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浪人大学付属参考書博物館

roudai.exblog.jp
昔の大学受験参考書を展示する私設博物館です。
更新履歴
2019/05/02
収蔵品番号424
のレビューを公開しました。

2019/05/01
収蔵品番号545
のレビューを公開しました。

2019/04/20
収蔵品番号702
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2018/10/31
第6回おもしろ同人誌バザールに参加しますにコメントを追加しました。

2018/6/12
収蔵品番号667
のフェア情報を更新しました。

2018/1/31
収蔵品番号234
の復刊情報を追記しました。

2017/12/04
収蔵品番号063
の復刊情報を追記しました。

2017/08/22
収蔵品番号561
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2017/08/19
収蔵品番号416
のレビューを公開しました。

2017/05/03
春のイベントのお知らせに進捗状況を追加しました。

2017/04/08
春のイベントのお知らせに通販状況を追加しました。

2017/04/01
春のイベントのお知らせに当日の注意事項を追加しました。

2017/1/29
収蔵品番号222
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2016/9/24
収蔵品番号420
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2016/8/13
収蔵品番号467
のレビューを公開しました。

2016/7/23
収蔵品番号200
の復刊情報とレビューを追記しました。

2016/06/12
発行書籍番号006
の紹介記事を追記しました。

2016/03/23
収蔵品番号353
の代替参考書を変更しました。

2016/03/20
収蔵品番号470
収蔵品番号463
収蔵品番号456
収蔵品番号449
収蔵品番号414
収蔵品番号407
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2016/02/29
収蔵品番号505
収蔵品番号502
収蔵品番号460
収蔵品番号454
収蔵品番号410
収蔵品番号409
収蔵品番号405
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2016/02/14
収蔵品番号477
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2015/09/07
夏コミ新刊の通販を開始しました。旧刊も在庫ありです。

2015/08/29
収蔵品番号392
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2015/08/10
収蔵品番号452
収蔵品番号451
収蔵品番号450
収蔵品番号448
収蔵品番号447
収蔵品番号446
収蔵品番号445
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2015/08/01
発行書籍番号010
発行書籍番号008
発行書籍番号007
の改訂版情報を追記しました。

2015/06/01
収蔵品番号486
収蔵品番号487
収蔵品番号488
収蔵品番号489
収蔵品番号490
収蔵品番号491
収蔵品番号492
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2015/05/10
収蔵品番号478
収蔵品番号484
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2015/05/05
収蔵品番号472
収蔵品番号474
収蔵品番号475
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2014/11/30
収蔵品番号394
収蔵品番号399
収蔵品番号400
収蔵品番号402
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2014/10/14
収蔵品番号398
収蔵品番号397
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2014/8/26
発行書籍番号011
発行書籍番号012
の委託販売を開始しました。

2014/6/7
収蔵品番号376
収蔵品番号150
収蔵品番号103
の代替参考書を変更しました。

2014/4/29
収蔵品番号434
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2014/04/19
収蔵品番号430
の代替参考書を変更しレビューに情報を追記しました。

2014/03/30
収蔵品番号357
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2014/3/25
収蔵品番号433
収蔵品番号432
収蔵品番号431
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2014/02/26
収蔵品番号086
収蔵品番号347
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収蔵品番号467 田村のセンター試験現代文

