浪人大学付属参考書博物館

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昔の大学受験参考書を展示する私設博物館です。

by roudai
更新履歴
2017/05/03
春のイベントのお知らせに進捗状況を追加しました。

2017/04/08
春のイベントのお知らせに通販状況を追加しました。

2017/04/01
春のイベントのお知らせに当日の注意事項を追加しました。

2017/1/29
収蔵品番号222
のレビューを追加しました。

2016/9/24
収蔵品番号420
のレビューを公開しました。

2016/8/13
収蔵品番号467
のレビューを公開しました。

2016/7/23
収蔵品番号200
の復刊情報とレビューを追記しました。

2016/06/12
発行書籍番号006
の紹介記事を追記しました。

2016/03/23
収蔵品番号353
の代替参考書を変更しました。

2016/03/20
収蔵品番号470
収蔵品番号463
収蔵品番号456
収蔵品番号449
収蔵品番号414
収蔵品番号407
のレビューを公開しました。

2016/02/29
収蔵品番号505
収蔵品番号502
収蔵品番号460
収蔵品番号454
収蔵品番号410
収蔵品番号409
収蔵品番号405
のレビューを公開しました。

2016/02/14
収蔵品番号477
のレビューを公開しました。

2015/09/07
夏コミ新刊の通販を開始しました。旧刊も在庫ありです。

2015/08/29
収蔵品番号392
の復刊情報を追加しました。

2015/08/10
収蔵品番号452
収蔵品番号451
収蔵品番号450
収蔵品番号448
収蔵品番号447
収蔵品番号446
収蔵品番号445
のレビューを公開しました。

2015/08/01
発行書籍番号010
発行書籍番号008
発行書籍番号007
の改訂版情報を追記しました。

2015/06/01
収蔵品番号486
収蔵品番号487
収蔵品番号488
収蔵品番号489
収蔵品番号490
収蔵品番号491
収蔵品番号492
のレビューを公開しました。

2015/05/10
収蔵品番号478
収蔵品番号484
のレビューを公開しました。

2015/05/05
収蔵品番号472
収蔵品番号474
収蔵品番号475
のレビューを公開しました。

2014/11/30
収蔵品番号394
収蔵品番号399
収蔵品番号400
収蔵品番号402
のレビューを公開しました。

2014/10/14
収蔵品番号398
収蔵品番号397
収蔵品番号396
のレビューを公開しました。

2014/8/26
発行書籍番号011
発行書籍番号012
の委託販売を開始しました。

2014/6/7
収蔵品番号376
収蔵品番号150
収蔵品番号103
の代替参考書を変更しました。

2014/4/29
収蔵品番号434
のレビューを公開しました。

2014/04/19
収蔵品番号430
の代替参考書を変更しレビューに情報を追記しました。

2014/03/30
収蔵品番号357
の電子版復刊情報を追加しました。

2014/3/25
収蔵品番号433
収蔵品番号432
収蔵品番号431
のレビューを公開しました。

2014/02/26
収蔵品番号086
収蔵品番号347
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収蔵品番号393
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収蔵品番号432 基本英文108

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【タイトル】鬼塚・ミントンの基本英文108
【著者】鬼塚幹彦・T.D.ミントン
【肩書】代々木ゼミナール講師
【出版社】代々木ライブラリー
【サイズ】B6
【ページ数】111頁
【目次】
【初版発行年月日】1995年9月25日
【収蔵品発行年月日】1996年2月10日 第2刷発行
【収蔵品定価】780円(本体757円)
【入手困難度】★★★☆☆
【学力貢献度】★☆☆☆☆
【ヤフオク相場】1500円~
【鑑定額】105円
【代替参考書】鬼塚幹彦「大学入試 鬼塚のミラクル英文108」(プレイス)
【コメント】
今でこそ精力的に参考書を執筆している鬼塚師だが、90年代前半までは「参考書を書かない講師」の一人に数えられていた。口コミ情報しかなかった当時、分厚いテキストと〆切講座で神格化されており、館長も一度だけ直前講習(2日で4コマ?)で受講したが1コマ目で何をやっているか全くついて行けず(それまで受けて来た生徒向けなのだから当然なのだが)、親には申し訳ないが残り3コマを受講せずに帰宅してしまった。
聞くところによると鬼塚師はテキストの付録として暗唱例文を載せており、本書に収録された108の英文がその暗唱例文だという。
1頁1例文(2~4行)にポイント説明が2~3点で、最下段に日本語訳があるが、スペースにまだ余裕があるのに訳が変な体言止めをしているものがある。例えば
55.The appointment I had almost forgotten was with my uncle, who I was told was coming here to go to a calligraphy exhibition.
(忘れそうになった約束とは、書道の展覧会を見にこちらへ来ると聞いていた叔父さんとの約束。)
73.I stopped by a shop to buy some Mozart CDs. Listening to classical music is my favorite way of spending my spare time.
(モーツァルトのCDを買いにレコード屋に立ち寄った。クラシック鑑賞がぼくの一番好きな余暇の過ごし方。)
など途中までの訳がこなれているだけに非常に違和感を覚える。
暗記のためか複数の例文が連続して一つの話題になっているが、無理矢理話題を転換したり、突然流れが途切れたりするので、10文ずつくらいで定期的に切れた方が良いような気がする。

