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浪人大学付属参考書博物館

roudai.exblog.jp
昔の大学受験参考書を展示する私設博物館です。
更新履歴
2020/06/03
収蔵品番号211
の復刊情報を追加しました。

2019/05/02
収蔵品番号424
のレビューを公開しました。

2019/05/01
収蔵品番号545
のレビューを公開しました。

2019/04/20
収蔵品番号702
のレビューを公開しました。

2018/10/31
第6回おもしろ同人誌バザールに参加しますにコメントを追加しました。

2018/6/12
収蔵品番号667
のフェア情報を更新しました。

2018/1/31
収蔵品番号234
の復刊情報を追記しました。

2017/12/04
収蔵品番号063
の復刊情報を追記しました。

2017/08/22
収蔵品番号561
のレビューを公開しました。

2017/08/19
収蔵品番号416
のレビューを公開しました。

2017/05/03
春のイベントのお知らせに進捗状況を追加しました。

2017/04/08
春のイベントのお知らせに通販状況を追加しました。

2017/04/01
春のイベントのお知らせに当日の注意事項を追加しました。

2017/1/29
収蔵品番号222
のレビューを追加しました。

2016/9/24
収蔵品番号420
のレビューを公開しました。

2016/8/13
収蔵品番号467
のレビューを公開しました。

2016/7/23
収蔵品番号200
の復刊情報とレビューを追記しました。

2016/06/12
発行書籍番号006
の紹介記事を追記しました。

2016/03/23
収蔵品番号353
の代替参考書を変更しました。

2016/03/20
収蔵品番号470
収蔵品番号463
収蔵品番号456
収蔵品番号449
収蔵品番号414
収蔵品番号407
のレビューを公開しました。

2016/02/29
収蔵品番号505
収蔵品番号502
収蔵品番号460
収蔵品番号454
収蔵品番号410
収蔵品番号409
収蔵品番号405
のレビューを公開しました。

2016/02/14
収蔵品番号477
のレビューを公開しました。

2015/09/07
夏コミ新刊の通販を開始しました。旧刊も在庫ありです。

2015/08/29
収蔵品番号392
の復刊情報を追加しました。

2015/08/10
収蔵品番号452
収蔵品番号451
収蔵品番号450
収蔵品番号448
収蔵品番号447
収蔵品番号446
収蔵品番号445
のレビューを公開しました。

2015/08/01
発行書籍番号010
発行書籍番号008
発行書籍番号007
の改訂版情報を追記しました。

2015/06/01
収蔵品番号486
収蔵品番号487
収蔵品番号488
収蔵品番号489
収蔵品番号490
収蔵品番号491
収蔵品番号492
のレビューを公開しました。