d0133636_22223633.jpg
【タイトル】田村の現代文講義|別巻2 田村のセンター試験現代文
【著者】田村秀行
【肩書】代々木ゼミナール講師
【出版社】代々木ライブラリー
【サイズ】A5
【ページ数】111頁+別冊問題107頁
【目次】
◆この本の使い方
◆選択肢に使うマーク
第一講(評論)竹内成明「よむ―他者への呼びかけ」八八年試行
第二講(小説)岡本かの子「鮨」八八年試行
第三講(評論)原広司「空間<機能から様相へ>」九〇年度
第四講(小説)北杜夫「幽霊」九〇年度
第五講(評論)杉本秀太郎「散文の日本語」九一年度
第六講(小説)夏目漱石「道草」九一年度
第七講(評論)瀧浦静雄「時間―その哲学的考察―」九二年度
第八講(小説)幸田文「おとうと」九二年度
第九講(評論)菅野道夫「ファジィ理論の目指すもの」九三年度
第十講(小説)阿部昭「司令の休暇」九三年度
第十一講(評論)竹田青嗣「陽水の快楽」九四年度
第十二講(小説)司馬遼太郎「項羽と劉邦」九四年度
◆その他の問題の出典一覧
【初版発行年月日】1996年8月25日
【収蔵品発行年月日】2000年10月20日 第10刷発行
【収蔵品定価】951円+税
【入手困難度】★★☆☆☆
【学力貢献度】★★☆☆☆
【ヤフオク相場】350円~
【鑑定額】450円
【代替参考書】夏古彩佑歌「センター現代文 満点のコツ[改訂版]」(教学社)
【コメント】
田村師による試行試験以降のセンター試験過去問(本試のみ)で作られた問題集。「アルバトロス現代文」のような素人作りの本とは違い、その年度の問題はキチンと評論と小説を揃えて収録しているし、年度の飛びもない。
12題も収録しているせいもあるが、別冊の問題だけで本誌以上の頁数になるあたりがセンター試験ならでは。タイトルとは裏腹に最近の赤本(黒本)では収録されていない問題のみなので、赤本を全て解き終えてまだ問題演習を続ける意欲がある上位レベルの受験生がベストの対象読者。
内容については「読み方」が5%以下でほぼ「解き方」に終始しており、本文を理解していて当然という態度で選択肢を吟味していく。だからこその「別巻」であり、「読み方」を知りたかったら「現代文講義・1」や「2」を終わらせておけという態度なので、センター試験でしか現代文を使わない理系が本書を使うのは禁物。
言い方を変えると、選択肢の吟味だけなのに本誌が111頁もあるという点で「読める」生徒にとってはセンター試験のツボが分かる良書で、誰かさんのように不毛な消去法の字数稼ぎ(この本に全くないとは言わないが)に終始したりせず、消すポイントも選ぶポイントも明確な根拠を持ってズバッと指摘するし、年度を網羅しているからこそ「悪問」は悪問として弾劾している。
やや田村師の「正解を知っているからこその神の視点」を感じる箇所もあるが、それを含めてセンター試験出題者の思惑まで伝わる内容。
繰り返すが、自力で赤本を全問解けるようなレベルの生徒向きで、並のレベルでは期待外れになる可能性が大である。
by roudai | 2014-09-30 00:00 | 国語 | Comments(3)

収蔵品番号416 田村の現代文重要語解説

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【タイトル】書き込み式田村の現代文重要語解説
【著者】田村秀行
【肩書】代々木ゼミナール講師
【出版社】桐原書店
【サイズ】A5
【ページ数】215頁
【目次】
プロローグ
第1章 対義語編(1)~(33)
第2章 同音異義語編(1)~(27)
第3章 四字熟語編(1)~(25)
第4章 類義語編(1)~(15)
エピローグ
【初版発行年月日】1993年7月20日
【収蔵品発行年月日】1993年11月30日 初版第2刷発行
【収蔵品定価】1100円[本体1068円]
【入手困難度】★★☆☆☆
【学力貢献度】★★☆☆☆
【ヤフオク相場】500円~
【鑑定額】500円
【代替参考書】梅澤眞由起「基礎からのジャンプアップノート現代文重要キーワード書き込みドリル」(旺文社)
【コメント】
田村師の絶版本ということで最近は猫も杓子も(旧「現代文講義1・2」まで!)高騰しており、この本も一時期馬鹿みたいなプレミアが付いていた(最近は多少沈静化したようだが)。
「あとがき」にあるように縁もユカリもない桐原書店からの出し抜けの依頼に応えたもので、田村師自身の「漢字などやらなくてもよい」「漢字の点差は読解1題で簡単にひっくり返る」というポリシーからもあまり力の入っていないのがよく分かる出来である。