鬼塚師は精力的に昔の自著を改訂しているが、この本もプレイスから改訂されている。代替参考書の場合、単なる増補ではなく頁数が倍(239頁)に増えており、見開き2頁で1例文の上、紙面の余裕からポイントへの言及も増えている。残念ながらあすなろオンライン上での無料講義は期限切れで終了してしまっているがあくまでオマケであり、それが無いからといって本書の価値を減じるものではない。

例文108は全てそのままだが、上記の訳は以下のように手が入っている。これだけ充実した改訂版が出た以上、わざわざ旧版に手を出す理由は何もない。
55.忘れるところだった約束は叔父さんとのもので、叔父さんは書道の展覧会のためにこちらに来るという話をぼくは聞いていた。
73.モーツァルトのCDを(少し)買うためにレコード店に立ち寄った。クラシック音楽を聴くことは、ぼくのお気に入りの暇な時間の過ごし方だ。

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by roudai | 2014-01-28 00:00 | 英語 | Comments(3)

収蔵品番号431 センター試験の数学が3日でわかる本

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初版
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第3刷
【タイトル】細野真宏のセンター試験の数学が3日でわかる本 PART-1
【著者】細野真宏
【肩書】
【出版社】旺文社
【サイズ】A5
【ページ数】115頁+別冊51頁
【目次】
問題一覧表
Chapter 1.場合分けが必要な最大・最小問題(数Ⅰ)
Chapter 2.指数・対数関数Ⅰ(数Ⅱ)
Chapter 3.指数・対数関数Ⅱ(数Ⅱ)
One Point Lesson
    組立除法と因数分解について
    +
    指数の基本的な公式について
Point一覧表~索引にかえて~
【初版発行年月日】1996年10月30日
【収蔵品発行年月日】1996年10月30日 初版発行/1997年7月10日 第3刷発行
【収蔵品定価】1000円(本体976円)
【入手困難度】★★★★★
【学力貢献度】★★☆☆☆
【ヤフオク相場】1500円~
【鑑定額】500円
【代替参考書】細野真宏「細野真宏の数学が本当によくわかる本 2次関数と指数・対数関数が本当によくわかる本」(小学館)
【コメント】
「1QQ4」で取り上げたように、同一内容ながら背表紙(青→緑)や「PART-1」の表記などが異なる。
表題こそ「センター試験数学」だが、扱う範囲は最大・最小問題と指数・対数関数。しかも、最大・最小はわずか24頁しかなく大半が指数・対数関数という非常にニッチな内容。この時点で既に「面白いほどわかる本」シリーズのVersion1.0は全て刊行されており、内容の重複を避けようとしてこうなったと思われる。
確かに指数・対数関数を苦手とする生徒は多いのだが、他の細野本と比較して内容的に平凡で、これをもって「センター対策」と銘打つのはどうかと思う。
現在では同じ範囲をカバーする代替参考書が出ており、こちらの方が頁数が多い(問題数も多い)こともあり、敢えてこの本をプレミア付きで買う必要は無いだろう。
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by roudai | 2014-01-21 00:00 | 数学 | Comments(0)

収蔵品番号430 アルバトロス現代文

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【タイトル】東大理3生が教えるアルバトロス現代文
【著者】水野遼
【肩書】
【出版社】エール出版社
【サイズ】A5
【ページ数】214頁
【目次】
はじめに
2010年センター試験  第1問
                第2問
2009年センター試験  第1問
                第2問
2008年センター試験  第2問
2005年センター試験  第1問
                第2問
2004年センター試験  第1問
                第2問
2003年センター試験  第1問
                第2問
2001年センター試験  第1問
                第2問
2000年センター試験  第1問
漢字・語句の意味
あとがき
【初版発行年月日】2011年1月15日
【収蔵品発行年月日】2011年1月15日 初版第1刷発行
【収蔵品定価】本体1500円+税
【入手困難度】★☆☆☆☆
【学力貢献度】☆☆☆☆☆
【ヤフオク相場】750円~
【鑑定額】105円
【代替参考書】水野遼「東大理3・文1合格の著者が教える「満点を取る! ! ! 」アルバトロス現代文 改訂3版 (エール出版社)
【コメント】
今週末はセンター試験ということでセンター試験現代文に特化した本書を取り上げてみる。

先日ある人と雑談していた折、誰が東大理3合格者の合格体験記を読みたがるのかという話になった。
東大理3に受かるということは同世代の受験生の上位100名であるというのとほぼ同じことで、何かそこに到達するための秘密のノウハウがあると凡人は思うのだが、実際に読んでみるとそもそも地頭が違いすぎて使う問題集やペースなど超人的なケースが多く(合格直後でハイになっているため話を「盛って」いる部分も多少あるだろうが) 、並の受験生では「鵜のマネをするカラス」になるのがオチで、挫折感しか味わなさそうな気がする。
理3に受かるレベルの人なら思い当たる節があるのかもしれないが、それでは出版してもせいぜい毎年100冊ずつしか売れないことになる。あのシリーズが長年続いてるということはもっと売れ続けている証明で、現実がわからない東大病の父兄がタイトル買いしているのだろう。
理3合格者であればセンター試験は9割以上取れているから当然センター国語で取りこぼしたりはしていないはずなのだが、合格体験記を読んでまともな現代文対策に出会った記憶がない。

本書の著者は福岡市出身ながらわざわざ灘中・灘高に通い東大理3に合格したという(巻末のプロフィールに理3の文字はなく、なぜか公認会計士試験合格と書かれている…単なる資格マニア?)が、現在は法律専門学校の人気講師らしいということを聞くと尚更本当に理3なの?と思ってしまう。

