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浪人大学付属参考書博物館

roudai.exblog.jp
昔の大学受験参考書を展示する私設博物館です。

by roudai
更新履歴
2023/1/1
収蔵品番号810
の代替参考書情報を追加しました。

2020/06/03
収蔵品番号211
の復刊情報を追加しました。

2019/05/02
収蔵品番号424
のレビューを公開しました。

2019/05/01
収蔵品番号545
のレビューを公開しました。

2019/04/20
収蔵品番号702
のレビューを公開しました。

2018/10/31
第6回おもしろ同人誌バザールに参加しますにコメントを追加しました。

2018/6/12
収蔵品番号667
のフェア情報を更新しました。

2018/1/31
収蔵品番号234
の復刊情報を追記しました。

2017/12/04
収蔵品番号063
の復刊情報を追記しました。

2017/08/22
収蔵品番号561
のレビューを公開しました。

2017/08/19
収蔵品番号416
のレビューを公開しました。

2017/05/03
春のイベントのお知らせに進捗状況を追加しました。

2017/04/08
春のイベントのお知らせに通販状況を追加しました。

2017/04/01
春のイベントのお知らせに当日の注意事項を追加しました。

2017/1/29
収蔵品番号222
のレビューを追加しました。

2016/9/24
収蔵品番号420
のレビューを公開しました。

2016/8/13
収蔵品番号467
のレビューを公開しました。

2016/7/23
収蔵品番号200
の復刊情報とレビューを追記しました。

2016/06/12
発行書籍番号006
の紹介記事を追記しました。

2016/03/23
収蔵品番号353
の代替参考書を変更しました。

2016/03/20
収蔵品番号470
収蔵品番号463
収蔵品番号456
収蔵品番号449
収蔵品番号414
収蔵品番号407
のレビューを公開しました。

2016/02/29
収蔵品番号505
収蔵品番号502
収蔵品番号460
収蔵品番号454
収蔵品番号410
収蔵品番号409
収蔵品番号405
のレビューを公開しました。

2016/02/14
収蔵品番号477
のレビューを公開しました。

2015/09/07
夏コミ新刊の通販を開始しました。旧刊も在庫ありです。

2015/08/29
収蔵品番号392
の復刊情報を追加しました。

2015/08/10
収蔵品番号452
収蔵品番号451
収蔵品番号450
収蔵品番号448
収蔵品番号447
収蔵品番号446
収蔵品番号445
のレビューを公開しました。

2015/08/01
発行書籍番号010
発行書籍番号008
発行書籍番号007
の改訂版情報を追記しました。

2015/06/01
収蔵品番号486
収蔵品番号487
収蔵品番号488
収蔵品番号489
収蔵品番号490
収蔵品番号491
収蔵品番号492
のレビューを公開しました。

