浪人大学付属参考書博物館

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昔の大学受験参考書を展示する私設博物館です。
更新履歴
2018/10/31
第6回おもしろ同人誌バザールに参加しますにコメントを追加しました。

2018/6/12
収蔵品番号667
のフェア情報を更新しました。

2018/1/31
収蔵品番号234
の復刊情報を追記しました。

2017/12/04
収蔵品番号063
の復刊情報を追記しました。

2017/08/22
収蔵品番号561
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2017/08/19
収蔵品番号416
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2017/05/03
春のイベントのお知らせに進捗状況を追加しました。

2017/04/08
春のイベントのお知らせに通販状況を追加しました。

2017/04/01
春のイベントのお知らせに当日の注意事項を追加しました。

2017/1/29
収蔵品番号222
のレビューを追加しました。

2016/9/24
収蔵品番号420
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2016/8/13
収蔵品番号467
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2016/7/23
収蔵品番号200
の復刊情報とレビューを追記しました。

2016/06/12
発行書籍番号006
の紹介記事を追記しました。

2016/03/23
収蔵品番号353
の代替参考書を変更しました。

2016/03/20
収蔵品番号470
収蔵品番号463
収蔵品番号456
収蔵品番号449
収蔵品番号414
収蔵品番号407
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2016/02/29
収蔵品番号505
収蔵品番号502
収蔵品番号460
収蔵品番号454
収蔵品番号410
収蔵品番号409
収蔵品番号405
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2016/02/14
収蔵品番号477
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2015/09/07
夏コミ新刊の通販を開始しました。旧刊も在庫ありです。

2015/08/29
収蔵品番号392
の復刊情報を追加しました。

2015/08/10
収蔵品番号452
収蔵品番号451
収蔵品番号450
収蔵品番号448
収蔵品番号447
収蔵品番号446
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2015/08/01
発行書籍番号010
発行書籍番号008
発行書籍番号007
の改訂版情報を追記しました。

2015/06/01
収蔵品番号486
収蔵品番号487
収蔵品番号488
収蔵品番号489
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2015/05/10
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2015/05/05
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収蔵品番号474
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2014/11/30
収蔵品番号394
収蔵品番号399
収蔵品番号400
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2014/10/14
収蔵品番号398
収蔵品番号397
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2014/8/26
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2014/6/7
収蔵品番号376
収蔵品番号150
収蔵品番号103
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2014/4/29
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2014/04/19
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2014/03/30
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2014/3/25
収蔵品番号433
収蔵品番号432
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2014/02/26
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収蔵品番号698 ルールとパターンの英文解釈

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初版
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オンデマンド版
【タイトル】ルールとパターンの英文解釈
【著者】伊藤和夫
【肩書】旺文社「大学受験ラジオ講座」講師・駿台予備校講師
【出版社】旺文社
【サイズ】A5
【ページ数】352頁+別冊40頁(初版)/392頁(オンデマンド版)
【目次】
はしがき
"ルール"の一覧表
"パターン"の一覧表
講座≪1≫~≪40≫

別冊
●問題文≪1≫~≪40≫
●英語ミニミニ事典
●索引
【初版発行年月日】1994年3月28日(初版)
【収蔵品発行年月日】1994年3月28日 初版発行/2004年6月30日 発行
【収蔵品定価】1600円(本体1553円)/本体2500円+税
【入手困難度】★★★★☆/★★★☆☆
【学力貢献度】★★☆☆☆
【ヤフオク相場】5000円~(初版・完品)/2000円~(オンデマンド版)
【鑑定額】2500円(初版・完品)/1500円(オンデマンド版)
【代替参考書】伊藤和夫「[新版] ルールとパターンの英文解釈」(研究社)
【コメント】
毎年クリスマス恒例、「今年せどり屋が最も悲鳴を上げた復刊」は、直前に有力候補が飛び込んできたものの大方の予想通り伊藤和夫師の「ルールとパターンの英文解釈」を取り上げる。

伊藤師がこの「伊藤の英文解釈」で旺文社ラジオ講座にデビューしたのが1985年4月5日。
当時のラ講講師陣は
共通一次英文読解 前北大教授 中田靖泰
共通一次英作・文法 神戸大教授 吉田一彦
英文解釈 早大教授 三浦修
英作文 千葉商大教授 猪狩博
英作文 関東学院大教授 御園和夫
英語総合 東京理大教授 須々木斐子
英単語 旺文社編集顧問 J.B.ハリス
と建前上は大学教授が中心(猪狩師は代ゼミ、御園師は英進予備校)だったが、そこに「ラ講講師」の肩書で旺文社と縁の薄い在野のbig nameが殴り込んできたのは当時としては驚きだったろう(他教科のラ講講師は土師師と武石師だけ)。館長はもう少し後の世代なので、ベテランの伊藤師はラ講でも古参だとばかり思い込んでいた。

ラジオ講座テキスト1985年4月号よりデビュー時の伊藤師の言葉
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の最後、「実証したいと思います」という言い方からもこの「ルールとパターン」というアイディアを試すためにラ講に出講したように見えるし、その成果の一部が後の「ビジュアル英文解釈」(1987/12/10)となったのであろう。
当時のラジオ講座テキストと突き合わせると内容は放送そのままの順番であり、ラ講の1コマが30分であることを考えると、後に刊行された同名の
伊藤和夫「伊藤のルールとパターンの英文解釈」(旺文社)
C60×20本 30,900円
は本書に収録された全40講分の放送(1985/4~1986/1)をそのまま市販したものだと分かる(ということは本書があれば馬鹿高いオークション価格でテーブ教材を買う必要は無い)。