他の本と違い即答法がメインで消去法を補助として用いていると自称しているが、大半の問題は「この方が早い」などと言い訳をして消去法を使う羊頭狗肉ぶり。この辺がアルバトロス(アホウドリ)の由来なのだろうか。
あとは「必勝スタイル」などと言って
 ①本文を読みつつ、傍線部に出くわしてからしばらく読んで、設問を見る
 ②設問に対し、自分なりに解答する
 ③選択肢を見て、自分のイメージしたものにもっともよくなじむものを選ぶ
などというトンチンカンな手法を掲げている点くらいか。
東大受験生なら文理を問わず記述解答を作れて当たり前だが、世の中には自分なりに解答できない受験生がゴマンといることには思いが至らないのだろう。自分のイメージした「回答」に合致する選択肢がないときは自分の解釈の下手さを棚に上げて出題者に責を負わせるあたり、今まで20年間唯我独尊で生きてきた生き様が垣間見えて、そんな人間が医者になってしまうことにうすら寒さを覚えてしまう。

14題も問題を詰め込んだために1題あたりの解説はわずか6頁程度で、本文の恣意的な抽出(なぜそこを抽出するのかは読者に分からない)と問題に難癖をつけるだけの偏った読みと、聞きかじった程度の底の浅い(無くても本文の読解には全く影響ない)知識を振り回しているため、読んでいてイライラしてくる。特に酷さが際立つのは同人誌で取り上げた2009年2010年の問題で、出版不況とは関係なく、こんな内容を持ち込んでどこの出版社も出してくれないと巻末で筆者がぼやくのも当然と思われる(それを出版してしまうのがエール出版社なのだが・笑)。
【問題文は↓から】
2010年センター試験(河合塾)