第1章の対義語編はまだいいが、第2章の同音異義語編まで「Duo」のように一文に詰め込んでしまったため、どこに注目して書き分けるかという最大のポイントがボケてしまった。旧来の参考書が文を分けているのは理由のないことではない。

例4)死んだ人間のイシを継ごうというイシは立派だが、それを飛べるにはよほどイシが強くなければならない。
例11)国のガイカンを飾ることばかりにとらわれ、国内の政治をガイカンすることを忘れると、結局は内憂ガイカンを招くことになる。

こんなのは「一太郎」のCMだけでいいのではないか?ちなみにATOK2009で例11は正しく一発変換した。

四字熟語の(1)の①が「阿鼻叫喚」。確かに常用漢字の範囲内だが現代文・小論文の文脈で使うことはまずあり得ないと思う。(2)の①の「身体髪膚」もわざわざ「戦前の修身の教科書には」などとアテコスリを書く前に「『孝経』の開宗明義章第一に」と書くべきだろう。
一応宮腰賢「故事ことわざ辞典」(旺文社)は一通り眺めているはずだが、それでも記憶にない四字熟語があったり(「意馬心猿」「暴虎馮河」「寂滅為楽」など)、「三位一体」の説明に父(神)・子(キリスト)・聖霊が出てこなかったりと色々詰めが甘い。

面白い本ではあるがこの本ならではと言えるポイントは少なくプレミア価格で買うようなものではない。
by roudai | 2013-10-29 00:00 | 国語 | Comments(0)

収蔵品番号302 田村の現代文講義4

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【タイトル】田村の現代文講義 4 小説(総合問題)篇
【著者】田村秀行
【肩書】代々木ゼミナール講師
【出版社】代々木ライブラリー
【サイズ】A5
【ページ数】91頁+別冊46頁
【目次】
予講
第一講 尾崎一雄「虫のいろいろ」    …'83・成蹊大学
第二講 井上靖「本覚坊遺文」      …'83・日本女子大学(家政)
第三講 黒井千次「春の道標」      …'84・共通一次入試本試
第四講 梶井基次郎「蒼穹」       …'81・京都女子大学
第五講 堀辰雄「幼年時代」       …'83・北海道教育大学
第六講 芥川龍之介「ピアノ」      …'78・広島大学
第七講 太宰治「魚服記」        …'84・聖心女子大学
第八講 川端康成「夏の靴」       …'82・千葉大学(文・法・経)
第九講 中山義秀「寿永の春」     …'79・大阪大学
第十講 有馬頼義「四万人の目撃者」 …'83・名古屋大学
補講 菊池寛「父帰る」          …関西大学
【初版発行年月日】1986年6月16日
【収蔵品発行年月日】1988年9月10日 第10刷発行
【収蔵品定価】760円(本体738円)
【入手困難度】★★★★☆
【学力貢献度】★★☆☆☆
【ヤフオク相場】7000円~
【鑑定額】1500円
【代替参考書】久保寺亨「小説編 現代文のトレーニング」(Z会出版)
【コメント】
入試において圧倒的に評論文の方が出題されることもあり、小説専門と銘打った参考書が少ないため、絶版後は半ば神格化されて、オークションでも1万円近い価格で取引されることの多い1冊。

正直な話、センター試験を除いて、不定期にせよ小説を出題する大学というのは限られており(一部国立大と私立の女子大や文学部)、総需要としても微々たるものだけに出版サイドからすれば敬遠されるのだろう。

というわけで恒例の出題年度調査だが今回は難航を究めた。初版が1986年ということもあってそれ以前の問題になるわけだが、第二講などは旺文社の電話帳に日本女子大の家政学部が収録されておらず、延々と文学部の過去問を浚った末に各年の人気出典執筆者の一覧を見直してようやく発見した。大半が30年以上前の出題なのでさすがに古さは否めない。

