絵画は空間の描写がない)という方が論旨に沿っている。よって答えを書くならこんな形になるだろう。
【解答例】西欧近代の画家が、自然に対して客観的かつ合理的な態度をとるようになったから。(三十八字)
これならば、
「西欧近代の画家が、自然に対して客観的かつ合理的な態度をとるようになったから」近代絵画では『空間』が最大のテーマとなった。
と戻しても因果関係がハッキリしている。古代・中世の画家はそういった意識が無く、近代になって生じたことを示すため「~になった」で時間の推移を表現している。
ちなみに旺文社の電話帳の解答例は、
【解答例】西欧近代人は空間に対して優位に立ち、それを合理的に解明しようとしたから。(三十六字)
と本文中の表現をなるべくそのまま使おうとした「私大型」の解答になっているが、こちらも解明の手段として「空間」を扱っている点では館長の解答例と同様である。

このように駿台(or 出口)型(「○○」があるから「~点」式)の採点だとどちらも同じように見えてしまうが、表している内容は真逆というケースは結構ある。出来ない生徒の自己採点ではなかなかそこまで思い至らないので、信頼の置ける人間に採点してもらわないといつまで経っても記述式の点数は伸びない。

閑話休題。解答ミスを取り上げたため悪印象を持っているように思われてしまうかもしれないが、この点を除けば、現代文に自信がない生徒向けの良い入門書だと思う。若干入手困難だが、目次に挙げた7つのキーワードを大きめの国語辞典で調べてみるだけでも違ってくるはずだ。
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by roudai | 2010-11-30 00:00 | 国語 | Comments(0)

収蔵品番号256 クニヒロの入試の英作36景 第2集

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【タイトル】添削式クニヒロの入試の英作36景第2集
【著者】國弘正雄(企画構成 川村徹)
【肩書】東京国際大学教授・上智大学講師・NNN系テレビ「きょうの出来事」キャスター
【出版社】南雲堂
【サイズ】A5
【ページ数】141頁
【目次】
第1景 和文英訳(高知大)
第2景 和文英訳(白百合女子大)
第3景 和文英訳(青山学院大)
第4景 和文英訳(中央大)
第5景 和文英訳(玉川大)
第6景 和文英訳(成城大)
第7景 和文英訳(中央大)
第8景 和文英訳(筑波大)
第9景 和文英訳(青山学院大)
第10景 和文英訳(慶応大)
第11景 和文英訳(武蔵大)
第12景 和文英訳(北大)
第13景 和文英訳(神戸大)
第14景 和文英訳(阪大)
第15景 和文英訳(日本女子大)
第16景 和文英訳(清泉女子大)
第17景 和文英訳(高知大)
第18景 和文英訳(同志社大)
第19景 和文英訳(同志社大)
第20景 和文英訳(津田塾大)
第21景 和文英訳(福島大)
第22景 和文英訳(福島県立医大)
第23景 和文英訳(東京外大)
第24景 和文英訳(大阪外大)
第25景 和文英訳(一橋大)
第26景 和文英訳(山口大)
第27景 和文英訳(奈良女子大)
第28景 和文英訳(小樽商大)
第29景 和文英訳(東大)
第30景 和文英訳(九州大)
第31景 和文英訳(群馬大)
第32景 和文英訳(京大)
第33景 和文英訳(広島大)
第34景 和文英訳(京大)
第35景 条件つき英作文(駿河台大)
第36景 条件つき英作文(阪大)
【初版発行年月日】1989年1月30日
【収蔵品発行年月日】1989年1月30日 1刷
【収蔵品定価】922円+税
【入手困難度】★★★★☆
【学力貢献度】★☆☆☆☆
【ヤフオク相場】2000円~
【鑑定額】500円
【代替参考書】国弘正雄「怒涛の入試英作文基礎20題―英作文はこれで楽勝!」(たちばな出版)
【コメント】
予備校バブル期に南雲堂からシリーズで出された問題集型参考書。企画構成に名を連ねている駿台予備学校講師の川村徹とはのちの清水かつぞー氏(「英単語ピーナツほどおいしいものはない」)の本名である。

1988年に出題された英作文問題36題について、受験生(浪人生?)の回答と國弘氏による添削例とネイティヴ4人による解答例が繰り返される独自の構成で、英作文の参考書としては異例の第6集まで制作された(第2集を取り上げた意味は特にない)が、現在入手可能なのはたちばな出版から出ているダイジェスト版1冊のみである。
たちばな出版と言えば、首都圏では「怒濤の英語力」で知られる予備校の創設者でもある某新興宗教教祖が代表取締役を務める出版社で、Wikipediaにも國弘氏との関連が書かれている。かつては社会党(後に離党)の参議院議員でコチコチの反戦・護憲派として知られた國弘氏がどうしてそんなつながりを持ったのかは不明。
年次なので網羅性は特になく、原則的に難易度順に並んでいて、後ろの方はだいぶ難しい。