たとえば第1問の問3、
傍線部B「技術、通信、文化、広告、教育、娯楽といったいわば情報そのものを商品化する新たな資本主義の形態」とあるが、この場合、「情報そのもの」が「商品化」されるとはどういうことか。その具体的な説明として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
①多くの労カを必要とする工業生産物よりも、開発に多くの労力を前提としない特許や発明といった技術の方が、商品としての価値をもつようになること。
②刻一刻と変動する株価などの情報を、誰もが同時に入手できるようになったことで、通信技術や通信機器が商品としての価値をもつようになること。
③広告媒体の多様化によって、工業生産物それ自体の創造性や卓越性を広告が正確にうつし出せるようになり、商品としての価値をもつようになること。
④個人向けに開発された教材や教育プログラムが、情報通信網の発達により一般向けとして広く普及したために、商品としての価値をもつようになること。
⑤多チャンネル化した有料テレビ放送が提供する多種多様な娯楽のように、各人の好みに応じて視聴される番組が、商品としての価値をもつようになること。
に対する解説がこうなっている。
 さて、ポスト産業資本主義の特徴は、傍線Bにかかりますが、「情報」が価値を持つ時代であると言うことです。この話題は2009年度の解説と重複しますので、こちらでは簡単な解説に留めますが、「情報」というのが何を意味するか。本文との関係で重要なのは次の二点です。すなわち、A情報の価値は差異にあり、労働とは無関係である BAの故に、ポスト産業資本主義は商業資本主義に回帰しているということです。
 具体的に説明しましょう。本文にもあるとおり、ある人間にとって情報が価値を有するのは、その人間が当該情報を知らず、かつ知りたいものであるときです。ということは、ある情報を持っている人と持っていない人の間には、情報と何らかの対価との交換を行う動機が生まれます。みんながその情報をほしがれば、当然、価格は跳ね上がります。この意味で、情報の価値というのは、かつてのコショウの価値と同じ構造を持っていると言えるのです。ただそこで人々が求めているのは、「あいつが持っていない情報をオレは持っている」という「差異」です。
 ここでの「差異」は、日本においては次のような事情に裏打ちされます。すなわち、高度経済成長期において、国民は「三種の神器」を手に入れるべく努力しました。その後は海外旅行でした。しかし、それらが一通り手に入った後は何を求めるか。それは文字通りに「人それぞれ」になったわけです。価値観の多様化、相対化という問題に直面したわけです(ここでは誌面の都合上深くは踏み込みません)。
 さて、本文に戻って傍線Bを見てみましょう。重要なポイントは一つ。丙(ポスト産業資本主義)の説明です。そこでは「情報そのもの」が価値を有するということがいえる、つまり、「差異」が価値を生み出すのだ、ということを言っているものが正解です。
 しかし、この問題は非常に選択肢が「汚い」です。なぜかというと具体例としてあまり適切ではないように思われるからです。正解は⑤ですが①を選んてもあまり非難できないように思います
 情報が同時に入手可能なことに焦点を当てる②、広告技術云々に触れる③、「個人向け」が普及して「一般向け」になるという方向性をとる④(むしろ論理が逆でしょう)が失当なのは明らかです。では①か⑤かということになります。
 ①は、労働価値説に対比して、特許や発明といった無形資産・知的財産を挙げています。それに対して、⑤は多チャンネルのテレビを挙げています。どちらが適切な例でしょうか。
 確かに、ポスト産業資本主義における価値観の多様化から「差異」を導き出すとしたら、それだけを正直に置き換えれば、⑤ということになりそうです。しかしながら、単に個々人の好みが多様であり、それに対応したものに「価値」がある、というのは、ここでの「差異」が「価値」を生むという理論からは少し脇道にそれているきらいがあります。
 ここで強調すべきなのは、「価値観が多様化した時代にあっては、他者との差異を強調したいという欲求が働き、そのために財が投資されて価値が生まれる」(註・本文に該当する記述ナシ)という点です。ここで、「価値」を生み出す「差異」は横方向の差異(単にオレとおまえは違うということ)ではなく、縦方向の差異(差別化ということ)だということに、この問題の作問者は気がついていません。テレビの多チャンネルではその論旨が十分に表現できていないのは明らかでしょう。しかもテレビは高度成長時代からの延長線上にあるので混同しやすいのも間題です。それより、特許権のようにアイデアすなわち「情報」に高付加価値を見出すという説明の方が適切な気もしないではありません。ただ、多様性に一切触れていないのは難点でしょう。筆者としては、例えば月額制のファッション情報サイト等の例を挙げるべきではなかったかと思います。(30~31頁・太字引用者)
自ら「価値観の多様化、相対化」という言葉を引っ張り出しながら、多様化の欠片もない選択肢を不当に出題者を貶しながら擁護する意味不明な解説。
ちなみに「役立つ本」で原センセイはどう語っているか。
①多くの労力を必要とする工業生産物、青(産業資本主義)よりも、多くの労力を前提としない技術、ここでもうダメですね。緑(ポスト産業資本主義)は労力の多寡と関係ありませんから。選択肢の中に「情報」という言葉もないので論外。
②株価などの情報を誰もが同時に、はいアウト。誰もが同時じゃ価値がないんです。自分しか知らない、いわゆるインサイダー情報ってヤツですね、ならば価値があるけれど、株価はみんなが知っているんです。よって以下を読む必要もなく×。
③広告媒体の多様化によって、広告なんて言葉がここまで出てこない段階でほとんど×なんですが、創造性、卓越性、微妙に「差異」と被る言葉ですが、それが広告に正確にうつし出される、一切書かれてないですね。「ナシ」と書いておきましょう。
④個人向けに開発されたプログラムが一般向けとして広く普及、これも×。個人向けというのは緑でいいんですけど、それが一般化したり広く普及したりしては価値が無くなるので×。
⑤多種多様な娯楽のように各人の好みに応じて、ここは緑ですね。情報を商品化しています。そして各人の好みですから当然他人と異なります。そういった番組が価値を持つこと、みんなが大晦日に紅白やレコ大を見ている時代は青なんです。個人が別々の番組を有料放送やネット放送など様々なチャンネルで見るのが緑なんです。よって⑤が○。
他にも知識をひけらかしたいが為だけに純真な読者に威しをかける。
「フロイトによれば~あるという」のうち「三度ほど大きな痛手を被ったことがある」という部分にまず注目です。そこでは、A地動説B進化論C無意識という3つが挙げられています。実はこの部分が何を言っているのか、それがわかるのとわからないのでは天と地ほどに差があるのです。
 本文では、これらによって「人間の自己愛」が「痛手を被った」と言っています。どういうことでしょうか。これはABCの少なくとも一つを知っていなければなかなかわかりづらいでしょう。本文外の知識ですが、簡単に解説しておきます。(中略)
 これらの例が言わんとしていることが見抜けたでしょうか。それは、「人間中心主義・人間至上主義」に対する重要な反証例であるということです。そうすると、「少なくとももうひとつ、フロイトが語らなかった傷」という部分のもう一つの傷が何を意味するのか、予想がつきますね。人問至上主義に対するアンチテーゼであると言うことです。それはなにか?というのが本文の首題(原文ママ)です。これは最後の問題にも関係するので、少し記憶に留めて置いてください。
「それがわかるのとわからないのでは天と地ほどに差がある」と言いながら、直後に「少なくとも一つを知っていなければなかなかわかりづらい」とトーンダウンしている。
原センセイはここをどう語っているかというと
過去に三度ほど大きな痛手をこうむったことがあるという。はい「三度」、数字ですね。数字が出てきたら必ず数字に○をしておく。で、「大きな痛手」、マイナスのニュアンスの言葉ですね。何か悪いこと、マイナスなことがあった。人間の自己愛は過去に三度大きな痛手をこうむったことがあると。一度目は、はい、あらかじめ「三度」と提示してその内容を展開していきます。「一度目」の横に①と書きます。必ずこの後②、③が出てくる。それがいつ出てくるのか、と予測しながら読んでいく。(中略)「しかしながら」、逆接の三角ですね。「実は」、「実は」という言葉は作者が必ず自分の主張を強調するために、相手が考えていること、知っていることをひっくり返しにかかる、その時の「決まり文句」が「実は」という言い方なのです。だから、この先を注意して読んでいきます。
人間の自己愛には、少なくとももうひとつ、「もうひとつ」ですから四番目ということです。先に三つと言って、もうみんな三つは知っているよね、だけど四つ目があるんだよというのが岩井の一番イイタイコトになるわけですね。ですから、先ほどの三番目の「フロイト云々」というのは分からなければ分からなくて構わないということになります。その四番目の「フロイトの語らなかった傷」が今後のテーマになるわけですからこれに花丸を付けておきましょう。
受験生にとってどちらの負荷が軽いかは言うまでもあるまい。