一言で言えば、この本のキモは「予講」で、この10頁程度の内容で小説の読解に関する基本は終わってしまう。田村師が小説において必要な能力として「記憶力」「想像力」「裏の意味を探る力」の3つを挙げているが、こと「記憶力」に関しては試験中にメモをとることが出来るので、「全ての具体的事柄を憶えておく記憶容量の大きさ」はあるに越したことはないが第一ではないと感じられる。

小説に特有の解法として、「全てに矛盾なく解く」・「疑問が解けるように解く」・「設問箇所以外と連関をもつように解く」の3点を挙げており、数学の問題で言う「誘導に乗る」という意識は国語ではあまり見かけないため新鮮に映る。

問題は易から難という順番になっているが、第一講、第二講ともに見た目ほどはやさしくない。

第一講で些細な記述から人物の造形を言い当てる様はあたかもシャーロック・ホームズのような明察ぶり(と読者の無能ぶり)でさすがと思わせる。

しかし、第二講では致命的な勇み足も犯している。
茶室を腹を切る場所にしたという肝心の師利休はお亡くなりになってしまっており、そのような極め付け方をなさった有楽様もまたお亡くなりになってしまっている。お二方のどなたにもお訊きすることは出来ないが、師利休の茶は、きっとそのような言い方のできるものであったかも知れないと思う。(中略)どうして師はあんな所をひとりでお歩きになっておられたのであろうか。何となく解りそうでいて解らない。しかも自分は二回も師のお供をして、そこを歩いているのである。一回は夢の中で、一回は有楽さまのご葬儀の日の夜の、あの高熱に浮かされた夢幻さだかならぬ怪しさの中で。(別冊問題5~6頁)
 第五段落は今の部分の確認に過ぎない。ただ、15・16行目(※註 「茶室を~しまっている。」)からは、どちらが死んだのかがわかりにくいのが問題ではある。この書き方だと一般に利休が先と考えられるが、最終段落の最後で本覚坊が二回師のお供をしたうちの「一回は夢の中で」「一回は有楽さまのご葬儀の日」とあるので、ここでは有楽さまが先に死んだと考える方が自然である。とすると、有楽さまが「腹を切る場所にした」と褒めたのは、史実上の利休の切腹を受けていったのではなく、比喩的な意味合いだったということになる。ただ、一行目に「えらかった」とあるので、やはり史実どおりかもしれない。この文章からでは判断不能である。

歴史小説では、本文に出ていない史実にあまり頼りすぎると、かえって誤る場合がある。
(24頁・太字は引用者)
まるで石原千秋のような狂いっぷり(爆)だが、山田芳裕「へうげもの」読者なら解るように、利休の没年は天正十九(1591)年、有楽斎は元和七(1622)年と離れており、昭和を代表する大作家井上靖がよもやまさかそんな間違いをするはずがない。

よく読めば解るように、一回は「夢の中」、もう一回は「有楽さまのご葬儀の日『の夜の、あの高熱に浮かされた夢幻さだかならぬ怪しさの中』」とどちらも本覚坊が利休の供をしたのは現実の話ではなく、史実と全く矛盾しない。解説本文だけでなくわざわざ黒枠で教訓を述べていることからも、この「誤読」を強調したいがためこの問題を選んだのは明白であり、田村師一世一代の大失態と言える。ひょっとして『現代文講義4』絶版の「真の」理由はコレかも知れない。

閑話休題。続く第三講では人口に膾炙した1984年共通一次の「春の道標」を題材にまた深い読みを見せてくれる。
さて、7行目が何の伏線になっているかであるが、先に小堀は「足を速め」ていたはずなのに、ここでは「小堀も駆け足になった」とある。つまり、バスに遅れそうになっているわけで、速く歩いている小堀でさえ遅れているのだから、当然、棗や明史はこのままでは遅れるわけであって、ここに走る必然性やバスに追い抜かれる必然性が生じるわけで、そのことが最後の場面の緊張感を生んでいる。このクライマックスを用意するために、遅れることがわざとらしくならないために7行目で「寝坊」などと言ってあるわけである(32頁)
なるほど、と思わせる伏線解説だが、共通一次の忙しさ(120分5題)の中でここまで「読め」た受験生は皆無だろう。