2015/05/10
収蔵品番号478
収蔵品番号484
のレビューを公開しました。

2015/05/05
収蔵品番号472
収蔵品番号474
収蔵品番号475
のレビューを公開しました。

2014/11/30
収蔵品番号394
収蔵品番号399
収蔵品番号400
収蔵品番号402
のレビューを公開しました。

2014/10/14
収蔵品番号398
収蔵品番号397
収蔵品番号396
のレビューを公開しました。

2014/8/26
発行書籍番号011
発行書籍番号012
の委託販売を開始しました。

2014/6/7
収蔵品番号376
収蔵品番号150
収蔵品番号103
の代替参考書を変更しました。

2014/4/29
収蔵品番号434
のレビューを公開しました。

2014/04/19
収蔵品番号430
の代替参考書を変更しレビューに情報を追記しました。

2014/03/30
収蔵品番号357
の電子版復刊情報を追加しました。

2014/3/25
収蔵品番号433
収蔵品番号432
収蔵品番号431
のレビューを公開しました。

2014/02/26
収蔵品番号086
収蔵品番号347
の復刊情報を追加しました。
収蔵品番号393
のレビューを公開しました。

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収蔵品番号810 医大受験 2013 Vol.6 春

収蔵品番号810 医大受験 2013 Vol.6 春_d0133636_19254700.jpg
【タイトル】季刊 医大受験 2013育文社71周年記念 Vol.6 春
【出版社】育文社
【サイズ】B5
【ページ数】172頁
【目次】
発刊の辞
巻頭特集 国民の健康を守るため、国民の医療を守る日本医師会
[シリーズ]地域医療と病院 同仁会 耳原総合病院
[連載]日々想医想薬
[連載]羅針盤 近道
[連載]orion 南船北馬
[予備校ルポ]2012年度、医大合格者178名の東大蛍雪会講師ルポ
[連載]文藝コーナー 医学部出身の文学者⑥山田風太郎
[新シリーズ]華岡青洲物語
医学部合格指導学習コーナー
◇医学部英語の攻略 第6回 日本医科大学編/小関茂・藤堂嘉章
◇旧設医科大攻略数学 第6回/依田賢
◇基本を押さえて時間短縮|私大医学部数学 伊藤博文
◇受験化学 私立医学部の化学・最強攻略法 第6回/天野光信
      『体系化学』のその先へ    第6回/天野光信
◇理系のための漢文法精読講義 第6回/市川久善
◇[新シリーズ]難関医大への小論文講座
◇国公立二次高度な現代文 第6回/宮城啓文
○愛読者コーナー
【収蔵品発行年月日】2013年2月20日 初版
【収蔵品定価】1200円(本体1143円)
【入手困難度】★★★☆☆
【学力貢献度】★★★☆☆
【ヤフオク相場】1000円~
【鑑定額】1000円
【代替参考書】なし
【コメント】
新年第2弾は13年目にして初の受験雑誌。でもカテゴリーが「受験情報」じゃない(笑)。
「思考訓練」シリーズで有名な育文社が70周年事業と銘打って始めた雑誌でタイトルの通り医大受験生向けの雑誌。
言うまでもなく館長は私大文系(若干数学は分かる程度)なので大半の記事はチンプンカンプンだ。
この後、倒産による打ち切りとなるVol.16(2015/10)までコンプリートしたのだが、単なるコレクター心理だけではない。医学部受験生だけに読ませるには勿体ないほど現代文と漢文の記事が(数学も面白いのだが)優秀だったからだ。
漢文の連載は後に市川久善「思考訓練の場としての漢文解析」(育文社)にまとめられ、中野師の「ガッツ漢文」以来久々のアンチ訓読主義の参考書として隠れた人気参考書だった。こちらも育文社倒産により絶版だが、まだ著者の所属するGHS予備校が新品を通販しているので在庫のあるうちはヤフオクやマケプレのバカ値に手を出す必要はない。
ちなみに市川久善氏とは「思考訓練としての体系化学」の天野光信氏の変名で、本誌には季刊とは言え、エッセイと化学と漢文の原稿を一人で書いていたことになる。山本矩一郎師が複数の変名で雑誌「大学への数学」の紙面を埋めたことは有名だが、ジャンル違いで同一雑誌に記事を書いていたというのは後で知って驚いた。Vol.10以降の連載は単行本化されていないので、読みたければバックナンバーを探すしかない。
また現代文の宮城啓文氏は現在GHS予備校では教えていないようだが、近年の現代文関係の記事では出色の内容で、打ち切りによって闇に消えてしまったのは本当に勿体ない。

なぜこのタイミングでカテゴリ「国語」として取り上げたかというと、本号の宮城氏による「国公立二次高度な現代文」のターゲットが、「ライジング現代文」 だからである(笑)。もちろん、書名は伏せられているのだが、以下のように見る人が見ればバレバレである。
今回は前回の予告通り、ある現代文参考書(問題集)をとりあげてみることにします。この解説書は書名に「最高レベルの学力養成」と冠しており、また実際東大受験生に評価が高い書でもあると問いていますから、大学人試現代文に対する受験界の代表的な考え方を検討する上で格好の材料になるだろうと思います。(160頁・縦書き右綴じのためページ数は逆に進む)
問題は81年東大第1問(文理共通)福永武彦「夢のように」である。立ち上がりから宮城氏によるジャブが飛ぶ。
(二)「彼等の体験はまさに夢と似かよってくる」(傍線部イ)とあるが、どういう点からそのように言えるのか、わかりやすく説明せよ。
 では解説に入ります。ここでは、設問(二)を取り上げましょう。著書には著者が誤答だとする解吉例と正解だとする例とを明示してくれていますので、まず両方を並べてみましょう。
誤答例l.過去は流動する流れとしてではなく、一個の物として認識される点。
   2.過去は日常とは別の次元に属し、流れではなく、物であり、無時間の混沌とした大きな塊りであるから。
正解例 振り返ってみると時間があっというまに過ぎ去っていたということ。(31字)
 この参考書の著者(現代文指導者)にとっての誤答例と正解例をまさに対比的に見比べて(ここでも今まで述べてきた対比的論理能力が力を発揮します)、皆さんはどう思いましたか。とりあえず、この現代文指導者が誤答例を誤答とする理由を問いてみましょう。以下、当該参考書からの引用です。
 「2は字数からもかなり無理があるが、いずれにせよ、傍線部イの前後から解答を作っている点では同じである。また、理由説明が求められているわけでもない。もちろん近くから解答を作っているから誤りであるというわけではない。遠い、近いは、論理とは無関係である。ここでも【練習問題3】で見たように「わかりやすく」という条件が2のみについている。論理から言えば、設問の「どういう点からそのように言えるのか」に対し、直前の「その点から」が指すものを解答してよい。論理的に誤りはない。しかし以上のような解答が「わかりやすく」なっているかといえば、そうではない。「過去が一個の物」であるとはいかにもわかりにくい」(「ライジング現代文」44頁、引用者注)
 まず、ここまで。はじめに形式的な点で急ぎ2の助っ人を買って出ておくと、これは一九八一年の問題なのですが、この設問の解答欄は17・5センチメートルの長さ(近年は13・5センチメートルが多くなっています)で二行が与えられています。人により文字の大きさはまちまちですが、13・5センチメートルでいうと、一行当たりゆったりと書いて25文字、多い生徒で30字書き込みます。私は立場上たくさんの東大受験生の答案(過去問演習のもの)を合格者、不合格者を含めて見てきており、また最近は情報開示で国語の点数がはっきりと分かるので、30字書き込んで却下されている事実はないことを確認済みです。二行を47字で納めている2の答案はむしろゆったりめでこそあれ、「2は字数からもかなり無理がある」という批判は当たりません。むしろ指導者の正解例の31字の方が少なすぎると批判されるべきでしよう。(158頁、強調は引用者による【以下同】)
東大や京大の問題解説にこの情報が抜けていたらアンフェアだと思うのだが、東大の過去問を多数収録している「ライジング」にこのテの情報は一切載っていない。むしろ時期により解答欄の高さに違いがある、という情報をもたらしてくれる宮城氏の解説の方が有難い。もちろん宮城氏の情報を元にすれば「振り返ってみると時間があっというまに過ぎ去っていたということ。」という内野師の模範解答は内容が「薄い」し、字数制限的にもまずい。