最もこの本の酷さを伝えるのは2010年の小説問題で、あまりの誤読ぶりに自分の眼を疑ってしまった。この本をヨイショしている連中は以下の記述に目が行かなかったのだろうか?
 これまで克久たちは、一心に練習に打ち込んできたこともあり、自分たちはある種完成の域に達しつつあるという感覚を覚えていました。しかし、世の中そんなに甘くなかった。井の中の蛙に過ぎないと痛感させられたわけです。本文からその根拠を拾っておくと、「スゴイ学校は他にいくらでもあった」とストレートに書いてありますし、他校の「硬質」な音色に圧倒されています。この「硬質」は、金管楽器の演奏の「機械的」な「無機質性」のことを言っていると解するべきでしょう。なぜなら「騎馬隊」や「精密機器」というと、号令や電気回路に応じて無機質に作動するものというイメージがありますし、宗田少年が「人間的」なものに嫌悪感を覚えていることから、その反対概念としてそう推察されます。つまり自分たちの演奏はまだ人間くさく、そのために未熟であると痛感しているのです。
 これに対する反応は、川島少年のように素直に「負けた」というものと、OBのようにあれこれ負け惜しみを並べ立てるものとがあります。それを見た克久は、昨日まで「鳥の鳴き声」のようだったOBの声が人間くさく感じられたといっています。普段は威張っている絶対権力者のOBも、世間に出てはただの人だということを克久は痛感し、ある意味では社会化されたわけです。
 さて、設問に戻りましょう。傍線Bはどういう意味でしょうか。「怒られるたびにむくれていた」ことがなぜ、「消えた」のか。これまでの展開を踏まえて推論してみましょう。
 むくれていたのは、自分たちが練習を重ねるたびに着実に進歩しているという自負があり、そのことが正当に評価されていないということに対する、克久の不満感であったと解されます。冒頭にもあるように「練習づけの毎日にだったのですから。しかしながら、地区大会での他校の実力との差を痛感させられたのです。それまでむくれていたことは、ある種の羞恥心を引き起こしたでしょうね。自分の思っていた到達度など、まだまだ未熟なものにすぎないと思い知らされ、鼻を折られたわけです。
 つまり、解答に当たって必要なのはA練習を積んできた自負 B他校との圧倒的な実力差 C自分たちの未熟さを実感といったところでしょう。これらを盛り込んであるのは、③ですね。
 他の選択肢を検討しておきます。②はどう考えても失笑ものですね。克久らがリラックスできたのは、いつも威張っているOBが負け惜しみを言うのを聞いて、彼らも人間なのだと実感したためであり、改めて信頼を深めた等というのは好意的に解釈しすぎでしょう。③④のように、他校との実力差に一切言及していないものも、論点を外しています。これではただの自信過剰です。⑤は、確かに、他校との実力差を痛感した以上、自分たちに練習がまだまだ足りなかったという思いもなかったとは言えませんが、毎日一生懸命練習してきたという自負はあるのであり、自信を持って演奏できるほどの練習はしてこなかったというのは明らかに矛盾です。(35~36頁)
直接問題で問われている箇所ではないが、本文の箇所をどう読んだら筆者のようにOBの言葉が「負け惜しみ」になるのだか。灘のOBはよっぽど威張っていて下級生として苦労したのだろうと同情してしまう(爆)。そもそも「鳥の声」とは何なのか、鳥が威張っているのだろうか、意味不明である。
原センセイに解説してもらおう。
ところが、どこからか謎の台詞が出てきます。「完成されているけど、音の厚みには欠けるよ」ずいぶんと上から目線です。誰の発言か分からないまま作者は続けます。負けたという全員の感情、とりわけ一年生達の驚きを代弁した川島の一言、はい、代弁しているのだから川島も一年生ですね。ということは宗田も一年でしょう。出番を控えていた、まだ自分たちは演奏していないんですね。する前からビビッちゃった。このままじゃロクな演奏は出来ない。そしてもう一度、「完成されているけど、音の厚みには欠けるな」なぜか微妙に語尾が違いますが(笑)、ずいぶん偉そうなOBですね。たかだか高校生くらいの分際で。こういう口ばっかり達者でウザいOBいますよね。自分たちは「負けた」と思っているけど、OBは批判的な意見を言うわけです、聞こえよがしに(笑)。それが聞こえたことで多少なりとも前向きになれたのだからウザいOB様々です。
「やっぱり、中学生はね。技術が良くても音の量感には乏しいよ」、ついこの間までお前らも中坊だったろ、というのが偉そうな口をきくわけです。「うちはまぁ、中学生にしては音の厚みはあるしさ」、お前どんだけ母校の練習に顔出してるんだって台詞ですが、判官贔屓とはいえ有り難いわけです。現役の後ろにOB席があって、横長に出場する学校毎に並んで座っているのでしょうね。で、出番になると現役だけぞろぞろと舞台に移動するのでしょう。昨日まで鳥の鳴き声みたいに聞こえたOBの言葉が、今日はちゃあんと人間の話し声に聞こえる、ここを出題しても良さそうなのですが、「異常」ですよね。OBが鳥の鳴き真似をしていたわけではなくて、練習中にウザいOB達に何を言われようと意味不明だし単なる雑音だったわけです。ただ地区大会のこの状況下でようやくOB達の言っている意味が理解できたし、身内として心強さを感じているわけです。これが誰の感情かというと、克久にとって驚きに値した、ですから引っ込み思案で当然OBとも疎遠な克久にとって、昨日まで理解できなかった言葉が突然理解できるようになったことが驚き、驚くのも感情ですね、だから昨日まで~値したまでずっと赤。


かくのごとく、文章の解釈自体がお粗末極まりなく、解法も特に秀でた点がなく、この定価の2/3で河合の過去問集が買えてしまう(ウチの同人誌なら5冊・笑)ことを考えれば金を出すに値しない駄本というのが妥当な評価だろう。