本放送から9年後、ラ講末期の刊行のために本書はあまり日の目を見ることなく絶版になったようだ。その後、旺文社の関連会社㈱デジタルパブリッシングサービスから2004年にオンデマンド版として一時復刊した。
「復刊」にもかかわらず「1QQ4」で取り上げたようにオンデマンド版の表紙に微細な違いがある。オークションの出品を確認する際には以下の点に気をつけて欲しい。
初版では左上の伊藤師の肩書が「旺文社『大学受験ラジオ講座』講師」となっているが、オンデマンド版では空白になっている(但し中表紙はそのまま)。あと、青の色味がやや濃い。
また、初版では別冊になっていた文例集と英語ミニミニ事典と索引がオンデマンド版では全て巻末にまとめられている。伊藤師の意図は、別冊で原文を見ながら解説を読ませたいということなので、散逸することは無くなるが不便だ。
オンデマンド版は「山貞」の復刻と異なり、一から版下を作り直しているわけではなく、原本のコピーによる版下を使用しているようで、例文の背景に使われているトーンの粒子が下のように荒れており、文字もやや濃くなっていて読みづらい。
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ラ講時代から伊藤和夫を苦手にしてきたので今回初めてまともに読んだのだが、「ケース・スタディ英文解釈」→「ルールとパターンの英文解釈」という立ち位置から旧「英文解釈教室」(1977/2/5)レベルと思い込んでいたのだが、いざ読んでみると平易な語彙が多く楽に読める。ラ講の録音から起こしているので解説も他の伊藤本に比べてとっつきやすい。表紙のレベル表示が易から難まで幅広いのは「看板に偽りなし」だ。「ビジュアル英文解釈」はクセのある紙面と併せて好き嫌いが分かれる(私は嫌い)が、伊藤流の英文解釈の入門書としては人を選ばない好著だと思う。敢えて苦言を呈すれば、1つの講義で何を目的としているのかが分かりづらく、自分の不得意箇所だけを読むといった使い方が出来ない点が挙げられる。あくまで1、2ヶ月集中して1冊丸ごと取り組む時間と気力があっての好著である。

ついでに、復刊した新版との違いにも触れておく。

本書の刊行タイミングはラジオ講座からJランドに切り替わる旺文社迷走期初期で、それ以前の旺文社の参考書と比べると明らかに編集がヘボい。本書で言えば、
①余白が極端に狭い
②中表紙に目次が埋め込まれている
③本文が最終頁まで書かれている
の3点が即座に挙げられる。

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上に挙げた①と②については全て新版において改善されている。初版ではギリギリまで余白を詰めているのを普通の組版にしたことで本誌が352頁から384頁に膨れあがっている。③については頁数の都合で同様だが、初版の「終わりに」が頁数の都合で途中から始まっているのに対して、新版は改頁して始めた結果最終頁にも文章がある、という点で見た目は一緒でも内情は異なる。

初版と新版の内容における差異は
①課題文の1文毎に番号が振られていて、説明箇所の英文の頭に対応する番号が振られて参照性が向上している(但し本文は丸付き番号で説明箇所は反転丸付き番号)
②初版の別冊は文例集だが、新版の別冊は全文訳である。初版は全文訳が各章の最後に載っていたのだが新版は別冊に移動している。

①に関して気持ちはわかるが、なぜ目立つ反転丸付き番号にしたのか理解に苦しむ。
ただでさえルールを説明するための例文の頭にカッコ付きの数字があり、数字の重複による無用の混乱を避けるために伊藤師は敢えて番号を振らなかったのだろう。そして、なぜ1文全てではなく、文頭の一部分だけを引用しているのかを研究社の編集者が理解していないから②のような蛇足を行ったのだ。

番号を振る理由は、原文と解説箇所が離れているために確認しやすくした(新版は初版よりも行数が減ったために原文と解説箇所との距離が離れている)からだが、別冊の文例集があれば解説箇所がどれだけ後にあろうが頁をめくらずに参照できる。これは私の妄想ではなく、文例集の表紙にキチンと書かれている。
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また文例集は本文の原文より行間を取って作られているからこれだけコピーして白文として演習用にも使用できる。全文訳を別冊にする理由は何があるのだろうか?せめて、文例集をそのままに全文訳と併せて別冊化していればよかったのだが。

研究社のケツの穴の小さな所は「はしがき」の伊藤師による謝辞を改竄した点で、自分たちがロクな仕事をしていないから他所の編集者が褒められるのが気にくわなかったのだろう。「最後に」から「同様です」を丸々カットした研究社の所業は伊藤師の仕事に対する冒涜である。
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by roudai | 2018-12-25 00:00 | 英語 | Comments(4)