短い英文であろうとも朱の入らない回答はなく、特に冠詞と時制がいつの時代も受験生が苦手にしていることがよく分かる。ユニークなのは各問題の直後に<受験生のひとりごと>という欄があり、回答を寄せた受験生が問題に苦戦した箇所、自信のある言い回しなどを率直に語っている点で、この本で問題演習をする受験生も共感できる点が多くあるはずだ。この欄を見る限り、回答を寄せた受験生は辞書などを見て回答を作成しているようで、実際の合格ラインは添削例より遥かに低いであろう事が想像できる。

ところが、よく読んでいくとこの本の歪な構成にどうしても引っかかってしまう。受験生には自信満々に朱を入れる國弘氏だが、自らゼロからの回答を示すことはなく、また、解答例として挙げているネイティヴの回答についての解説は一切無い。この辺に「アメリカの核はきたない核で、ソ連の核はきれいな核」と言って憚らない左派文化人的思考に通じるモノがあると考えるのは穿ちすぎだろうか(笑)。せめて解答例で使われている単語の意味くらい載せても罰は当たらないと思うがそれすらない。よって、読者はネイティヴの解答例を「全て」自力で読み込む実力がないとこの本を100%使い切ったとは言えない。

第10景で「私は友人に会うためにパリに立ち寄った(問題の一部)」をI dropped in at Paris to see my friend./I dropped in Paris to see my friend.と訳した受験生に対し
②この文脈でdrop in は合いません。drop in とはふつうお店や友達の家なんかに立ち寄ること。made a (brief) stopover あるいは、stopped overでしょう。実際パリに住んでいる友人の家に立ち寄るなら、I dropped in on a friend in Paris. と言えますが。
(中略)
③一番目の答案と同じくmade a stopover あるいはstopped overを使います。
stop overを力説する國弘氏だが、4人のネイティヴの誰一人stop over を使った回答を寄せてくれない(全員stopped[off] in Paris )というチグハグさ。

また、4人のネイティヴが回答を寄せているが、忠実な訳から超訳まで幅広くあり、大学受験生が合格点を取れるレベルというのが全く考慮されていない。例えば第11景の
「さあ、あなた、起きて。会社におくれるわよ」
「今日は何曜日だと思っているんだい。日曜日にも出勤しなきゃいけないのかい。」(武蔵大)
のネイティヴの1番目の回答には驚愕した(カッコ内には省略形を含む1語。正解は最後に)。
"Wake up, dear! You'll be late for work!"
"( 1 ) ( 2 ) ( 3 ) ( 4 ). ( 5 ) ( 6 )."
確かに口語ではこう言うのだろうが、こんな超訳を書ける受験生がいたらお目にかかりたい。

もともと國弘氏は同時通訳者のため、英語→日本語、日本語→英語という考え方のようで、日本語特有の言い回しを易しく言い換えることがほとんど無く、以前紹介した山田師の本に比べるとだいぶ不親切。よほどレベルの高い生徒以外、気軽に質問できる適切な指導者がいない状況下で使うことはオススメしない。

驚愕の超訳とは...
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by roudai | 2010-11-23 00:00 | 英語 | Comments(0)

収蔵品番号255 センター試験現代文[小説]の点数が面白いほどとれる本

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【タイトル】新出題傾向対応版センター試験現代文[小説]の点数が面白いほどとれる本
【著者】湯木知史
【肩書】代々木ゼミナール・京進トップΣ講師
【出版社】中経出版
【サイズ】A5
【ページ数】111頁+問題別冊72頁
【目次】
小説1 北杜夫「幽霊」('90 本試験)
小説2 夏目漱石「道草」('91 本試験)
小説3 山本周五郎「雨あがる」('02 本試験)
小説4 島崎藤村「夜明け前」('97 本試験)
小説5 津島佑子「水辺」('01 本試験)
小説6 遠藤周作「肉親再会」('05 本試験)
小説7 松村栄子「僕はかぐや姫」('06 本試験)
センター試験現代文・語句総覧
「入試現代文[小説]のパラダイム」一覧
「入試現代文[評論]のパラダイム」一覧
【初版発行年月日】2006年9月3日
【収蔵品発行年月日】2006年9月3日 第1刷発行
【収蔵品定価】本体1000円+税
【入手困難度】★★★☆☆
【学力貢献度】☆☆☆☆☆
【ヤフオク相場】1000円~
【鑑定額】0円
【代替参考書】黒目邦治「パワーUP版 センター試験 国語[現代文・小説]の点数が面白いほどとれる本」(中経出版)
【コメント】
共通一次試験以来、必ず小説が1題出題される形式に変化がない割に「センター試験小説」に特化した本が少なく、血迷った受験生が石原千秋の「大学受験のための小説講義」(ちくま新書)などという百害あって一利ないクズ本に手を出さざるを得ない状況が続いている。その中でAmazonの評価が高く入手困難な本書だが、正直な話、これを勧める人間の見識を疑いたくなる欠陥だらけの本である。