【追記】
性懲りもなく改訂3版が出たので立ち読みしてきたが、今年のセンター解説が追加されただけ。「改訂3版のまえがき」で「ネットで酷評された」と書かれているが、酷評の内容から当博物館ではなさそう。「やさしくするだけが参考書ではない」と一見正論を言っている風で、手法は全く明後日の方向なのは従来通り。
もちろん上記指摘箇所は旧来のまま。今年の解説でも「戦勝(ママ)前の昭和13年」などと立ち読みレベルで気付く誤植有り。
いつの間にか表紙に「文1合格」まで追加されて、よっぽど内容に自信がないのだろう。お金をドブに捨てたい人以外は5月に出る河合の黒本を待った方がよっぽど為になる。
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by roudai | 2014-01-14 00:00 | 国語 | Comments(10)

収蔵品番号429 頻出百人一首

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【タイトル】5週間入試突破問題集 頻出百人一首
【著者】岸正尚・後藤和浩・高田正夫・高村由紀子
【肩書】関東学院女子短期大学助教授・県立平塚江南高校教諭・県立新羽高校教諭・県立中澤高校教諭
【出版社】開拓社
【サイズ】A5
【ページ数】69頁+別冊52頁
【目次】
1 百人一首について
2 解釈を深める文法
3 紫式部推薦の女性         (『古本説話集』)
4 異国で詠まれた和歌         (『土佐日記』)
5 故事を詠み込んだ機知の歌       (『枕草子』)
6 早熟な歌才の持ち主       (『百人一首一夕話』)
7 逸話のある歌
8 父親ゆずりの才知          (『古典日記』)
9 政治的陰謀と悲劇の歌       (『詩および詩人』)
10 語の識別
11 多様な修辞
12 すぐれた掛詞            (『俊頼髄脳』)
13 調べをととのえる枕詞        (『歌学提要』)
14 広がるイメージ
15 実景と韻律の序詞         (『古典文学人門』)
16 本歌取りがめざしたもの       (『近代秀歌』)
17 ク活用とシク活用の違い
18 束の間の逢瀬          (『百人一首一夕話』)
19 恋の歌・作者の周辺
20 愛の危機に嘆く女性         (『蜻蛉日記』)
21 皇女の悲恋
22 上代の助詞「ゆ」           (『万葉集』)
23 作歌の背景「詞書」
24 醍醐天皇の御代             (『大鏡』)
25 小倉山の紅葉            (『大和物語』)
26 命がけの歌合             (『沙石集』)
27 歌合に詠出された歌
28 茶の湯の風流          (『西鶴諸国ばなし』)
29「家のあるじ」はやはり女性?      (『紀貫之』)
30 ひびきとしての歌
 〔付録〕 百人一首一覧
 〔別冊】 解答・解説集
【初版発行年月日】1996年12月15日
【収蔵品発行年月日】1996年12月15日 第1版第1刷発行
【収蔵品定価】本体534円+税
【入手困難度】★★★☆☆
【学力貢献度】★★☆☆☆
【ヤフオク相場】1000円~
【鑑定額】250円
【代替参考書】山田繁雄・渡辺福男「百人一首 (イラスト学習古典) 」(三省堂)
【コメント】
新春通常更新1発目は正月明けらしく「百人一首」の参考書。菅野師の日本史などで有名な30日間スーパーゼミシリーズだが本書は結構珍しい。

受験参考書で「百人一首」というと「百人一首」を元に単語や文法を覚えさせるような、必要十分性に疑問を持つ内容が多いが、本書は百人一首の教養を前提に出題された現古融合問題、古文問題を集めた異色の内容。実際に百人一首に関する周辺エピソードまで押さえていると「大鏡」や説話集でそのまま出るケースがあり、館長は中学時代に竹本みつる「まんが百人一首事典」(学研)を丸暗記したおかげで結構美味しい思いをした。競技かるたレベルでなくても、一通り暗記しておくことで歌論や技巧についてのセンスは確実にアップする。

百首全てが解説付きで載っているため、本誌69頁に対し別冊52頁と異例の充実ぶりで、その他の古文常識や文学史も詳しい。百人一首関係の参考書では一番使える内容となっている。
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by roudai | 2014-01-07 00:00 | 国語 | Comments(2)

収蔵品番号428 広瀬クンの失敗しない受験術

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【タイトル】広瀬クンの失敗しない受験術
【著者】広瀬伸哉
【肩書】慶應大学経済学部
【出版社】二見書房
【サイズ】新書
【ページ数】218頁
【目次】
【初版発行年月日】1991年9月25日
【収蔵品発行年月日】1991年9月25日 初版発行
【収蔵品定価】730円
【入手困難度】★★★★☆
【学力貢献度】☆☆☆☆☆
【ヤフオク相場】2000円~
【鑑定額】105円
【代替参考書】和田秀樹「2014年度版 新・受験技法-東大合格の極意」(新評論)
【コメント】
3が日特集第3弾は館長と同世代の人なら記憶の片隅に残っている「広瀬クン」の受験指南本。
ご存じない方に説明すると当時の超人気バラエティ番組「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の一企画、「勉強して東大に入ろうね会」の第1期参加者でただ一人不合格になり、第2期にも参加してまたしても不合格という結果で一躍有名人となった「素人」である。
結局、慶應(経)に進み、忘れられた頃にスキー事故で亡くなったというのがニュースになった程度にもかかわらず、なぜかWikipediaに項目が立っていてビックリした。Wikipedia原理主義者は予備校講師に関しては目の敵にするのにバラエティ出演の素人には甘いのか。