2015/05/10
収蔵品番号478
収蔵品番号484
のレビューを公開しました。

2015/05/05
収蔵品番号472
収蔵品番号474
収蔵品番号475
のレビューを公開しました。

2014/11/30
収蔵品番号394
収蔵品番号399
収蔵品番号400
収蔵品番号402
のレビューを公開しました。

2014/10/14
収蔵品番号398
収蔵品番号397
収蔵品番号396
のレビューを公開しました。

2014/8/26
発行書籍番号011
発行書籍番号012
の委託販売を開始しました。

2014/6/7
収蔵品番号376
収蔵品番号150
収蔵品番号103
の代替参考書を変更しました。

2014/4/29
収蔵品番号434
のレビューを公開しました。

2014/04/19
収蔵品番号430
の代替参考書を変更しレビューに情報を追記しました。

2014/03/30
収蔵品番号357
の電子版復刊情報を追加しました。

2014/3/25
収蔵品番号433
収蔵品番号432
収蔵品番号431
のレビューを公開しました。

2014/02/26
収蔵品番号086
収蔵品番号347
の復刊情報を追加しました。
収蔵品番号393
のレビューを公開しました。


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収蔵品番号289 ザ☆予備校87年度版

収蔵品番号289 ザ☆予備校87年度版_d0133636_0541771.jpg
【タイトル】増補ザ☆予備校87年度版 オモシロクなったヨビコーを解剖する
【著者】第三書館編集部
【肩書】
【出版社】第三書館
【サイズ】A5
【ページ数】319頁+増補分31頁
【目次】
第1部 予備校って何だ
 A 予備校はホンネ・スクールだ
 B 大追求、予備校カルチャー
 C 全比較三大予備校時代だ
   三大予備校戦争なのだ
   三大予備校ここがちがう60問180答
   有名予備校講師の生ロクを聞こう
   ★土屋博英(ママ)の古文ゼミ
   ★表三郎だ!ぶっちぎりトーク
   ★松井道男の英語ゼミ
   イラスト・ストーリー 今日こそは勉強するぞの代ゼミ生
   イラスト・ノベル チューター物語
   三大予備校デスマッチのウラを見る
   血液型別三大予備校選びのフローチャート
 D 予備校はこう利用するのが正しい
 E いま、予備校がオモシロい
   予備校生の親としての、浪人のすすめ●鎌田慧
   体験的予備校教育論●土師政雄
   予備校は異化作用の戦場である●小林敏明
   計画浪人のすすめ●尾形憲
   予備校という名のトリックスター●山本啓
   本当とは何か、予備校で考える●最首悟
   予備校から"教育"をのぞく●小田実
第2部 「ザ予備校」データバンク
 A 前取材・県別予備校ブランドルポ
 B 全国予備校有名講師100傑
 C 全国予備校ひとくち評
 D 87年度版増補
  大学までメンドー見る87年型「予備校」悪女の深情け
  全国予備校ひとくち評
  全国予備校有名講師

【初版発行年月日】1987年4月1日
【収蔵品発行年月日】1987年4月15日 第2刷発行
【収蔵品定価】980円
【入手困難度】★★★★★
【学力貢献度】評価不能
【ヤフオク相場】5000円~
【鑑定額】3000円
【代替参考書】
【コメント】
Wikipediaの「予備校文化」の項目で長年表示されていた(最近一部のWikipedia原理主義者のおせっかいでついに削除された)「全国予備校有名講師100傑」で知られる本書。前年に出た「ザ・予備校」の増補版ということで、違いは最後の「D 87年度版増補」31頁分のみ(頁番号も再度1頁から)。共通部分は目次の土屋師の名前の誤植も含めてそのままというあたりがマトモな編集者のいないサヨク出版社の第三書館らしい。講師情報も名前と写真(パンフからの無断転載?一部講師はナシ)程度で大した情報はなく、前年度を持っていればわざわざ高値で買う必要はない。

増補分 全国予備校有名講師
# by roudai | 2011-06-21 00:00 | 受験情報 | Comments(0)

収蔵品番号288 現代文・記述問題が面白いほどとけるスーパーレクチャー

収蔵品番号288 現代文・記述問題が面白いほどとけるスーパーレクチャー_d0133636_9554840.jpg
【タイトル】湯木知史の現代文・記述問題が面白いほどとけるスーパーレクチャー
【著者】湯木知史
【肩書】代々木ゼミナール・京進トップΣ講師
【出版社】中経出版
【サイズ】A5
【ページ数】149頁+問題別冊59頁
【目次】
内容説明型問題
 第1講 加藤周一「文学の概念」('87・筑波大)
 第2講 村上陽一郎『近代科学を超えて』('93・津田塾大)
理由説明型問題
 第3講 外山滋比古『思考の整理学』('05・山口大)
 第4講 岩井克人「未来世代への責任」'02・金沢大)
総合問題
 第5講 西村清和『遊びの現象学』('95・筑波大)
 第6講 西垣通『思想としてのパソコン』('01・静岡大・人文)
 第7講 安部公房『砂漠の思想』('94・山口大)
 第8講 野家啓一『物語の哲学』('97・横浜国立大)
 第9講 山崎正和『近代の擁護』('99・筑波大)※
要約型問題
 第10講 藤澤令夫『イデアと世界』(創作問題)
 第11講 柳宗悦「工藝の教へ」('95・一橋大)
 第12講 福田恆存「文化破壊の文化政策」('99・一橋大)
【初版発行年月日】2007年10月25日
【収蔵品発行年月日】2007年10月25日 第1刷発行
【収蔵品定価】1100円+税
【入手困難度】★★★☆☆
【学力貢献度】☆☆☆☆☆
【ヤフオク相場】2500円~
【鑑定額】0円
【代替参考書】
【コメント】
前回は、マーク式の「センター試験」の上に「小説」なので、多少は情状酌量の余地があるかと思ったが、今回は著者お得意の記述問題が舞台である。よもやまさか前回のようなヘマはしないだろう、と淡い期待を抱いて読み始めたのだが、アッサリと斜め上に期待を裏切ってくれる。