現代文の力は「いかに読むか」と「いかに答えるか」と「知識・教養」の3つのベクトルで表されると考えられるが、この本は「現代文SOS」同様「いかに答えるか」100%の本である。
だから、本文の一文一文がどう関連して、なぜそこに注目するのか、どう読み取るか、という点については一切説明がない。いきなり湯木師の要約した本文内容がポンと提示され(勿論その作り方についても何ら説明はない)、読者はそこまで読めているという前提で話が進められる。この本の主要な読者である出来ない生徒は要約を読んで本文が読めたような気になるかもしれないが、いざ自力で問題を解こうとして手も足も出ないことに気付くだろう。

さらにこの本のダメダメなところはほぼ全ての問題を消去法で解こうとしている点だ。
だから解説は全て後ろ向きで自信なさげで頼りない。普通の参考書なら即答法で、本文の「~」が根拠になり答えは・・・という書き方になるところをクドクドと字数稼ぎのように全選択肢について言及する。
そしてココが一番どうしようもないのだが、消去法の説明のクセに何かというと「~が視点と合致しない。したがって明らかに誤りで消去できる」と消去する根拠に関して「明らか」などという先走った言葉を平気で使う無神経さ。正解の選択肢であろうと、全て「明らかな誤りとは言えないので保留する」止まりで、明確に「これが正解」と言い切ろうとしない無責任(ヘタレ)ぶり。
これが早稲田や上智といった微妙な選択肢ならばまだ弁護のしようもあるが、満天下に正解を示すセンター国語でそんな問題は皆無と言っていい。全ての問題においてこうなのだから、講師の説明能力不足と言わざるを得ない。

中でも目を疑ったのは小説6の問2の解説。
 まず①は「人々の困窮を救おうとする心」が視点と合致しない。したがって、明らかに誤りで消去できる。
 次に②は、「古典的な作品を否定し新しい芸術を開拓しようとする心」が視点と合致しない。したがって、明らかに誤りで消去できる。
 ついで、③は「『私』の中に光がひそんでいるという信念を持ち続ける」が視点と合致しない。したがって、明らかに誤りで消去できる。
 さらに、④は「人の魂を激しく揺さぶるような芸術の創造を希求する心」が視点と合致しない。したがって、明らかに誤りとは言えないので保留する。(原文ママ)
 最後に、⑤は、「社会的栄誉を手に入れようとする心」が視点と合致しない。したがって、明らかに誤りで消去できる。以上から④が正解となる。(78~9頁)
大方コピペミス(それだけ手抜きな作り方なワケだが・笑)だろうが、お粗末極まりなく、もう嗤うしかない。そして、この解説(他の解説も大同小異である)を読んでこの本から得るものがあると思えるだろうか?

ご大層に「入試現代文のパラダイム一覧」などと大風呂敷を広げているが、そのパラダイム自体がどうとでも解釈できる玉虫色な内容の上、107頁の一覧ではパラダイムⅢ-ⅱを2連続で載せるという誤植(というか前述の箇所と併せて中経出版の校正がズサン)がある。
ちなみに欠落したパラダイムⅢ-ⅰは17頁が初出で、
パラダイムⅢ-ⅰ(消去法)消去法は正解となる選択肢を積極的に探すのではなく、絶対に解答になり得ない選択肢を消去することにより結果的に正解が残るという消極的な解答方法である。
とご自慢のパラダイム自体がそもそも後ろ向きである。

また「新出題傾向対応版」ということになっているが、出題年度が一切載っておらず(だいたいどこが新出題傾向なのか皆目分からない)、出版から15年以上前の過去問(2008年に漱石の「彼岸過迄」が出題されるのを予想したのなら素晴らしいが・爆)から始まっている意図が不明だ。

これだけ酷い本なのになぜかAmazonのレビューはほぼ絶賛一色で、2年後に出された代替参考書の方は悪評一色なのも謎だ。まぁ、Amazonは石原の本が絶賛レビュー一色になるパラレルワールドなので何が起きても不思議ではないが。
問題が細切れになっていたり、別冊になっていなかったりする欠点はあるものの、代替参考書の方がこんな欠陥本よりまだ使い物になると断言できる。
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by roudai | 2010-11-16 00:00 | 国語 | Comments(8)