番組を多少見ていただけなので、彼の背景や番組でどんな知恵を付けられていたのかを全く知らなかったのだが、この本を読んで初めて四国の有名私学愛光高等学校の出身だと知った。意外なことに本書で「元気が出るテレビ」に出演したことがどう役に立ったか、どんな影響があったかについては全く触れられていない。

気になったのは「受験生にいい遊び、悪い遊び」と題して15項目を挙げているのだが、いいも悪いも未成年がやってはいけないパチンコ、競馬に酒を挙げ、パチンコと競馬に○、酒は△でも「ストレス発散にはこれが1番」などと放言している。麻雀には××と付けながら「2年間の浪人の間、役満を4回あがったのだ!(原文ママ)」と書いているあたり本当に自分の失敗を反省しているのか疑問だ。

また、テレビ&ビデオも×××としており、全寮制だった現役時代にテレビがない生活(!)をしていたので、反動で浪人時代はテレビばかり見ていた、と書いているが、出演するのは尚更悪い気がするのだがそのことに関しての言及は無い(普通の浪人生が半レギュラーでテレビに出演するなどレアケースだろうが・笑)。そもそも超人気番組の半レギュラーが河合塾(?)に通って何も影響がなかったというのは考えづらい。

勉強法は何でもかんでも暗記(特に英語)一辺倒で高校時代に通用した勉強法を頑なに変えようとしない。英語や国語に関しての自己評価も甘く、数学が得意、と自称しても東大受験生なら当然完答できる公式当て嵌めで問題が解けるだけで、難問と格闘した形跡は見られない。模試の成績がほとんど出てこない(番組では出ていたのだろうが)ため当時の実力を計るのは難しいが、センター模試で8割弱(現役時)というのは当時の東大なら2次でよほど巻き返さないと厳しいレベルだと思う。

もう一つ気になるのが、広瀬クンが東大にこだわる理由が全く出てこない点である。Wikipediaに拠れば慶大進学後、社会人(起業?)後も東大を受け続けたそうで、結局受からないまま事故死してしまったのはこの本の勉強法が全く東大受験の役に立っていないことの証明のような気もするが、いくら国立の受験料が安いとは言え、そうまでして東大を受けなければならない理由が全く分からない。当時の慶應(経)ならバブル崩壊直後なら二浪とはいえ通用しただろうし、田舎でも負い目に感じるほどではないだろう(ちなみに小林哲夫氏の労作『東大合格高校盛衰史』に拠れば愛光高校の東大合格者数は広瀬クンの現役時代の1989年から47→36→40[現浪合算・1学年は250名])。奇しくも同書の中で「90年代になると、何が何でも東大という受験生は減少する。東大にありがたみがなくなったのか。受験生が変質したのか。メディアが命名した『東大病』が撲滅されつつあった。(134頁)」と書かれた時代に「東大病」をこれほどこじらせたのは田舎から出てきたコンプレックスに加えてテレビ出演で引くに引けなくなったからではないだろうか。

もし彼がテレビに出演せず、高校までの成功体験にとらわれず謙虚に東大を目指していたなら、これほどまでに生き急ぐことはなかったのではないだろうか。
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by roudai | 2014-01-03 00:00 | 受験情報 | Comments(3)

収蔵品番号427 聞楽に源氏物語

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【タイトル】馳浩の聞楽(きらく)に源氏物語
【著者】馳浩(朗読/佐々木亜希子)
【肩書】参議院議員・プロレスラー
【出版社】旺文社
【サイズ】変形A6
【ページ数】63頁+CD2枚組
【目次】
はじめに
源氏の愛した女性たち~DISC①
雨夜の品定め
朧月夜
夕顔
葵の上と六条の御息所

源氏をめぐる愛の三角関係~DISC②
藤壺・桐壺帝・源氏
女三の宮・源氏・柏木
「源氏物語」五十四帖の年立
【初版発行年月日】1999年9月20日
【収蔵品発行年月日】1999年9月20日 初版発行
【収蔵品定価】本体価格952円(消費税別)
【入手困難度】★★☆☆☆
【学力貢献度】☆☆☆☆☆
【ヤフオク相場】300円~
【鑑定額】105円
【代替参考書】板野博行「源氏物語を3日で極める」(スタディカンパニー)
【コメント】
3が日特集第2弾は参議院議員(現・衆議院議員)にしてプロレスラーの馳浩。自称「闘う愛の伝導師」が世紀末の迷走期であった旺文社からこんな謎のCDをリリースしていた。こちらは公式HPに8冊目の著書として載っている。
「源氏物語」好きを自称する(別の著書では「枕草子」フリークを自称する軽薄ぶり・笑)馳が自分のお気に入りの場面をピックアップして解説するという内容で、前半は光源氏と関係を持った女性たち、後半は光源氏を中心とする三角関係について語っている。時系列がメチャクチャなので下手に「源氏」を知っていると逆に混乱する。
文法や単語の話は一切無く、「気合」で古文を読む、いかにも元・高校教師らしい工夫のない内容。男子校に1人はいるエロ噺が売りの人気教師の雑談集といった感じである。同じ文法や単語を気にせず源氏物語を知りたいのなら大和和紀「あさきゆめみし」(講談社)を通読する方がよっぽどタメになる。
「愛の伝導師」を自称する割に変な所で教師的なモラルを持ち出し、正妻を大事に(馳自身はバツイチ)、不倫はイケマセン、三角関係はイケマセン、女三の宮を柏木に寝取られたのは自分の過去の報い、と現代感覚で一方的に光源氏を断罪するという、どこが「『源氏』好き」なの?という態度で臨んでいる。平安の「大恋愛小説」を単なる「男女関係の悪い事例集」に貶めているだけでこれを聴いて「源氏」を好きになれるとは到底思えない。
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by roudai | 2014-01-02 00:00 | 国語 | Comments(0)