収蔵品番号632 日本史標準問題精講

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初版
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改訂版
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3訂版(初版)
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3訂版(重版)
【タイトル】日本史標準問題精講 初版/改訂版/3訂版(初版)/3訂版(重版)
【著者】毛利和夫
【肩書】前東京都立西高等学校教諭
【出版社】旺文社
【サイズ】B5
【ページ数】(初版)336頁/(改訂版)320頁/(3訂版)295頁+別冊解答31頁
【目次】
(初版)
第1編 時代別による問題
 第1章 原始・古代
 第2章 中世
 第3章 近世
 第4章 近・現代
第2編 部門別による問題
 第1章 政治史
 第2章 外交史
 第3章 社会・経済史
 第4章 文化史
第3編 総合問題と特殊問題
 第1章 総合問題
 第2章 史料問題
 第3章 図表・歴史地理問題
 第4章 論述・記述問題
(改訂版)
第1編 時代別による問題
 Ⅰ.原始・古代
 Ⅱ.中世
 Ⅲ.近世
 Ⅳ.近・現代
第2編 部門別による問題
 アジア諸国との外交
 欧米諸国との外交
 土地制度と農業の歴史
 金融・都市・交通の発達
 社会と女性史
 文化の展開と教育
 宗教の展開
 資料・遺跡・地名に関する問題
(3訂版)
第1編 時代別による問題
 Ⅰ.原始・古代
 Ⅱ.中世
 Ⅲ.近世
 Ⅳ.近・現代
第2編 部門別による問題
 アジア諸国との外交
 欧米諸国との外交
 土地制度と農業の歴史
 金融・都市・交通の発達
 女性史
 文化の展開と教育
 宗教の展開
 資料・遺跡・地名に関する問題
 北海道と沖縄(蝦夷地と琉球)
【初版発行年月日】1984年2月20日
【収蔵品発行年月日】1987年 重版発行/1991年3月1日 改訂版発行/1996年2月1日 三訂版発行/1999年 重版発行
【収蔵品定価】750円/820円(本体796円)/950円(本体922円)/本体950円
【入手困難度】(初版)★★★☆☆/(改訂版)★★☆☆☆/(3訂版)★★☆☆☆
【学力貢献度】(初版)★★☆☆☆/(改訂版)☆☆☆☆☆/(3訂版)★☆☆☆☆
【ヤフオク相場】800円~(初版)/500円~(改訂版)/250円(3訂版)
【鑑定額】1000円/750円/500円
【代替参考書】石川晶康「日本史B標準問題精講4訂版」(旺文社)
【コメント】
2017年10月1日で当博物館は開館10周年を迎えた。

開館時にはまさか10年も続くとは思いもしなかったが、何よりexciteブログというシステムが10年以上無料サービスを継続してくれたことが一番大きい。色々問題もあったが心から感謝したい。

10周年へ向けて思いを新たにするため、この1ヶ月は(同人誌の原稿を放って)週一更新を続けてきた。三〇代には出来ても四〇代にはかなりしんどい作業だった。途中にだいぶ抜けがあるが、ネット上には1年も書き続けられずに頓挫したサイトを散見するため、10年間書き続けて来たことは誇って良いだろう。

10年前と比べて世界の景色は一変している。代ゼミは大幅縮小し、ブックオフは日本中の古書店を潰した末に自らも没落の一途を辿っている。大学受験参考書の再版なんて夢にも思わないことが起こり、かつては二束三文だった昭和40年以前のハードカバーに信じられない高値が付いている。自分のトランクルームも2部屋だったのが3部屋になり、高校時代は夢のまた夢だった表紙フルカラーの同人誌を刊行している上に通販までしている。
次の10年でまた世界は一変するだろう。その時まで続いているかどうか、それは神のみぞ知ることだ。

10周年ということで自分の参考書コレクションの原点となる参考書を取り上げてみる。

本書と菅野師の「シグマ集中ゼミ 日本史必出史料」(文英堂)を高3の11月に買って読み始めたのが館長の受験勉強の始まりである。ン万冊の蔵書の中で間違いなく一番やり込んだ問題集と言える。和田秀樹氏の「受験は要領」の影響からかこの2冊の出来ない問題に印を付けてひたすら問題文を読み込んでいたら、アッという間に模試の偏差値(日本史限定)が60を突破した。今、読み返しても「標準問題」の名に恥じない選題だと思う。

初版は「英文法標準問題精講」以来の伝統通り、標準問題→精講→解答の順で書かれている(各編最後の実戦演習の解答のみが巻末にまとめられている)が、改訂版からは普通の問題集のように問題の解答が全て巻末にまとめられて、3訂版からは別冊解答になっている。

普段は解答が別冊になっていることを手放しで評価しているが、ことこの問題集に関しては「読む問題集」としての評価をしているので初版の体裁を最高評価とし、いちいち巻末に戻らなければならない改訂版を最低とする。内容的にも第3編で様々な問題形式に取り組める初版の熱意に対して、改訂版以降は普通の問題集になってしまったのは残念。

現在入手できる4訂版は河合塾の石川師によるもので完全に別物なのだが一応後継ということで。
by roudai | 2017-10-03 00:00 | 社会 | Comments(4)

収蔵品番号505 入試に出る国文学史505

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【タイトル】入試に出る国文学史505
【著者】日笠祐二
【肩書】学習院高等科教諭
【出版社】旺文社
【サイズ】新書
【ページ数】207頁
【目次】
はしがき
第一章 上代編
第二章 中古編
第三章 中世編
第四章 近代・現代編
付録
【初版発行年月日】1984年3月20日
【収蔵品発行年月日】1984年3月20日 初版発行
【収蔵品定価】620円
【入手困難度】★★★★★
【学力貢献度】☆☆☆☆☆
【ヤフオク相場】1000円~
【鑑定額】1000円
【代替参考書】出口汪「早わかり文学史」(語学春秋社)
【コメント】
古書の世界には効き目という言葉があり、シリーズをコンプリートする上での難所のことを言う。
「英単語ターゲット1900」が未だに出続けている旺文社の「大学JUKEN新書」シリーズだが、コンプリートするにはいくつかの難所がある。まず菅野師の「総チェックPART1 この地この年この事件日本史」と「総チェックPART2 この人この著この思想日本史」に苦労する。続いて「入試に出た!日本史99」と「入試に出た!世界史99」が見つからない。実は世界史がまだなので館長もコンプリートは出来ていないのだが、この先にも英語で「英語新傾向ターゲット7」という超難所があり、現役の受験生の頃から気になっていた。
しかし、こういった目につく稀覯本の陰にひっそりと本書が存在しており、入手するまでその存在に全く気付いていなかった。ちなみに初期の赤JUKEN新書にのみ振られているナンバーは⑤と最初期のものである。