さらに内容面でもこう畳みかける。
では、「わかりやすい」とはどういうことなのでしょうか。そこで指導者は「わかりやすく」とはどうすることかというテーマを次に論じていきます。正当な論の展開です。以下、また引用です。
「『わかりやすく』とはどうすることか
 「わかりやすく」について、〈具体的に〉ということ、あるいは〈自分のわかりやすい言葉で言い直すこと〉などの解説を参考書で見かけることがあるが、そうなのだろうか?具体的にすることも「わかりやすく」することの一つだとは思うが、それならば、なぜ「具体的に説明せよ」と言わないのだろう。あるいは〈自分のわかりやすい言葉で言い直すこと〉が正しいなら、わかりやすさは、解答者の数だけ拡散してしまうことになるそれでは採点できない。そもそも設問の条件「わかりやすく」とは明確に、あるいは実体として定義できないものではないか。にもかかわらず受験世界では受験生の要求に応えるべく、教師がそれぞれ定義しているのではないか?経験から割り出して、あるいはそう教えられたからというように。「わかりやすく」とは筆者の考えるくわかりやすさ〉に収束するものでなければならないだろう。それは問題文が読めれば「わかる」はずだと出題者は考えているのではないか。設問の条件をそれぞれの教師が定義し、それにしたがって解答を作るのではなく、問題文の読解から答えればよいと言えないだろうか」(「ライジング現代文」44~45頁、引用者注)
 さて、「わかりやすく」とはいかなることかを論じたこの現代文指導者の説明を読んで、みなさんはよくわかったでしょうか。わたしにはどうにも「わかりにくい」のですが…。ここでは、「わかりやすく」ということについて巷の参考書で見かける解説を批判しています。その上で、「そもそも設問の条件「わかりやすく」とは明確に、あるいは実体として定義できないものではないか」と「わかりやすく」の定義を放棄します。だから、「わかりやすく」とは何かを説明するのではなく、「わかりやすく」とはどうすることか(この項の題名)を論じて結局「問題文の読解から答えればよい」という、問題提起の割には何とも当たり前すぎる、期待はずれな結論に終わっています
 一番まずい点は、他の参考書でよく見かけるという〈自分のわかりやすい言葉で言い直すこと〉の意味をこの指導者が曲解して論難している点です。〈自分のわかりやすい言葉で言い直すこと〉という意味は自分勝手にという意味ではないでしょう。「自分がわかりやずい」ととるのではなく、「自分の(わかりやすい)言葉」ととるべきです。自分が使いこなせている言葉で…、ということです。この指導者は「自分がわかりやすい」という意味に取ったために、自分勝手に、そんなことをしたら「わかりやすさは、解答者の数だけ拡散してしまうことになる」と誰も言っていない方向に話を待っていき、いやあくまで「問題文の読解から答えればよい」と当たり前のことを大仰に結論づけることになっているのがこの解説を実に軽薄なものにしています。(157頁)
いやはや全く宮城氏のおっしゃる通りである。さらに宮城氏は大事な指摘を行う。
つまり、採点者にうんうんうなりながらの読解を強いるような難解な答案を書いてはならない、一読して「あ、この受験生はわかっているな」と受験生と採点者が共鳴し合える(互いに二重化し合える)答案を書かなければならないということです。ですから、本来設問文に「わかりやすく」と指示があろうがなかろうが、全ての答案はわかりやすく書くのが当たり前です。(156頁)
言われればなあんだ、という話だが、これを読んだ後に前ページにある内野師の「指示のある/なし」についての説教を見ると滑稽に感じる。