前回は、湯木師の手になる途中の解説がどんなに使えなくても、大学入試センターが正解を公開してくれているので、正解に写し間違いや誤植のない限りセンター過去問集として使えたが、今回は前回に続いて問題の選定に疑問符が付くモノばかりなだけでなく、解説も相変わらずのテンプレート書き一辺倒の上に、湯木師が解答と称するモノの中身がスカスカで使い物にならないという「問題」「解説」「解答」の三拍子揃った欠陥本に仕上がっている。

ハッキリ言ってこの本の不出来なところを挙げていったらそれだけで1冊の本になってしまうほどだが、すでに絶版のため、石原の本のように被害者が拡大し続けているわけでもなく、インチキな評判を元に高値掴みする善意の第三者が出ないようスペースの許す限り証拠を挙げて説明していく程度に留める。

余談だが、先日代ゼミの大阪校を覗いたら、鷹取師のオススメとして石原のクズ本3部作(「評論」「小説」「国語力」)が張り出されていた。マトモな日本語読解力がある人間なら恥ずかしくて1冊でも勧められない本を3冊まとめてだから、おそらく鷹取師は目も通さずにライブラリーに言われるまま挙げたのだろう。現代文教師を名乗る者が正気で勧めていたとしたら近年著しい代ゼミの凋落は当然のように思える。

まず収録された問題を見渡すと、記述式の問題集を見慣れた人間なら確実に違和感を覚えるだろう。わずか12題のうちに筑波大が3題、一橋大が2題、山口大が2題と極端に偏っている上、記述式問題で良問を出す大学として定評のある、東大・京大・広大・北大・お茶女が1つも含まれていない。そもそも湯木師は代ゼミの京大現代文担当だというのにその一端すら見せようとしないのだ。

ということで、前回同様当博物館収蔵の資料をひっくり返して出題年度を調べたところ、また驚いた。前回の1題目は15年以上前のセンター過去問だったが、今回の1題目も20年前の出題の上、半数の6題が10年以上前の出題(目次の年数を赤字にしたもの)である。著作権の問題がないとは言えないが、一体どんな基準で選んだのか。有名どころを選ぶと他の本と問題が被るから、などという信者の声が聞こえてきそうだが、そういう連中には何で被ったらイケナイの?とだけ言っておこう。

折り返しの煽り文句も笑かしてくれる。
大学入試・現代文の記述問題では、皆さんがこれまでの勉強で培ってきた「総合力」が試されます。では、「総合力」とはいったい何でしょうか。
それは「読解力」「解答力」「答案作成力」の3つからなります。このうちどれかが欠けても、合格点に達することは難しくなります。
この本では、その「総合力」を最高水準まで引き上げるために参照すべき”枠組み”を法則化し、明確に示していきます。
「解答力」と「答案作成力」ってどこが違うんですか(笑)?そもそもこの本のどこをひっくり返しても「読解力」強化に関する方法論の記述はない(湯木師が一人で要約?しているだけ)し。

そしてその要約も前回同様のテンプレート書き一辺倒で読んでいて眠気を催してくる。
(読解の基本)
 本文でも形式段落に着目して、本文を読解していこう。
 本文は、二十三の形式段落から構成されている。そこで、形式段落ごとに主題を抽出し、形式段落簡の論理関係を把握していこう。
(段落にしたがって読む)
 まず、第一段落を通読する。そうすると、この段落は、人間には「与えられた情報などを改変しよう、それから脱出しようという拡散的作用」と「バラバラになっているものを関連づけ、まとまりに整理しようとする収斂的作用」という「二つの相反する能力が備わっている」ということがわかる。
 そこで、第一段落の「筆者の主張」は次のように整理することができる。
【第一段落】人間には、拡散的作用と収斂的作用という二つの相反する能力がそなわっている。
 次に、第二段落を通読する。そうすると、<数学には正解があるが、要約には正解はない>という例が挙げられていることがわかる。
 そこで、第二段落の「筆者の主張」は次のように整理することができる。
【第二段落】数学には正解があるが、要約には正解はない。

(以下、これを20回くりかえし)