第六講の「ピアノ」は問題文である全文が青空文庫で読める(ただし問題文は全て新かな表記)ので、あらかじめ読んだ上で以下の解説を見ていただくと「深さ」を実感できるだろう。
 まず、「雨のふる」「秋の日」「横浜」にすべて意味がある。「山手」にも意味があるが、これは具体的地名なのでわからなくても仕方がない。ただし、その名から、商店の建ち並ぶゴミゴミした所でないことはわかるだろう。そして、大正十二年の関東大震災後の話であることがわかるが、どれくらい後なのかはここではわからない。ただ、藜という雑草が伸びる程度の時間は少なくとも経っているわけである。
 次に、「現に」とあって、何事かの具体的証明として、ピアノが出てくる。ここで「横浜」が重要なのであるが、大正年間にピアノを有しているのはかなり特殊な家庭であり、かつ、いくら「荒廃」していたとしても、町中であれば藜が伸びるほどの間、そのまま放置しておくとは考えられない。これが「浅草」であったら、かなり作り話めいてくる。「横浜の山手」という設定の必要な所以である。
 そして、当時ピアノのもっていた価値を考えてみると、現在だって家中で一番単価の高い品物となると自動車の次はピアノである家も多いであろうから、相当な価値だったはずで、それが雨ざらしになって放置されているということは震災による荒廃が相当ひどかったということを意味していると考えるべきであろう。従って、傍線アの「現に」は2行目の証明であると考えられる。また、「雨」の意味が一つわかった。
 ところで、このピアノに関して不思議なのは、今考えたように相当高価なものであり、かつ単なる品でなく、弾いている人にとっては愛着のあるはずのものが、何故このように長い間放置されているのか、ということである。「弓なり」とあるので、多分グランドピアノが反ってしまっている状態なのであろうから、大きくて処理に困っているということは考えられる。しかし、「蓋をあけた」と譜本が雨の中に散らばっていることがわかりにくい。つまり、譜本があるということは、単に飾りだったのではなく、常に弾いていたのであろうが、その持ち主が、運べないのはやむをえないとしても、「蓋をあけた」ままにして鍵盤を雨に打たせておくであろうか。また譜本ぐらいは、当然書き込みもしてあるであろうから、拾って持ってかえるのが自然ではなかろうか。一時的にどこかに避難していたとしても、この間に一度も見に訪れていないというのは普通ではない。となると、このピアノの持ち主は死んでしまったか、ないし、かなり遠くに疎開したと考えないとつじつまが合わない。これも一つの伏線である。(52~3頁)
そして、本文解説の最後、
また、ここで「去年」とでてきて、一年が経過していることがわかる。関東大震災は九月一日で、今が栗の実が落ちる頃であるから。(58頁)
と「関東大震災」と「栗」の意外な関係まで解き明かすあたりは溜息を催す。

問二の3「傍線ウの『超自然の解釈を加える』とは具体的にどのように考えることか、説明せよ。」という問題に対して、田村師の答えは「震災で死んだピアノの持ち主の霊が、ピアノへの愛着からピアノを弾いたと考えること。」だが、評論的な「本文が全て」というアプローチでは「ピアノの持ち主が震災で死んだかどうか」は本文に書かれていないし、「(わたしが)不気味になった」だけでそもそも「霊がピアノの持ち主かどうか」「ピアノを鳴らしたのが霊であるかどうか」すら本文には書かれていない。評論慣れしてしまっていると「想像力」に欠け、どうしても踏み込みが甘くなる、というのを気付かせられた。

後半に行くほど問題が難しくなるため本文解説が短くなり、第八講の「夏の靴」などは「駿台式!本当の勉強力」で霜(栄)師が書かれているようにどのようにも解釈できる微妙な内容だけに少し消化不良に陥る。