収蔵品番号426 理系のための物理

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【タイトル】理系のための物理
【著者】大槻義彦
【肩書】早稲田大学教授
【出版社】培風館
【サイズ】A5ハードカバー
【ページ数】305頁
【目次】
Ⅰ編 力と運動
 1章 運動とエネルギー
 2章 分子の運動
Ⅱ編 波動
 3章 波の性質
 4章 音波
 5章 光波
Ⅲ編 電磁気
 6章 静電気
 7章 電流と電気抵抗
 8章 電流と磁界
 9章 交流と電磁波
Ⅳ編 電子と原子
 10章 原子の構造
 11章 原子核
練習問題解答
付録
索引
【初版発行年月日】1985年2月25日
【収蔵品発行年月日】1986年1月10日 初版第2刷発行
【収蔵品定価】1600円
【入手困難度】★★★☆☆
【学力貢献度】★★☆☆☆
【ヤフオク相場】1000円~
【鑑定額】500円
【代替参考書】
【コメント】
それでは3が日特集第1弾にして、開設8年目にして初の理科の参考書(同人誌では既に数冊取り上げているが)。
著者はあの「Mr.プラズマ」大槻教授。大学教授がこの頃受験参考書を書くこと自体は珍しくないのだが(同じ早稲田大学の吉村作治教授は「ラ講」で世界史の講座を持っていた時期がある)本書の「はしがき」を読んでいて驚愕の事実を知り、また同時期に別ルートで裏付け情報を得たという偶然のため、今回の企画となった。

その驚愕の「はしがき」とはこちら。
 「物理はわかりにくい」という声を聞く。しかしどうしたわけか、その物理の神様みたいな、物理のよくできる生徒が、クラスに1人や2人はいるものである。このような生徒は、なぜ物理がよくできるようになったのであろうか。
物理が上達するためには、何よりも「自然」に興味を示さなければならない。どこかのコマーシャルみたいに「不思議、大好き!」といかなければならない。なぜなら、物理は自然科学だからである。自然の神秘性に魅せられないで、物理がわかるはずはない。たんに数学の練習問題ではないのである。
そこで本書では、生徒諸君が何よりもまず物理が好きになるように説明を試みた。教科書や教室では得られないような自然の見方、考え方、物理の基本原理などを詳しく説明することに努めたつもりである。教室で欲求不満げな生徒諸君が、「なるほど、これでわかった」と言ってくれるように、筆者は願ったのである。(たとえば、教科書の「波動」がわからない人は、本書の「波動」の章を見ていただきたい。)
しかし、物理がよくわかっただけでは、実は不十分である。いまや物理は、あらゆる科学技術の基礎として重要な役割をはたしている。だから、物理がわかったなら、それを応用する練習も必要なのである。しかも、そうすることによって、さらに物理がよくわかってくるのである。
だから本書では、思いきって多くの例題、演習(セミナー)、練習問題を入れた。この意味では本書は参考書としても、問題集としても便えることになる。本文中にやさしい例題を入れ、各章末には演習(セミナー)を配し、ここでは問題の詳細な解き方を説明した。そのあとで、練習問題を十分行うようにした。本書のセミナー例題や練習問題は、標準クラス、またはその上の大学入試問題程度である。
筆者は若い時期に東京の巣鴨高校の講師駿台予備校の講師として教壇に立ち、そのときの経験が本書を書くうえにたいへん役立った。とくに、1973年、1978年の駿台予備校の夏期講習会で行った大学入試問題の解説は、本書の多くの問題の採用と解説に生かされている。当時の巣鴨高校の同僚、堀内校長、そして当時の駿台予備校の多くの同僚、および中塚教務部長らの諸氏に心から感謝するしだいである。中込八郎氏(引用者註・当時都立西高教諭)、㈱内田洋行がら多くの写真を提供いただいた。また、培風館の野原部長、村山高志氏には本書を刊行するにあたって力強い支援をいただいた。あわせて感謝申し上げる。
                                 1985年1月
                                 早稲田大学理工学部にて
                                        大槻義彦
えっ!大槻教授って母校で教えてたの?時期で言えば土屋師が在籍してた頃あたりか、凄いタレントが居たんだなぁ。
更に驚くべきは駿台で教えていたことで、そんなことはWikipediaにだって出ていない(著書一覧にもない・笑)。
そして更なる偶然として、「100万円参考書ハンター」で特集した「数学パロディシアター」の著者である小島寛之教授のブログを読んでいたところ、なんと駿台物理学科のドン山本義隆師の前任者が大槻教授だというのだ。つまり本書は「あの」微積物理以前の駿台物理の片鱗を伝える貴重な資料である。

あいにく館長はバリバリの文系で物理は疎いため明言を避けるが、この「はしがき」を読む限り「古文研究法」(洛陽社)における小西甚一名誉教授のそれに通じるものがあり、大学教授の著書として認められても良い内容のようだ。
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by roudai | 2014-01-01 00:00 | 理科 | Comments(2)