 最後に第二三段落を通読する。ここで、筆者は、第二二段落に述べられているのとは反対に、「拡散のみあって収斂することを知らない」ならば、その言葉は消滅すると指摘する。
 そこで、第二三段落の「筆者の主張」は次のように整理することができる。
【第三段落】新しいことばも、拡散のみあって収斂がなければ消滅する。
(33~42頁・太字は引用者)
こんな文章しか書けない人が「小論文」を教えているんですか?という疑問が真っ先に浮かんでくる。

この問題に湯木師が設定した解答目標時間はわずか30分。形式段落23個分の要約をやっているうちに30分経ってしまいそうな気がするのだが、この問題集を絶賛する人々はそうではないらしい。
問1 傍線部A「そういう理論上あり得ないはずのことが現実にはおこっている」のはなぜか、八〇字以内で説明せよ。(原文 傍線部①のようなことがおこるのはなぜか、簡潔に説明しなさい。)
【湯木】
要約では拡散的思考がはたらき、異なった者が同じことを書くとい
うことは通常あり得ないのに、皆が学校において収斂的思考で書く
ように指導され、それが効果を上げたから。(80字)
【電話帳】
拡散的思考が働き、要約には唯一の正しい答えがないにもかかわら
ず、与えられた答えをそのまま書けば正解だという学校での指導が
効果をあげすぎて、勘違いしているから。(79字)
どちらも同じような内容だが、直後に傍線部を繋げると「あり得ないのに効果を上げたから、あり得ないことが起こっている」と単なる理由説明なのに内容が重複している(まして原文では「簡潔に」と書かれている)。ついでに言えば、筆者は「要約の結果は十人十色」と書いており、「要約」が「同じ」になるとはどこにも書いていない。同じになるのは「小論文」についてで、この点において両者は誤読している。

私大型で「簡潔に」書くならば、
[例1]小論文にも数学と同じような、これが唯一の正しい答えというもの
    があると勘違いしているから。(44字)、
解答欄に余裕があれば、「理論上あり得ないはずのこと」というニュアンス(どんな同一の解答に収斂するのか)を足して、
[例2]与えられた内容をそのまま書けば正解になるという、収斂的思考に
    よる指導が効果をあげすぎて、個性を求められる小論文においても
    そのように書けばいいと考えているから。(80字)
くらいか。

第2講の津田塾の解答もひどい。
「近代主義」や科学の根こそぎの否定が、こうした西と東の「政権交代」によってA危機を乗りきろうという発想に由来するものである限り、私はむしろそれに与しない。
 現在でも、多くの科学者・技術者は、環境汚染にせよ、エネルギー問題にせよ、これまでにわれわれが持ち合わせている知識と技術を使って、その解決に努力しているし、逆に言えば、これまでにわれわれが獲得した知識自体が、そうした危機を予見し警告を発することを可能にしているのである。

問1 傍線部A「危機」とはどのような状況をさすか、三〇字以内で説明せよ。(原文 「危機」とはどのような状況をさすと思いますか。)
【湯木】
人類の生存を危うくする環境問題が発生しているという状況。(28字)
「エネルギー問題」はどこに消えたのか(笑)?
ちなみに電話帳は字数制限がないので両論併記で
【電話帳】
資源・環境問題に象徴されるように、文明が破局的段階にあること。(31字)
「危機」なんだからマイナス表現で、筆者が例を挙げているのだから両方入れて、しかもこの危機は、昔からあるものではなく、近代以降、科学によってもたらされたものだから、
[例1]環境汚染やエネルギー問題といった科学が人類にもたらした災厄。(30字)
[例2]環境汚染やエネルギー不足といった近代になって起こった問題。(29字)
強引に文字数内に納めようとすればこんな感じか。
どちらにせよ湯木師の正解と称する代物がスカスカなのはお分かり頂けるだろう。

さらに不可解な改題もある。
問4(2)傍線部D「機能としての両者の本質を、後者よりも融合的に見なす」とはどういうことか、七〇字以内で説明せよ。(原文 「機能としての両者の本質を、後者よりも融合的に見なす」とはどういうことか、六〇字以内でわかりやすく説明しなさい。)
津田塾の出題者が「六〇字でわかりやすく説明できる」つもりで出題しているのに、なぜか湯木師は10字プラスした上にその条件まで削除している。
【湯木】
ヨーロッパは、存在ではなく機能という面での自然と人間の本質を
、日本や東洋のようにきびしく区別するのではなく、一体のものと
捉えるという意味。(69字)
【電話帳】
日本や東洋が人為の人間と無為の自然を対立させるのとは逆に、西
欧人は人間も自然も被造物として一体的に考えるということ。(58字)
電話帳が「わかりやすく」書けているかは微妙(「人為の人間と無為の自然」が意味不明)なところだが、湯木師は10字増やしても文構造が支離滅裂(これがご自慢の「パラダイム」を用いた結果なのが笑える)なのでまったく理解不能だ。