第一〇講は名古屋大の「四万人の目撃者」だが、田村師は全く触れていないものの、本作は第12回日本推理作家協会賞を受賞した歴とした「社会派」推理小説であり、その殺人事件が起きる前である書き出し部分が出題されている。かつてある私立大が探偵小説についての評論を出題したが、推理小説自体から出題したのは後にも先にもこれだけだろう。しかし、残念ながらこの年の電話帳ではスペースの都合なのかこの問題は省略されている(笑)。そういった特殊な問題を敢えて収録してその辺の事情を一切語らないのは不思議だし、汎用性という点でも(一応「対照法」という目的はあるものの)不満がある。

小説を専門にした参考書がこの本以降ほとんど出ていなかったせいで、石原のインチキ本(これについては冬コミ予定の新刊で詳述する)くらいしか選択肢がなかったが、最近Z会出版から代替参考書が出て、問題の古さなどから受験生が敢えて本書を高値で落札する意味はなくなったと断言する。ネットで本書を神格化して「トレーニング」では足りないなどと放言する向きもあるが、何が本書より足りないのか、どのレベルなら本書が生きるのか、というのをついぞ見たことがない。二次私大だけでなく、センター小説でも「トレーニング」で十分(本試・追試と2題収録されている)であり、あとは過去問演習あるのみだろう。
by roudai | 2011-09-20 00:00 | 国語 | Comments(7)

収蔵品番号260 本音で迫る文学史

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【タイトル】田村の[本音で迫る文学史]
【著者】田村秀行
【肩書】代々木ゼミナール講師
【出版社】大和書房
【サイズ】B6
【ページ数】198頁
【目次】
はしがき
Ⅰ 日本近代文学史の流れ
 第一章 日本近代文学の幕開け
 第二章 写実主義と浪漫主義
 第三章 明治二十年前後
 第四章 紅露時代
 第五章 言文一致運動
 第六章 『文学界』と前期浪漫主義
 第七章 新体詩の導入
 第八章 『明星』と後期浪漫主義
 第九章 俳句・短歌の革新
 第十章 象徴詩
 第十一章 社会派の文学
 第十二章 自然を描いた文学
 第十三章 明治四十年前後
 第十四章 自然主義
 第十五章 自然主義の作家たち
 第十六章 反自然主義
 第十七章 夏目漱石
 第十八章 森鴎外
 第十九章 耽美派
 第二十章 理知主義―新思潮派
 第二十一章 人道主義―白樺派
 第二十二章 私小説
 第二十三章 戯曲
 第二十四章 口語自由詩の成立
 第二十五章 短歌・俳句のその後
 第二十六章 関東大震災
 第二十七章 新感覚派
 第二十八章 新心理主義
 第二十九章 近代詩の発展
 第三十章 プロレタリア文学
 第三十一章 文芸復興
 第三十二章 戦時下の文学
 第三十三章 戦後文学の出発
 第三十四章 無頼派
 第三十五章 戦後派
 第三十六章 第三の新人たち以降
Ⅱ 個別の文学
 第一章 明治初期の文学
 第二章 歌人たち
 第三章 小泉八雲
 第四章 泉鏡花
 第五章 柳田国男
 第六章 佐藤春夫
 第七章 宮沢賢治
 第八章 大衆文学者たち
 第九章 新興芸術派
 第十章 梶井基次郎
 第十一章 転向文学者たち
 第十二章 三島由紀夫
Ⅲ 余話
 第一章 「文学」と「文芸」
 第二章 日本近代文学の堅苦しさ
 第三章 「純文学」と「大衆文学」
 第四章 江戸文学の名残
 第五章 言文一致運動の帰結
 第六章 正岡子規の性質
 第七章 短歌と俳句の違い
 第八章 鴎外・漱石・荷風の帰朝後の態度
 第九章 森鴎外の遺書
 第十章 作家たちの演技
 第十一章 中原中也と小林秀雄
 第十二章 『女人藝術』
 第十三章 自殺文学者たち
 第十四章 第二芸術論
「本書に出てくる作品年表」
【初版発行年月日】1995年9月1日
【収蔵品発行年月日】1996年8月15日 第2刷発行
【収蔵品定価】1200円+税
【入手困難度】★★★☆☆
【学力貢献度】★★★☆☆
【ヤフオク相場】1000円~
【鑑定額】600円
【代替参考書】土屋博映「土屋の試験に出る文学史」(ライオン社)
【コメント】
「文学史」とあるが、目次の内容を見れば分かるように昭和半ばまでの「日本近代文学史」。