内容はナンバー③である「古文解法ルール200」同様、五七調の一文で著者や著作の関連情報をまとめているのだが、新書判1冊の分量にするために内容がもの凄いことになっており、早慶上智の日本史の文化史問題でも出てこないような重箱の隅が満載である。その割になぜか「歌物語の代表作は伊勢・大和」(ヘイチュー!はいずこ?)だったりもするのだが。

国語で出題されるレベルは遥かに凌駕しているし、日本史でもここまで聞かれることはまずない。ただ、赤JUKEN新書のコンプリートには避けて通れない本なのでその分の価値も上乗せして評価した。
by roudai | 2015-06-02 00:00 | 国語 | Comments(0)

収蔵品番号448 数学Ⅰ・A解法攻略講座

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【タイトル】小林隆章の数学Ⅰ・A解法攻略講座
【著者】小林隆章
【肩書】駿台予備学校数学科講師
【出版社】旺文社
【サイズ】A5
【ページ数】240頁
【目次】
<数と式>数学A
<2次関数>数学Ⅰ
<個数の処理と確率>数学Ⅰ
<数列>数学A
<三角比>数学Ⅰ
【初版発行年月日】2001年9月20日
【収蔵品発行年月日】2004年 重版
【収蔵品定価】1100円+税
【入手困難度】★★☆☆☆
【学力貢献度】★★☆☆☆
【ヤフオク相場】500円~
【鑑定額】500円
【代替参考書】麻生雅久「数学I・A 標準問題精講 改訂版」(旺文社)
【コメント】
駿台で人気の小林隆師だが意外にも単著はこれ1冊だけで、昨今の予備校界では数少ない秘密のヴェールに包まれた人気講師である。テキストがオークションに挙がると結構な高値になるにもかかわらず本書はあまり人気がない。雲師の数学Ⅱ・Bも唯一の単著だがこちらは結構な値段なのと対照的だ。

頻出問題を1題あたり見開き2~3頁と丁寧に解説しており、出題校を見ると結構難関校が揃っているのだが解説を読むとサラリとしていて難問に思わせないのが一流講師の腕だろうか。
このDoシリーズは旺文社迷走期に出た本ということもあって、本文の最終頁まで問題解説が入った下手な編集だが、それだけ小林師の熱意は伝わってくる。
by roudai | 2014-05-20 00:00 | 数学 | Comments(0)

収蔵品番号431 センター試験の数学が3日でわかる本

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初版
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第3刷
【タイトル】細野真宏のセンター試験の数学が3日でわかる本 PART-1
【著者】細野真宏
【肩書】
【出版社】旺文社
【サイズ】A5
【ページ数】115頁+別冊51頁
【目次】
問題一覧表
Chapter 1.場合分けが必要な最大・最小問題(数Ⅰ)
Chapter 2.指数・対数関数Ⅰ(数Ⅱ)
Chapter 3.指数・対数関数Ⅱ(数Ⅱ)
One Point Lesson
    組立除法と因数分解について
    +
    指数の基本的な公式について
Point一覧表~索引にかえて~
【初版発行年月日】1996年10月30日
【収蔵品発行年月日】1996年10月30日 初版発行/1997年7月10日 第3刷発行
【収蔵品定価】1000円(本体976円)
【入手困難度】★★★★★
【学力貢献度】★★☆☆☆
【ヤフオク相場】1500円~
【鑑定額】500円
【代替参考書】細野真宏「細野真宏の数学が本当によくわかる本 2次関数と指数・対数関数が本当によくわかる本」(小学館)
【コメント】
「1QQ4」で取り上げたように、同一内容ながら背表紙(青→緑)や「PART-1」の表記などが異なる。
表題こそ「センター試験数学」だが、扱う範囲は最大・最小問題と指数・対数関数。しかも、最大・最小はわずか24頁しかなく大半が指数・対数関数という非常にニッチな内容。この時点で既に「面白いほどわかる本」シリーズのVersion1.0は全て刊行されており、内容の重複を避けようとしてこうなったと思われる。
確かに指数・対数関数を苦手とする生徒は多いのだが、他の細野本と比較して内容的に平凡で、これをもって「センター対策」と銘打つのはどうかと思う。
現在では同じ範囲をカバーする代替参考書が出ており、こちらの方が頁数が多い(問題数も多い)こともあり、敢えてこの本をプレミア付きで買う必要は無いだろう。
by roudai | 2014-01-21 00:00 | 数学 | Comments(0)

収蔵品番号427 聞楽に源氏物語

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【タイトル】馳浩の聞楽(きらく)に源氏物語
【著者】馳浩(朗読/佐々木亜希子)
【肩書】参議院議員・プロレスラー
【出版社】旺文社
【サイズ】変形A6
【ページ数】63頁+CD2枚組
【目次】
はじめに
源氏の愛した女性たち~DISC①
雨夜の品定め
朧月夜
夕顔
葵の上と六条の御息所