原文に従って厳しめに書くならこうなる。
[例1]日本や東洋では無為自然を最上とし、人為を加えることを悪と考え
    ているが、西欧では共に神の被造物として一体だと考えている。(59字)
あと10字あれば「一体」の中身をもう少し詳しく説明できる。
[例2]日本や東洋では無為自然を最上とし、人為を加えることを悪と考え
    るが、西欧では共に神の被造物として、人の行為を自然から切り離
    さず一体だと考える。(70字)

第4講では「比喩」に関する無知と言語センスの無さを露呈してしている。
 私は経済学者です。そして、経済学者とは現代において数少ない「悪魔」の一員です。
 人類は太古の昔から利己心の悪について語ってきました。他者に対して責任ある行動を取ること―それが人間にとっての真の「倫理」であると教えてきたのです。だが、経済学という学問はまさにこの「倫理」を否定することから出発したのです。
 (中略)資本主義社会においては、自己利益の追求こそが社会全体の利益を増進するのだと言っているのです。
 A経済学者の「悪魔」ぶりがもっとも顕著に発揮されるのは、環境問題に関してでしょう。多くの人にとって、資本主義が前提とする私的所有制こそ諸悪の根源です。環境破壊とは、私的所有制の下で個人や企業の自己利益の追求によって引き起こされると思っているはずです。
 だが、経済学者はそのような常識を逆撫でします。私的所有制とは、まさに環境問題を解決するために導入された制度だというのです。

問1 傍線部A「経済学者の『悪魔』ぶりがもっとも顕著に発揮されるのは、環境問題に関してでしょう」とあるが、そのように言えるのはなぜか、一〇〇字以内で説明せよ。(原文 傍線部(ア)について、なぜそのように言えるのかを簡潔に説明しなさい。)
またしても原文では字数指定のないものを指定している。
それはいいとして、以下の説明の決定的な欠陥が分かるだろうか。
 まず、設問の「なぜ」が直接修飾する傍線部の表現は「環境問題に関してでしょう」である。したがって、この表現が「帰着点」である。次に、この「環境問題に関してでしょう」とされている対象は、傍線部の「経済学者の『悪魔』ぶりがもっとも顕著に発揮されるの(こと)」である。したがってこの表現が「出発点」である。
 そして、「出発点」の「経済学者の『悪魔』ぶり」は、「比喩的表現」である。そこで「直接的表現」を探す。そうすると、、第一段落の「経済学者とは現代において数少ない『悪魔』の一員」に目がいく。そして、第二段落からこの「悪魔」という比喩表現は、「『倫理』を否定する」者であり、「倫理」とは「他者に対して責任ある行動を取ること」であるとわかる。この<『倫理』の否定>は、経済学においては、第三段落から明らかなように、「資本主義社会においては、自己利益の追求こそが社会全体の利益を増進する」という考え方になる。さらに本問では「環境問題」に置ける「経済学者の『悪魔』ぶり」が問題となっている。これは[本文を読解する)の第五段落で見たように、<経済学者が、私的所有制を環境問題の解決のための制度だと考える>ことなので、「出発点」の「直接表現」とは、<経済学者が、私的所有制を環境問題の解決のための制度だと考えること>となる。
 さらにこの表現を踏まえて、「論理の飛躍を埋める表現」を探す。そうすると[本文を読解する)の第四段落で見た<一般の人々は、資本主義が前提とする私的所有制の下での個人や企業の自己利益の追求によって引き起こされると考えている>ことに目が向く。これは<経済学者の考え方>とは正反対の考え方である。つまり、<経済学者の考え方>は<一般の人々の考え方>から見れば、第五段落に「逆撫で」とあるように、「『悪魔』ぶりがもっとも顕著に発揮される」場合といえる。このように「論理の飛躍を埋める表現」は本文中にある表現そのものではなく、文脈から読み取れる「論理関係」でもありうることに注意する。したがって、「論理の飛躍を埋める表現」は、<一般の人々の考え方と経済学者の考え方とはまったく逆のものである>となる。(59~60頁・太字/橙字本文ママ)
「出発点」だの「帰着点」だの湯木師が得意げに並べる意味のない与太はどうでもいい。
岩井がなぜ「経済学者」を「ペテン師」や「天の邪鬼」ではなくわざわざ「悪魔」に譬えたのか、言い換えると「経済学者」と「悪魔」にはどんな共通点があるのか、その点についての考慮が全く無い。