読んだこともない本の羅列になりがちな「文学史」を、時系列に沿って互いの関連を押さえつつ読みやすくまとめている希有な本。ひとえに田村師が国文学畑の人ではなく哲学科出身ということもあるだろう。

いささかプロレタリア文学の評価が高すぎる点や戦時下真っ暗史観に辟易する点もあるが、本文中にレベルの高いことを埋め込みながら、各章の最後に「本章でかならず覚えること」という形で受験における必要最低レベルの内容を再確認してくれる点は受験生のレベルを知り尽くしているからこその老婆心の現れだろう。

Ⅲの余話は田村師の主観を前面に出したため受験レベルを逸脱した話も多く、受験にすぐ役に立つわけではないが、知っておくと理解が深まる興味深い話が多い。正岡子規の性質についての暴露(山本夏彦翁の読者から見ればこれでも全然"甘い"と思うが)など、教科書しか読んでいない生徒がビックリするような内容もある。正直、鴎外や荷風も子規以上に人格に問題を抱えた人間だっただけにその辺もキチンと書いて欲しかった。その辺を詳しく知りたい方には夏彦翁の「完本・文語文」(文春文庫)をオススメしておく。
by roudai | 2010-12-21 00:00 | 国語 | Comments(2)

収蔵品番号182 田村の現代文講義3

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【タイトル】田村の現代文講義 3 評論・随筆(記述問題)篇
【著者】田村秀行
【肩書】代々木ゼミナール講師
【出版社】代々木ライブラリー
【サイズ】A5
【ページ数】116頁+別冊32頁
【目次】
予講
第一講 鈴木孝夫「ことばと文化」・・・東京都立大学
第二講 竹西寛子「時のかたみ」・・・広島大学
第三講 O・パス「弓と竪琴」(牛島信明訳)・・・大阪大学
第四講 谷川俊太郎「一九七二東京」・・・お茶の水女子大学
第五講 平川祐弘「東の橘西のオレンジ」・・・九州大学
第六講 高橋和巳「事実と創作」・・・東京大学
第七講 中村真一郎「文学的感覚」・・・京都大学
第八講 田中美知太郎「人生論風に」・・・東北大学
第九講 林達夫「思想の運命」・・・北海道大学
第十講 小林秀雄「人形」・・・名古屋大学
【初版発行年月日】1985年7月1日
【収蔵品発行年月日】1993年9月1日 第38刷発行
【収蔵品定価】760円(本体736円)
【入手困難度】★★★★☆
【学力貢献度】★★★★☆
【ヤフオク相場】2000円~
【鑑定額】1000円
【代替参考書】
【コメント】
by roudai | 2009-07-14 00:00 | 国語 | Comments(1)

収蔵品番号076 田村の現代文講義1

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【タイトル】田村の現代文講義 1 評論(客観問題)篇
【著者】田村秀行
【肩書】代々木ゼミナール講師
【出版社】代々木ライブラリー
【サイズ】A5
【ページ数】96頁+別冊45頁
【目次】
予講
第一講 古在由重「思想とは何か」・・・東京大学
第二講 沢田允茂「論理と思想構造」・・・共通一次試験
第三講 清水幾太郎「現代思想入門」・・・中央大学
第四講 坂本賢三「機械の現象学」・・・学習院大学
第五講 竹内啓「経済における論理と常識」・・・成蹊大学
第六講 山崎正和「芸術・変身・遊戯」・・・明治大学
第七講 加藤周一「日本の内と外」・・・東洋大学
第八講 水尾比呂志「自然と芸術」・・・早稲田大学
補講① 村野四郎「私はこうして詩をつくる」・・・実践女子大学
補講② 中村雄二郎「感性の覚醒」・・・早稲田大学
【初版発行年月日】1984年8月15日
【収蔵品発行年月日】1989年4月20日 第56刷発行
【収蔵品定価】760円(本体738円)
【入手困難度】★★★☆☆
【学力貢献度】★★★☆☆
【ヤフオク相場】500円~
【鑑定額】500円
【代替参考書】田村秀行「新・田村の現代文講義 評論〔基本問題〕篇」(代々木ライブラリー)
【コメント】
by roudai | 2007-12-15 00:00 | 国語 | Comments(3)