収蔵品番号254 間違いだらけの大学受験/モリモリ勇気の出る受験勉強の集中講義

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改訂新版
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新装版
【タイトル】改訂新版間違いだらけの大学受験/モリモリ勇気の出る受験勉強の集中講義
【著者】宮崎尊
【肩書】駿台予備学校・駿友予備校講師/駿友予備校・旺文社ラジオ講座講師
【出版社】草思社
【サイズ】B6
【ページ数】198頁/196頁
【目次】
プロローグ/講義のまえに
1 敵を知り己を知る方法
2 効果のあがる学習プランのつくり方
3 受験勉強を楽しく上達させる方法
4 よい予備校の選び方
5 必ず学力がアップする参考書・問題集
6 試験前のプレッシャーに勝つ方法
エピローグ/講義のあとに
【初版発行年月日】1983年3月3日/1990年4月10日
【収蔵品発行年月日】1987年10月20日 改訂新版第8刷/1991年3月12日 新装版第3刷発行
【収蔵品定価】980円/1000円(本体971円)
【入手困難度】★★★☆☆/☆☆☆☆☆
【学力貢献度】★★★☆☆
【ヤフオク相場】1000円~/700円~
【鑑定額】700円/700円
【代替参考書】宮崎尊「モリモリ勇気の出る受験勉強の集中講義」(草思社)
【コメント】
改めて考えると「勉強の仕方」というのを教師から手取り足取り習った記憶がない。いつの間にか勉強することになり、教科書を読んだり問題集を解いたりしているわけだが、そのフォームが正しいのかどうか、効率的なのかどうか、という検証もなく、何となくそういうフォームになっている。
我が家はたまたまオヤジが教育熱心だったためにこうなっただけで、そうでない家に生まれついていればまた違ったフォームになっていただろう。昨今の「ゆとり」の再生産なども実はこんな所に根があるのかもしれない。
この本は「勉強の仕方」について、分かっている人間にとってはアタリマエだが、受験生が意外と気付かずにいるポイントを指摘してくれる良書である。初版から30年近く経つが、今もってこれだけ受験生の身になって手取り足取り教えてくれる本はない。ただし、今頃になって高3(or浪人)がこの本の良さに目覚めているようでは4月からの予備校通いが待っているが。
改訂新版と新装版では主に参考書についての頁が違うだけだが、改訂新版では5教科全てについてそれぞれの教科担当による参考書紹介が載っているのに対して、新装版では主要3教科に減った上、国語について(元々大した中身ではなかったが)相当劣化している(特に秋本師の古文が最悪)。
英語については、改訂新版→「大学受験サクセス参考書合格術’87年版」→新装版と所々入手困難な本は差し替わっているものの宮崎師の信念が首尾一貫している点に好感が持てる(勿論、本文中に「サクセス」に関しての言及もある)。
書くにあたって調べたら、新装版は何とビックリの現役であった。受験を控えた高2や、意欲のある高1を持つ親御さん(もしくは本人)は新刊で買えるうちに買われることをオススメしておく。

収録されている参考書リストを見る
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by roudai | 2010-11-09 00:00 | 受験情報 | Comments(0)

収蔵品番号253 合格の英単語はこれだ!

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【タイトル】合格の英単語はこれだ!
【著者】瀬下譲
【肩書】河合塾講師
【出版社】曙出版
【サイズ】新書
【ページ数】175頁
【目次】
CHAPTER①頻出[多義語]を徹底マスター
CHAPTER②[意外な意味]を持つ重要単語
CHAPTER③[理系]入試によく出る単語
CHAPTER④英作文に役立つ[カタカナ]語
CHAPTER⑤評論文に頻出の必須[類義語]
CHAPTER⑥[時事問題]に強くなる単語集
CHAPTER⑦グレード別・評論文[頻出語]
【初版発行年月日】1991年10月31日
【収蔵品発行年月日】1991年10月31日 初版発行
【収蔵品定価】750円(定価728円)
【入手困難度】★★★☆☆
【学力貢献度】★★★☆☆
【ヤフオク相場】300円~
【鑑定額】300円
【代替参考書】
【コメント】
普通の単語集は収録語数を水増しするために当たり障りのない単語を「頻出単語」とか「重要単語」という名目で載せているが、この本は普通の単語集の付録部分だけで1冊にしてしまった潔い本。特に理系の英文で使われる英単語をまとめた本というのは(医歯薬系はあるが)ありそうでない。
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by roudai | 2010-11-02 00:00 | 英語 | Comments(0)