「『倫理』を否定する」者だと書いてある?倫理を否定するイコール「悪魔」なのか?それだけなら他にもあるだろう。けれども岩井は敢えてインパクトの強い「悪魔」を冒頭から持ってきた。そもそも「悪魔」とは何なのか。
あく‐ま【悪魔】
1 残虐非道で、人に災いをもたらし、悪に誘い込む悪霊。また、そのような人間。
2 仏道修行を妨げる悪神の総称。魔。魔羅。
3 キリスト教で、神の創造した世界に対する破壊的で攪乱(かくらん)的な要素。悪への誘惑者。地獄に落ちた天使という解釈もある。サタン。
こういう性質が経済学者になければ岩井は経済学者を「悪魔」になど譬えはしない。つまり、経済学者とは言葉巧みに人を悪に誘い込み、災いをもたらす邪悪な存在である、という自虐がこの文章の基調であり、これが欠けていたらこの文章を読めたことにはならない。当然、出題もそこを中心に聞いてくる。しかし、湯木師の解答は
【湯木】
経済学者は私的所有制を環境問題解決の制度だと考える。これに対
し、一般の人々は私的所有制下での個人や企業の自己利益追求こそ
が環境問題の原因だというように、経済学者の考え方とは全く逆の
考え方をとるから。(99字)
長いだけで2文にした意味もなく、「悪魔ぶり」も「最も」も表現されていない書き賃狙いのレベル。そもそも経済学者の「悪魔ぶり」を示さなければイケナイのに一般人の考え方で締めている点だけで0点にされてもおかしくない。
電話帳も少しマシというレベルだが。
【電話帳】
環境破壊とは私的所有制の下で個人や企業が自己利益を追求する結
果引き起こされると考える大多数の常識に反して、経済学者は環境
問題を「共有制の悲劇」と考え、私的所有下での自己利益の追求こ
そが環境破壊を防止すると主張するから。(109字)
電話帳の解答は「常識」に反するから「悪魔ぶり」を発揮すると言えなくもないか。採点官が日本語に厳しければ「環境破壊は・・・されると考える大多数の常識」がおかしい(「と」がない方が分かりやすい)と減点されるかもしれない。

本気で「悪魔ぶり」を示すならこれくらい書かなければイケナイだろう。
[例]経済学者は、私的所有制によって環境破壊が起こると考える多くの
   人々に、本来「倫理」に反する自己利益の追求こそが環境破壊の防
   止策だと主張して、太古の昔から「悪」とされてきた利己心を巧み
   にあおり立てたから。(100字)
こう書けば、いかに「経済学者」が「ワル」であるかは自明である。本当は「詭弁を弄する」なんて使いたいのだが、試験会場で書けない漢字を使うのはアンフェアなのでやめておいた。

深読みのしすぎと思われるかもしれないが、出題者もそう考えていることは次の問題からも分かる。
 どうやら私は「悪魔」の一員として失格したようです。経済学者の論理を極限まで推し進めた結果、その論理が追放してしまったはずの「倫理」なるものを再び呼び戻す羽目に陥ってしまったからです。
 だが、京都議定書の批准をめぐる最近の混乱は、まさにその「倫理」こそ地球上で最も枯渇した資源であることを思い出させてくれました。環境問題が真に困難な問題であることを結果的に指し示すことになったという意味では、C私も立派に「悪魔」としての役割を果たしたと言えるのかもしれません