収蔵品番号045 現代文問題 田村の合格コーチ

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【タイトル】入試重要 現代文問題 田村の合格コーチ
【著者】田村秀行
【肩書】代々木ゼミナール講師
【出版社】中央図書
【サイズ】A5
【ページ数】79頁(本誌)47頁(解説と解答)
【目次】
[解説と解答]
解説の前に
解説と解答
現代国語または現代文という科目について
付録 文学史の問題
【初版発行年月日】1983年11月12日
【収蔵品発行年月日】1988年1月14日 13版発行
【収蔵品定価】520円
【入手困難度】★★★★☆
【学力貢献度】★★★☆☆
【ヤフオク相場】30000円~
【鑑定額】1500円
【代替参考書】田村秀行「田村の総合現代文」(ライオン社)
【コメント】
名著「田村の現代文講義・1」(代々木ゼミナール)に先行して出版された田村師初の受験参考書。「現代文講義」のような、問題集が別冊の体裁ではなく、一般の問題集同様に解説が別冊だが、「現代文講義・1」の内容と重複する解説も多い。「現代文講義」が有名になりすぎたためにこの本の影が薄れ、ヤフオクで高騰しているが、「現代文講義・1」を持っていれば特に必要のない本。
P.S.まだ入手していないが、ライオン社から出ている「田村の総合現代文」がこの本の改訂版と前書きで謳っているので、代替参考書を差し替えました。
by roudai | 2007-11-14 00:00 | 国語 | Comments(2)

収蔵品番号044 本音で迫る小論文

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【タイトル】梵我堂の[本音で迫る小論文]
【著者】梵我堂主人・田村秀行
【肩書】代々木ゼミナール講師
【出版社】大和書房
【サイズ】B6
【ページ数】202頁
【目次】
はしがき
第一部 理論解説篇
 第一章 小論文入試の特質
 第二章 小論文のタイプの違い
 第三章 小論文の形式について
 第四章 小論文の内容について
 第五章 小論文の発想について
 最終章 小論文の本当の秘訣
第二部 実戦問題添削篇
【初版発行年月日】1988年6月30日
【収蔵品発行年月日】1995年8月10日 第18刷発行
【収蔵品定価】980円(本体951円)
【入手困難度】★★☆☆☆
【学力貢献度】★★★★☆
【ヤフオク相場】1円~
【鑑定額】500円
【代替参考書】田村秀行「田村のやさしく語る小論文」(代々木ライブラリー)
【コメント】
プレ樋口時代に出された小論文参考書の中で屈指の内容を誇る一冊。この本がキッカケで田村秀行師が小論文を担当することになったというありがたーい功徳のある本。
全編梵我堂主人(=田村秀行師)の本音と主観に溢れ、読む側に強く訴えてくる。小論文のテクニックだけでなく、所々に挿まれる監修者としての田村師と執筆者としての田村師の掛け合い漫才の中で発想のしかたや、常識の疑いかたも示している。
第1部の最終章に「本当の秘訣」が示され、これが本書の骨子であるが、やはりここに至るまでの課程も読まなければ最終章の価値は半減する。
第2部の実戦問題添削編では過去の生徒の解答例を元にテクニックが詳細に語られる。実際に良くやりそうなミスや、受験生レベルでは何がいけないのか気づきづらい失敗を的確に指摘している。この指摘を読んでも同じミスを繰り返すようでは小論文を受験する資格はない。
by roudai | 2007-11-13 00:00 | 国語 | Comments(0)