宮城氏はさらにこう追い討ちを掛ける。
 この指導者は、「わかりやすく」をはじめは本質レベルで問題提起しながら、実際は手段レベルで他人批判を展開しているために説得力を欠くものになっているのです。
 結論から言えば、この指導者の問題点は論理の立体性がわかっていないということです。というのは、この参考書のはじめの方で「現代文を読むとはいかなることか」と大上段に振りかぶって述べた後、文章の持つ構造として①段落分け②対比③分類の三つを並列にあげているからです。対比というのは論理的に高位の概念です。段落分けも対比の一形態であり、分類は対比することによって出てくるものです。対比の重要性を理解していても、それを立体的な体系性において把握していないのです。(155頁)
予備校生相手ならごまかせてもちょっとものの見える相手だとコテンコテンである。

最後に宮城氏の記述解を挙げる。
 この説明と「正解例」とを合わせ考えてみると、現代文指導者は「物」や「塊り」という筆者の表現をあまり重視していないことがわかります。「物」や[塊り」という表現は「あっというまに過ぎ去っていた」ということの言い換えにすぎないという理解になります。本文の筆者は「通常の時間の感覚」に対して「それがない=無時間」を対置させているのに、現代文指導者は「時開かゆっくりと流れる」と「あっというまに過ぎ去る」を対置させている訳です。長いか短いか、ゆっくりか早いかという問題になってしまいます。この現代文指導者は[私はそんなことは言っていない」と反論するかもしれませんが、この引用文を客観的に読解すれば、そうならざるを得ません。それが論理強制というものです。私はここに本文との同値性の崩れを感じるのですが、みなさんはいかがでしょうか。
 「長いか短いか、ゆっくりか早いか」という捉え自体は間違いではないのです。ただ同値性が甘いのです。確かに大きくは「長いか短いか、ゆっくりか早いか」に違いない(本文第2段落で「時間の早さ」という表現が使われています)のですが、その「短い、早い」があたかも時間を持たない(本文第1段落で「無時間」と表現しています)「物」「塊り」と感じられるほどだということが筆者の認識に寄り添うことでありましょう。そこまで行って必要十分すなわち同値性が維持されるのではないでしょうか。
 第1回からの読者であればすでに気づいているでしょうが、私はこの部分も対比的論理能力という一般性を使って論じています。ここでも対比です。なぜなら、対比は論理体系に置いて最も高位に位置するからです。この識別は立体的論理能力の問題です。
 「彼等の体験はまさに夢と似かよって来る」とは、その直前に「…一個の物として認識される」とあるように、どう感じられるか、つまり認識の問題です(客観的事実を述べているのか、認識を述べているのかの区別は、現代文読解に置いて必要不可欠なものの見方の一つです)。そのことを答案に盛り込む必要があるでしょう。また、それは「日常の感覚」との対比です。そして、その短く感じる感じられ方があたかも「物」というほどだという必要十分性が求められるということです。
 最後に私の考えからする正解例を出しておきましょう。

解答例1 日常と思われたものが、振り返るとあたかも一つの物とさえ感じられるほどにあっというまに過ぎ去ってしまっていること。(56字)
解答例2 日常と思われたものが、振り返るとあっというまに過ぎ去り、時間感覚のない[物」と同じように感じられること。(52字)(154~153頁)
論理学の用語をこれ見よがしに振り回して空疎な内容の参考書を乱発している予備校講師もいるが、宮城氏の説明は堀木師並にクドいものの、その内容は明晰で一読で理解できる。記述解の内容もさすがである。このような方にこそ記述問題の解説書を書いてもらいたいものだ。

蛇足だが、館長による回答は、

決まったリズムで流れる非日常から突然日常に連れ戻され、一塊の過去の出来事として感じられる点。(53字)

会心ではないが、東大でも何点かは貰えるレベルだろう。

ついでに電話帳の模範解答は、

意識が日常の世界に戻ったとたん、通常の時間意識とは連続しない一つの独立した非日常性として、強烈に認識されてくるという点。(60字)

わかりやすく説明せよ、を満たしているか、といえばだいぶ疑問な答え。「連続しない」と「独立した」も「頭痛が痛い」っぽい。この時期だと国広師あたりと思うが。

by roudai | 2021-01-02 00:00 | 国語 | Comments(0)