問3 傍線部C「私も立派に「悪魔」としての役割を果たしたと言えるのかもしれません」とあるが、そのようにいえるのはなぜか、一三〇字以内で説明せよ。(原文 傍線部(エ)について、なぜそのように言えるのかを簡潔に説明しなさい。)
またしても原文にない字数制限の設定である。「簡潔に」と「一三〇字」ではエライ違いだが、それぞれの解答を見てみよう。
 まず、設問の「なぜ」が直接修飾する傍線部分の表現は、「立派に『悪魔』としての役割を果たした」である。したがって、この表現が「帰着点」である。次に、この「立派に『悪魔』としての役割を果たした」とされている対象は傍線部の「」である。したがって、この表現が「出発点」である。
 そして、「出発点」の「」は具体的にどのような立場にある者なのかという説明が必要であり、「抽象的表現」である。そこで、「具体的表現」を探す。そうすると「私」は第二〇段落にあるように、環境問題で「経済学者の論理を極限まで推し進めた結果」、「『倫理』なるものを再び呼び戻」した者であることがわかる。したがって、「出発点」の「具体的表現」は第一九段落(あるいは問2)を踏まえると<私的所有制の下での自己利益の追求という経済学者の論理を極限まで推し進めた結果、環境問題では、未来世代の利益の実現に責任を持って行動することが必要だということを明らかにした者>となる。
 さらに、この表現を踏まえて「論理の飛躍を埋める表現」を探す。そうすると、傍線部分の直前に「京都議定書の批准をめぐる最近の混乱」で環境問題の解決には「倫理」が必要であるにもかかわらず、「『倫理』こそ地球上で最も枯渇した資源である」ということが明らかになったとある。つまり、それは、<人類の滅亡という最悪の事態をもたらす可能性を示す>ものであり、そのことを示した「私」は「悪魔」だといえるということである。したがって、「論理の飛躍を埋める表現」は<現在世代は倫理を欠くため、環境問題が真に困難な問題であることを示すことになった>となる。(64頁・太字/橙字本文ママ)
長々とテンプレート文を並べているが後半は全くナンセンスである。なぜなら「『倫理』が枯渇した理由」が全く書かれていないから。
また「悪魔の役割」とは何なのか、これを読む限り「人類滅亡という事態をもたらす可能性を示す」としか読みようがないが、これは「預言者」の仕事で「悪魔」はこんな悠長なことはしない。「悪魔」とは何か、という根源的な定義をすっ飛ばしてウソ八百を書き散らかしてきた報いである。ちなみに上の理屈から引き出した答えは、
【湯木】
自己利益の追求という経済学者の論理を極限まで推し進めた結果、
環境問題では、現在世代は未来世代の利益実現に責任を持って行動
する「倫理」の必要性が明らかになったと同時に、現在世代がその
「倫理」を欠くため、環境問題が真に困難な問題であることを示す
ことになったから。(129字)


まだ続くよ(爆)
# by roudai | 2011-06-14 00:00 | 国語 | Comments(68)

収蔵品番号287 英語同意書換100

収蔵品番号287 英語同意書換100_d0133636_6422926.jpg
【タイトル】大学受験カプセルミニ4 英語同意書換100
【著者】教育社
【肩書】
【出版社】教育社
【サイズ】新書
【ページ数】227頁
【目次】
1 不定詞を用いた書きかえ
2 分詞を用いた書きかえ
3 動名詞を用いた書きかえ
4 関係詞を用いた書きかえ
5 接続詞・疑問詞を用いた書きかえ
6 仮定法を用いた書きかえ
7 比較表現に関する書きかえ
8 受動態を用いた書きかえ
9 話法に関する書きかえ
10 主語・品詞などの転換による書きかえ
11 文の種類に関する書きかえ
語⇔語句の書きかえ100
【初版発行年月日】1988年10月15日
【収蔵品発行年月日】1988年10月15日 第1刷発行
【収蔵品定価】600円
【入手困難度】★★★☆☆
【学力貢献度】★★☆☆☆
【ヤフオク相場】500円~
【鑑定額】600円
【代替参考書】
【コメント】
昔は出版点数が多かったのに現在はほとんど見かけない形式の問題集が「誤文訂正」と「書き換え」問題集だ。特に後者に関しては未だに「空所を埋めて同じ意味にしなさい」という形式の問題が出題されているのに、それだけに特化した問題集というのは予備校バブル期以前に比べるとほとんど見かけることはない。
今回の本はギリギリ予備校バブル期にあたる本で、こうした書き換え専門問題集の中では最晩年にあたる代物だが、新書版・100の公式化という点が目新しい(新書版・公式化という点では毛利良雄「英語書きかえ問題の急所」が他にあるが)。
レイアウトは左に公式とその解説、右がトレーニング2題とその訳で、一瞬、トレーニングの正解はどこだ?とパニクってしまうが、1題目のトレーニングが空所補充型書き換え問題4セット、2題目のトレーニングが条件英作文型の書き換え問題4セットで、1題目の答えが2題目の問題文、2題目の答えが1題目の問題文という構成になっている。
裏表紙には「これだけ!書きかえ公式」とあり、「10日間スピード仕上げ」というコピーも付いているが、1日10題くらいなら無理なく出来る作りになっている。
# by roudai | 2011-06-07 00:00 | 英語 | Comments(0)