源氏をめぐる愛の三角関係~DISC②
藤壺・桐壺帝・源氏
女三の宮・源氏・柏木
「源氏物語」五十四帖の年立
【初版発行年月日】1999年9月20日
【収蔵品発行年月日】1999年9月20日 初版発行
【収蔵品定価】本体価格952円(消費税別)
【入手困難度】★★☆☆☆
【学力貢献度】☆☆☆☆☆
【ヤフオク相場】300円~
【鑑定額】105円
【代替参考書】板野博行「源氏物語を3日で極める」(スタディカンパニー)
【コメント】
3が日特集第2弾は参議院議員(現・衆議院議員)にしてプロレスラーの馳浩。自称「闘う愛の伝導師」が世紀末の迷走期であった旺文社からこんな謎のCDをリリースしていた。こちらは公式HPに8冊目の著書として載っている。
「源氏物語」好きを自称する(別の著書では「枕草子」フリークを自称する軽薄ぶり・笑)馳が自分のお気に入りの場面をピックアップして解説するという内容で、前半は光源氏と関係を持った女性たち、後半は光源氏を中心とする三角関係について語っている。時系列がメチャクチャなので下手に「源氏」を知っていると逆に混乱する。
文法や単語の話は一切無く、「気合」で古文を読む、いかにも元・高校教師らしい工夫のない内容。男子校に1人はいるエロ噺が売りの人気教師の雑談集といった感じである。同じ文法や単語を気にせず源氏物語を知りたいのなら大和和紀「あさきゆめみし」(講談社)を通読する方がよっぽどタメになる。
「愛の伝導師」を自称する割に変な所で教師的なモラルを持ち出し、正妻を大事に(馳自身はバツイチ)、不倫はイケマセン、三角関係はイケマセン、女三の宮を柏木に寝取られたのは自分の過去の報い、と現代感覚で一方的に光源氏を断罪するという、どこが「『源氏』好き」なの?という態度で臨んでいる。平安の「大恋愛小説」を単なる「男女関係の悪い事例集」に貶めているだけでこれを聴いて「源氏」を好きになれるとは到底思えない。
by roudai | 2014-01-02 00:00 | 国語 | Comments(0)

収蔵品番号405 日本史漢字書取り15日

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【タイトル】短期完成社会スピード学習3 日本史漢字書取り15日
【著者】水口敏之
【肩書】
【出版社】旺文社
【サイズ】A5
【ページ数】63頁+別冊解答16頁
【目次】
一 原始の社会と文化
二 古代初期の政治と文化
三 古代前期の政治と文化
四 古代中期の政治と文化
五 古代後期の政治と文化
六 中世前期の政治と文化
七 中世後期の政治と文化
八 近世前期の政治と文化
九 近世後期の政治と文化
一〇 近代前期の政治と社会
一一 近代後期の政治と社会
一二 現代の政治と社会
一三 人名に関する問題
一四 地名に関する問題
一五 史料に関する問題
一六 文化に関する問題
【初版発行年月日】1986年2月1日
【収蔵品発行年月日】1990年 重版発行
【収蔵品定価】450円(本体437円)
【入手困難度】★★★☆☆
【学力貢献度】★★☆☆☆
【ヤフオク相場】500円~
【鑑定額】500円
【代替参考書】石川晶康「誤字で泣かない日本史―日本史漢字練習帳」(河合出版)
【コメント】
石川師による代替参考書の旧版が出る15年も前に存在した日本史漢字専門の問題集。
各章が「書取り」「読み方」「誤字・正誤訂正」の3パターンで構成されるというススんだ作りになっている。別冊解答の「研究」も30年近く前ということを考えてもだいぶ深いところまで突っ込まれていて相当コストパフォーマンスの良い問題集だが、惜しくも「短期完成スピード学習」シリーズが「うすもん」シリーズに改編された時に消えてしまった。
by roudai | 2013-08-13 00:00 | 社会 | Comments(0)

収蔵品番号384 基礎・基礎解析問題精講

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【タイトル】基礎・基礎解析問題精講
【著者】土師政雄・木村光一
【肩書】駿台予備校講師・駿台予備校講師
【出版社】旺文社
【サイズ】B6
【ページ数】208頁
【目次】
第1章 数列と漸化式
 Ⅰ.等差数列と等比数列
 Ⅱ.階差数列といろいろな数列の和
 Ⅲ.数学的帰納法
 Ⅳ.漸化式
 Ⅴ.数列の応用
第2章 微分とその応用
 Ⅰ.微分の基礎
 Ⅱ.微分の応用
第3章 積分とその応用
 Ⅰ.積分の基礎
 Ⅱ.面積
 Ⅲ.体積
 Ⅳ.積分のいろいろな問題
第4章 指数・対数・三角関数
 Ⅰ.指数・対数関数
 Ⅱ.三角関数
演習の解答
【初版発行年月日】1988年3月15日
【収蔵品発行年月日】1994年 重版発行
【収蔵品定価】750円(本体728円)
【入手困難度】★★★★☆
【学力貢献度】★★☆☆☆
【ヤフオク相場】1500円~
【鑑定額】1000円
【代替参考書】小島敏久「小島の難関大突破新数学II・Bハイレベル演習」(栄光)
【コメント】
「標準問題精講」シリーズのサブセットとして出された「基礎問題精講」シリーズだが、当初は先行する英語に倣って「基礎○○問題精講」という名称だったため、本書は「基礎・基礎解析」と「基礎」が連続する世にも珍妙なタイトルとなっている(現在は英語以外「○○基礎問題精講」で統一)。
土師師の単著である「標準問題精講」シリーズ(確統は初版から共著)は相変わらずの人気だが、この「基礎問題精講」シリーズはタイトルで嫌われたのか全て共著だからか意外に高騰しない。
見た目と異なり内容は結構ハードで、更新が遅れていたのもこの本を読み切るのに四苦八苦していたから。タイトルに釣られて出来ない生徒が読んだら式変形のかっ飛び具合に目を白黒させるだろう。
途中で気がついたが、世間一般の「基礎解析」の本と異なり数列→微分→積分→三角・指数関数という順になっており、数列の和と積分の関係などを意識させる作りになっている。土師師の好みなのかと思って「基礎解析のトレーニング」(増進会出版)を見たが、こちらは教科書通りの並びで、どういった心境の変化だろうか。三角関数の公式オンパレードを最初にやられると心が折れるので(数列のシグマ計算も嫌いだが・笑)、この順は歓迎したい。
by roudai | 2013-03-19 00:00 | 数学 | Comments(0)