【速報】臨時休館自粛のお知らせ

昨冬に続いて、夏も落ちてしまいました。

入試と違って補欠合格がないのが辛いです。この歳で一年棒に振るのは痛すぎます。

直近で申し込めるのは10/23のサンクリ53ですが、前回で客層、雰囲気も分かったので参加するかは微妙です。冬コミの申し込みが最後になるかもしれません。

安田記念でGⅠが一段落したので、徐々に溜めていた分をリリースしていきます。もうしばらくお待ち下さい。
# by roudai | 2011-06-05 00:00 | おしらせ | Comments(2)

収蔵品番号286 土屋の[古文]ハイグレード編

収蔵品番号286 土屋の[古文]ハイグレード編_d0133636_5451076.jpg
【タイトル】土屋の[古文]ハイグレード編
【著者】土屋博映
【肩書】代々木ゼミナール講師
【出版社】大和書房
【サイズ】B6
【ページ数】233頁
【目次】
三浦なにがし(徒然草)
オウ、ゴッド!(枕草子)
俊恵ちゃん(無名抄)
母は強し!(大鏡)
男と女(和泉式部日記)
泣き親子(更級日記)
暗い女(紫式部日記)
【初版発行年月日】1989年6月1日
【収蔵品発行年月日】1989年6月1日 第1刷発行
【収蔵品定価】980円(本体951円)
【入手困難度】★★★☆☆
【学力貢献度】★★★☆☆
【ヤフオク相場】1000円~
【鑑定額】1000円
【代替参考書】吉川栄治「古文全天候バイブル」(中道館)
【コメント】
受験生の時に買って、何度も挫折してきたハイグレード編をようやく読了した。ナンセンス編が9編を219頁(@24.3)、ユーモア編が10編を219頁(@21.9)なのに対して、ハイグレード編はわずか7編を233頁(@33.2)かけて解説していることからも(しかも脱線は前2作より遥かに少ない)、いかにハイグレード編の密度が高いか分かる。
ハイグレード編ですら今から20年以上前の本なので、冒頭の
ハイグレード編のトップを飾るのは、あの有名な三浦なにがしじゃなくって、『徒然草』から「三浦なにがし」をとりあげました。
というギャグも、「あの有名な三浦なにがし」が誰を指すのか(勿論キングカズではない・笑)分からないご時世になってしまっている。
最初の「悲田院の堯蓮上人は」は頻出出典で楽勝楽勝、と思って読み終え、続く「御前にて人々とも」も何度読んだ事やら、とルンルンで読み進めて「これのどこがハイグレード?」と思いつつ次の「無名抄」に取りかかった途端、一天俄にかき曇り目は文字を追っていても内容が全く頭に入らない<古文不適応症候群>がぶり返してしまう。しかし、それも土屋師の「前」後策(「善後策」の誤植ではない)による立体古文の手にかかるとスカッと晴れ渡り「なるほど古文とはこう読むものか」と感心させられる。
ところが、次の和泉式部日記では「和歌8連荘」に簡単にKOされ、再度自分の古文読解能力の無さを思い知らされる。
とにかく単語・常識・文法・敬語といった基本レベルは全て分かっている前提でプラスαとして構成や構文を活用していかに立体的に読解していくかのノウハウを開陳した本なので、生半可な覚悟で取りかかったら館長同様「無名抄」で討ち死にすること請け合い。
最近あまり真面目に現役の古文の参考書を見ていないが、元々「難関向け」と言われる本が少ないし、解説量でこの本に並ぶものも思い浮かばないので、まだかろうじて流通している(「宇宙語」の流通はだいぶ危ないらしい)吉川師の「全天候バイブル」を挙げておく。吉川師も現在滋賀大副学長まで出世されたのでそろそろ忌まわしい過去を抹殺しにかかるかもしれないので要注意だ(笑)。
# by roudai | 2011-05-31 00:00 | 国語 | Comments(0)