収蔵品番号369 セットで覚える世界史

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【タイトル】暗記パーフェクト宣言!!セットで覚える世界史
【著者】加藤正春
【肩書】日体荏原高校校長
【出版社】旺文社
【サイズ】新書
【ページ数】208頁
【初版発行年月日】1986年3月20日
【収蔵品発行年月日】1992年 重版発行
【収蔵品定価】720円(本体699円)
【入手困難度】★★☆☆☆
【学力貢献度】★☆☆☆☆
【ヤフオク相場】200円~
【鑑定額】105円
【代替参考書】上住友起「世界史要点 図解整理 ハンドブック」(旺文社)
【コメント】
日本史の参考書として当時屈指の完成度を誇った菅野師の「セットで覚える日本史」の名前だけ拝借してその神髄を全く理解していない高校教師によって作られた駄本。
セットと言いながら内容は同時代の関連項目を全て挙げているだけで、何が入試で聞かれるかどこが間違いやすいかという視点は全く欠如しているし、7つも8つもまとめてセットと言われても覚えられるわけがない。
結局、新書版1冊に世界史の教科書レベルを小さな字で一律に詰め込んだという労多くして益少ない不毛な内容。確かに世界史という広大無辺な内容を200頁強に詰め込んだダイジェスト本というのは意外と無いのだが「看板に偽りあり」と言われても仕方ない。表題が別なものであればもう少し評価のしようもあったのだが。
by roudai | 2012-12-18 00:00 | 社会 | Comments(0)

収蔵品番号352 現代文の攻略法

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【タイトル】霜栄の現代文の攻略法
【著者】霜栄
【肩書】駿台予備学校講師
【出版社】旺文社
【サイズ】変形A5
【ページ数】239頁
【目次】
はじめに
ポイント一覧
本書の利用法
空欄補充の問題を攻略する…………………………1日目
 問題[一]加藤周一「近代日本の文明史的位置」…東洋大学
 ステップ1 接続語を入れる
 ステップ2 抽象語を入れる
 まとめのページ
 Q&A「なぜ点数が上下するのですか?」
抜き出し・脱文挿入を攻略する………………………2日目
 問題[二]加藤周一「狂気の中の正気」…神戸大学
 ステップ1 部分を抜き出す
 ステップ2 脱文を挿入する
 まとめのページ
 Q&A「どうすれば文章を速く読めますか?」
指示語・傍線説明を攻略する…………………………3日目
 問題[三]平川祐弘「和魂洋才の系譜」…九州大学
 ステップ1 指示語の内容を答える
 ステップ2 傍線内容を説明する
 まとめのページ
 Q&A「どうすれば難しい評論が読めますか?」
比喩・内容一致問題を攻略する………………………4日目
 問題[四]真木悠介「交響するコミューン」…成城大学
 ステップ1 比喩の意味を見抜く
 ステップ2 選択肢の意味を見抜く
 まとめのページ
 Q&A「どうすれば選択肢に強くなれますか?」
段落・主旨判定を攻略する……………………………5日目
 問題[五]林 達夫「思想の運命」…立命館大学
 ステップ1 意味段落に分ける
 ステップ2 主旨を判定する
 まとめのページ
 Q&A「どうすれば成績が上がるのですか?」
表題・正誤判別問題を攻略する………………………6日目
 問題[六]佐々木邦「人生エンマ帳」…成蹊大字
 ステップ1 全体にタイトルをつける
 ステップ2 全体から正誤を判断する
 まとめのページ
 Q&A「どうすれば難しい設問が解けるのですか?」
センター試験〈評論〉を攻略する………………………7日目
 問題[七]中村雄二郎「哲学の現在」…共通一次
 ステップ1 部分を正しく解釈する
 ステップ2 全体を正しく把握する
 まとめのページ
 Q&A「センター国語で高得点を取るためには?」
センター試験〈小説〉を攻略する………………………8日目
 問題[八]岡本かの子「鮨」…センター試行
 ステップ1 語句の解釈を行う
 ステップ2 心情の把握を行う
 まとめのページ
 Q&A「小説の問題に強くなるためには?」
記述・要約〈評論〉を攻略する…………………………9日目
 問題[九]堀田善衛「美しきもの見し人は」…東京大学
 ステップ1 傍線の内容を記述する
 ステップ2 本文の要旨をまとめる
 まとめのページ
 Q&A「記述に強くなるためには?」
記述「作文〈随筆〉を攻略する………………………10日目
 問題[十]柳田国男「妖怪学談義」…字都営大学
 ステップ1 傍線の内容を記述する
 ステップ2 自分の意見を述べる
 まとめのページ
 Q&A「作文・小論文に強くなるためには?」
【初版発行年月日】2000年9月30日
【収蔵品発行年月日】2003年 重版発行
【収蔵品定価】1100円
【入手困難度】★★☆☆☆
【学力貢献度】★☆☆☆☆
【ヤフオク相場】350円~
【鑑定額】105円
【代替参考書】霜栄「現代文読解力の開発講座」(駿台文庫)
【コメント】
旺文社のDoシリーズは、理科の参考書は全て改訂版が出ているが、その他の教科は皆この黄色い版だけで打ち止めになってしまっている。中でも本書は特殊なサイズなので雑誌のコーナーに紛れ込んでいることが多くあまり見かけない。

駿台の霜栄師といえば今や駿台国語科の大看板だが、以前「駿台式!本当の勉強力」を読んだ時からどうも言葉の端々がカンに触って内容がスンナリと腑に落ちない。だから、本書を読むとドッと疲れるし、所々トンチンカンな屁理屈を押しつけられるのにも辟易する。

たとえば、1日目のポイント1から問題の解き方にイチャモンを付けられる。
 先に設問を見るか、それともまず本文を読むか。
 そんなことで悩んだ人も多いだろう。
 ぼくの結論は必ず先に本文。いっけん逆のように思う人もいるだろうが、少なくとも現代文の場合、設問は後回し。
 先に設問を見てしまうと、どうしても先入観ができてしまって、本文の理解がそこなわれやすい。
特にまちがった内容の選択肢をしっかり読んでしまうのはアンビリーヴァボーな最悪の解き方。すごく損をしている。だからぼくは絶対にすすめない。(18頁・太字原文ママ)
続くポイント2でもこうこき下ろす。
 またきっと、こんな人もいるだろう。読みながら解くという中間派だ。傍線や空欄がでてきたら、そこで設問を解くというやり方。確かにちょっと、要領よさげだ。やさしい問題、つまり直前部や同じ段落の読解だけで解ける設問に対しては有効だろう。たが、入試問題のレヴェルが高いときには無理。配点が高くて差のつくような設問や難関大学の設問の多くは、たぶんうまく解けないだろう。
 本文を読んでいる途中で、ちらちら設問を気にしていると、結局本文の全体が把握できなくなってしまうからだ。こんなやり方を続けていると、いつまでたっても本文全体の読解から解く設問をクリアーできず、実力も点数もある一定以上は伸びてこない。(19頁・太字原文ママ)
こんな思い込みだけで根拠も示さず半笑いの断定口調で決めつけるのと堀木師の理屈とどちらが説得力があるだろうか(奇しくも両方旺文社から発行されているが)?

では、霜師の解き方がどうなのかと言えば、本文の解説を行わずにいきなり問題を解き始める。自分が読めているのだから、読者も当然読めているということなのだろうか?しかも
 それじゃあ設問の解法に行こう。あくまでも設問で問われるのは本文の読解。読めていないのに解けてしまうというような解法はない。
 だから選択肢を先に吟味してから本文を見る必要はないけど、選択肢にどんなものが並んでいるかはチェックしておこう。(19~20頁)
と舌の根も乾かぬウチから本文をさておいて選択肢をチェックするという。アタマ大丈夫かしらん?

問1が接続語を空欄A・F・Hに、問2が漢字2文字の熟語を空欄B・C・D・E・G・H・Iに入れるのだが(空欄は問題文の最初から順に並んでいる)、まず第1段落の空欄Aを埋めて、次は第2段落の空欄Fを埋めて、第3段落の空欄Hを埋めるという風に問1を全て解き終えてから、やおら第1段落途中の空欄Bに戻るという厳格な出題順に解こうとしている。赤本等の解答解説ならこの順しか無いだろうが、本番でこんな行ったり来たりの石頭な解き方をしていたら時間がいくらあっても足りないと思うがどうだろう?

あと少し気になったのは、句読点の位置を語るのに
 有名な例文では「刑事は血まみれになって逃げ出した賊を追いかけた。」(金田一春彦著『日本語』〈岩波書店〉)とか「キンタマケルナ」(作者不明)なんていうのがある。
 もちろん「刑事は、血まみれになって逃げ出した賊を追いかけた」と「刑事は血まみれになって、逃げ出した賊を追いかけた」では、たれが「血まみれ」なのかが変わってしまう。「キンタ、マケルナ」、「キンタマ、ケルナ」とでは少し(男の)痛みが違う。(32~3頁)
霜師は館長より年上のはずなので、つボイノリオの「金太の大冒険」は当然ご存じのはずだが、いくらこの曲の詞がラジオのリスナー投稿に基づくとは言え「作者不明」というのはつボイノリオに失礼ではないか。金田一春彦(岩波書店)は名前を挙げながらコミックソングの出典ならどうでも良いというのか(大体「金太負けるな」のどこが痛いのか・笑)。
もっとも権威付けで引用した「日本語」(岩波新書)を繙くとこの例文は、
国語学者永野賢氏のあげた例を借りると、
  渡辺刑事は血まみれになって逃げ出した賊を追いかけた
 これを一口にいうと渡辺刑事が血まみれになって迫いかけたのかともとれ、賊が血まみれになって逃げ出したのかともとれる。(同書197頁)
と金田一氏が孫引きしたものの上、固有名詞が抜け落ちてしまっている。

他にも色々引っかかる点はあるが、致命的な誤読をしているのは87年東大文理共通1番の漢字を省いて後ろに要約を付け加えた問題[九]だ。
次の文章は、ある本の「序」である。これを読んで、後の設問に答えよ。

 ヨーロッパの美に近づいて行くについて、私は、自分で考えてみて、ヨーロッパの正統とされるものに比べてはいかにも異端的な道をたどったものだと思う。元来、ヴァレリイの言うヨーロッパ、それを構成する三つの主柱、すなわち、ギリシャ、キリスト教、科学精神といったものの、このどれ一つをとってみても、なみの日本人としての生活感情を生まなままで、それをもったままで近づいて行って、ごく自然にこの三つのものの、どれ一つとして自然にわれわれのなかへ入って来てくれるというものではない、と思われるのである。ギリシャ、キリスト教、科学精神―これらのものに近づくについては、われわれとしては、われわれの内なる自然なもののうちの、何か一つを、またはいくつかのものを殺してかかるか、またはどこかへ押しこめたり目をつぶったりしてかからなければならぬ、と思う。
 正直に言って、誰しも何らかの無理をしなければならないのである。つまり、勉強、ということがどうしてもともなう。そうして、この無理と努力の報酬としての感動がある、というかたちになっていることが大部分の例であろうと思われる。もし仕合せにも、正統に、感動が先立ってくれたとしても、その後の始末には、どうしても勉強ということがともなわざるをえないであろう。精神のどの部分かをねじ曲げ、あるいはねじ曲げられることが感動である、といった例さえ稀ではない筈である。そのことをよいとかわるいとかと言っているのではない。非西欧地域の西欧観、あるいは近代化というものにともなう、それは避けて通ることの出未なかった道なのであった。

問一 「無理と努力の報酬としての感動がある、というかたちになっている」(傍線部ア)とあるが、なぜそうなるのか、わかりやすく説明せよ。(195頁)
霜師の解説はこうである。どこに見落としがあるか分かるだろうか?
 整理しておこう。
 ①傍線全体の論理を考える。
 ②傍線全体の話題をつかむ。
 ③「無理」と「努力」のそれぞれを具体化する。
 ④「感動」の対象を示して具体化する。
 ①と②が「必須」。これさえ満たそれば点数がある。
 逆に③や④だけ考えて記述しても点数にはならない。
 まず①は逆説。できれば「むしろ」「逆に」「かえって」などを使って採点者にわかっていることをアピールしたい。記述設問は、唯一の正解が定められているわけじゃない。採点官にすっごーくわかってると思われればオーケーだし、本当は論理や内容がわかってないと思われればO点だ。
 ②は意味段落全体から考える。「日本人が西欧の美に感動すること」についてだ。答案では、「われわれ」などの代名詞は使わないように。名詞で明確に記述しよう。記述はなるべく直接的に答えること。
 ③の「無理」は「日本人としての生活感情を抑圧すること」。「内なる自然」では具体性がない。記述の条件はなるべく具体的に答えること。
  「努力」は「正統」に近づこうとすることだから、具体的には日本人が持っていない「西欧の伝統を勉強すること」。
 ④の「感動」は傍線全体の話題。「日本人の西欧の美に対する感動」だ。
 問一の答えは「日本人が西欧の美に感動するには、むしろ日本人としての自然な生活感情を抑圧して西欧の伝統を勉強せねばならないから。」。

 自分の答案とこの正解答例とを比べるときに、使われている表現や語句ばかりにとらわれず、そこから見える論理や理解がどう違うかを検討しよう。
 採点者からすれば、どれだけ文中の言葉が使われているかが問題ではない。
 まして文中の言葉を上手につなぐテクニックなど、どこにも存在しない。
 要素ばかり考えて、傍線全体を見失わないように。
 記述設問の意図を並べてみよう。

 ①意味の通る日本語になっていること。
 ②傍線全体の論理を示していること。
 ③傍線全体の話題をふまえていること。
 ④傍線の語句が直接化・具体化されていること。

 この順序に従って、自分の答案を検討しよう。文中の言葉をつなぐことばかり考えていると、①の条件にも違反してしまう。記述設問で変な日本語の答案が点数をもらえることはありえない。つまりO点。(202~4頁)
種明かしをする前に念のため他の参考書の模範解答と比較してみよう。霜師の解答との違いが分かるだろうか?
[霜師]日本人が西欧の美に感動するには、むしろ日本人としての自然な生活感情を抑圧して西欧の伝統を勉強せねばならないから。(56字)

[例1]日本人の生活感情を犠牲にしなければヨーロッパの美を支えるギリシャ、キリスト教、科学精神を理解できないから。(53字・西田安実・桑原聡「東大の現代文23カ年」)

[例2]日本人の生活感情は西欧的なものとは異質であり、西欧的な美に感動するためには我々は自然な内面的感情を抑圧せねばならぬから。(60字・学燈社「全国大学国語入試問題詳解」)

[例3]日本人の生活感情は西欧の正統とは異質のものであり、西欧の異質の美に感動するためには、我々は自己内部の自然な感情を抑圧しなければならないから。(70字・明治書院「作者・作品別現代文問題総覧62~元年度大学入試問題」

[例4]異質なヨーロッパの美に近づいていこうとした場合、自分の内にある日本人としての自然な生活感情を、無理やり押し殺さねばならないから。(64字・旺文社「全国大学入試問題正解」)


違いがお分かりいただけただろうか?
by roudai | 2012-08-21 00:00 | 国語 | Comments(0)